エポニム

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エポニム英語:eponym)とは、既に存在する事物の名(とくに人名)にちなんで二次的に命名された言葉のこと。元となった人名などのことを名祖(なおや、eponymous)という。

エポニムの由来[編集]

人名からエポニムが名づけられるには、いくつかのケースがある。

自分の名前を付ける[編集]

企業店舗などの屋号に自分の名前を付けることは、広く行われている。企業の名前はさらに、その製品の総称となることも多い。

自然科学の分野ではあまり行われない。

他者に名付けられる[編集]

引用者、後世の人、マスコミ、命名機関などが、発見者・発明者等の名で呼ぶケース。

必ずしも最初の発見者・発明者の名がつくとは限らず、再発見者・再発明者や、単に広く紹介した人の名がつくことも多い。例:ボーデの法則

彗星の名前には、小惑星センター (MPC) により、発見者の名前が付けられる。

関係者の名前を付ける[編集]

恩師、スポンサー、協力者、国王領主家族などの名を付けるケース。

自然科学、特に生物学名では、献名と呼ばれる。

偉人の名前を付ける[編集]

無関係な偉人の名を付けるケース。

水星金星のクレーターはこれにあたる。たとえばコペルニクス・クレーター天文学者コペルニクスの間に特に関係はない。

語形[編集]

そのまま使う[編集]

単位名に人名を使う場合は、ほとんどはそのまま使う。例:ニュートン

元となった人名がそれほど一般的でない場合は、エポニムと意識されにくい。例:シルエット

語形変化[編集]

古来は、エポニムをラテン語化することが広く行われていた。たとえば、アメリカは、探検家アメリゴをラテン語化した女性形属格(「アメリゴの」)である。

現在は、語幹をラテン語化することは少ないが、分野によっては語尾をラテン語化することが慣例となっている。例:生物学名の種小名(属格)、元素名(-ium)、素粒子名(-on)。

近年では、英語形容詞語尾もよく使われる。例:ラグランジアンハミルトニアン

文法的な変化ではないが、人名をもじった社名や商品名も多い。

語を補う[編集]

「~の××」等である。

フレミング左手の法則」のような、説明的な命名と併用されていることもある。

頭文字[編集]

多数の人名が連なる場合など、アクロニムが使われることもある。例:EPRパラドックス(EPR = アインシュタイン・ポドルスキー・ローゼン)。

awkプログラミング言語)など、アクロニムが正式名称の場合もある。

エポニムの例[編集]

雑般[編集]

地名には人名が起源のものが多く枚挙にいとまがない(アメリゴ・ヴェスプッチからのアメリカアイゲウスからのエーゲ海エウローペーからのヨーロッパなど)。パラドックス哲学にも関係する人名を含むものが多い。料理にもマドレーヌマルゲリータ (ピッツァ)シャリアピン・ステーキなど関係者の名前が使われることが多い。語源に異説が多いことは忘れてはいけない。

科学[編集]

生物学名や、それに準じて用いられる和名などに関するエポニムに関しては献名の項目を、また医学数学天文学分野のエポニムについては、それぞれエポニム (医学)エポニム (数学)エポニム (天文学)を参照のこと。

も参照。

スポーツ[編集]

体操競技では新しい技を作った人の名前がつくことが多い(技と技名・新技)。

英語のエポニムの例[編集]