カリコテリウム科

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カリコテリウム科
カリコテリウム
カリコテリウムの予想図
地質時代
新生代古第三紀始新世 - 第四紀更新世
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
上目 : ローラシア獣上目 Laurasiatheria
: 奇蹄目 Perissodactyla
亜目 : 鉤足亜目 Laurasiatheria
: カリコテリウム科 Chalicotheriidae

カリコテリウム科(カリコテリウムか、学名:Chalicotheriidae[1])とは、奇蹄目鉤足亜目に属する絶滅した草食動物の一つ。

進化史[編集]

最古の化石記録は始新世前期の北アメリカで、パレオモロプスが知られている。初期の種たちは、小柄で、ヒツジほどの大きさであった[2]。進化の中心地はアジアと北アメリカで、そこでより進化したカリコテリウム科が出現した[3]。まず、奇蹄目の一般的な進化、大型化をとげ、モロプスや、カリコテリウムなどは、大型のウマほどの大きさになった[3]。始新世後期にアジア、ヨーロッパ、アフリカにまでも分布を広げた[2]。のちの中新世にはさらに分布を広げ、進化したカリコテリウム科は北アメリカにまで、分布を広げたが、どの時代でも繁栄することがなく、更新世後期に、アジアとアフリカを最後に絶滅した[2]

形態[編集]

カリコテリウムの骨格、前肢が長く、後肢は短い。
カリコテリウムの骨格、前肢が長く、後肢は短い。

カリコテリウム科は、多くの種類は大型のウマほどの大きさであり、ウマ形亜目と似て、頭骨が前後に長く、前肢は長く、後肢は短かった[2][3]。体重を効率よく支えることができ、後肢で二本立ちすることもできたと考えられている[2]。また、頭頂部がドームのような形をしているもっているものもいた[2]。低歯冠で、少臼歯より前の歯は退化している[2]有蹄類かつ、草食動物では珍しいメガテリウム科に似たかぎ爪を持っていた[2][4]

この科は大きく二つの主要な系統があり、その一つが、カリコテリウムを代表とする分類群で、手の甲を地面につけて、ゴリラのように歩いていた可能性が高い[2]

もう一つがモロプスを代表とする分類群で、オカピのような体形をしていた[2]

生態[編集]

集団で行動していたと考えられていて、長い前肢とかぎ爪で木の枝をたぐりよせて、やわらかい木の葉を食べていたと考えられている[2][3]

分布[編集]

始新世の後期に北アメリカで誕生し、始新世後期には、アジア、ヨーロッパ、アフリカにまで分布を遂げた[2]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 秀紀, 遠藤; 基樹, 佐々木 (2001). “哺乳類分類における高次群の和名について”. 日本野生動物医学会誌 6 (2): 45–53. doi:10.5686/jjzwm.6.45. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjzwm/6/2/6_KJ00000782754/_article/-char/ja. 
  2. ^ a b c d e f g h i j k l 『新版絶滅哺乳類図鑑』丸善、171頁。 
  3. ^ a b c d 『脊椎動物の進化』築地書館、446,447頁。 
  4. ^ 『哺乳類の進化』東京大学出版会、97頁。