オガサワラアブラコウモリ

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オガサワラアブラコウモリ
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: コウモリ目(翼手目) Chiroptera
亜目 : コウモリ亜目(小翼手亜目)
Microchiroptera
: ヒナコウモリ科 Vespertilionidae
: アブラコウモリ属 Pipistrellus
: オガサワラアブラコウモリ
P. sturdeei
学名
Pipistrellus sturdeei
(Thomas, 1915)
和名
オガサワラアブラコウモリ
英名
Bonin Pipistrelle

オガサワラアブラコウモリ小笠原油蝙蝠学名Pipistrellus sturdeei)は、コウモリ亜目ヒナコウモリ科に分類されているコウモリ

1915年模式標本1頭を元に新種として記載されて以降、確認されていない。

分布[編集]

模式標本は、小笠原諸島母島で採集されたと記録されている。同標本は現在、大英自然史博物館に収められている。

形態[編集]

模式標本は、前腕長30mm、頭胴長37mm、尾長31mm。体毛は黒っぽい。外形はアブラコウモリの幼獣に類似するも小型で、頭骨は小さく稜の発達が悪い。

採集者であるThomasの記録には、耳介は短く、その先端部は丸い。体の毛色は黒色で、飛膜は黒褐色、耳介・耳珠とも先端部が丸い。頭骨も小さく、幅が顕著に狭いと記されている

生態[編集]

全くわかっていない。

保護上の位置づけ[編集]

長い間絶滅種とされていたが、本種は新種として記載された1915年以降、及びそれ以前にも確かな記録がないため、存在自体が疑われており、IUCNレッドリストにおいては2006年に情報不足に位置づけが変更された。さして飛翔力のないヒナコウモリ科海洋島に分布する例は極めて稀であり、ゆえに模式標本がほんとうに小笠原諸島母島で採集されたかどうかもきわめて疑わしいとされている。

じつは本種は分類学的な位置づけもはっきりしていない。かつてThomasの記した頭骨の特徴から、本種は日本国内に広く分布するアブラコウモリ P. abramus のグループではなく、中国・インド・フィリピンおよび東南アジアに広く分布する小型で、頬骨の発達が悪いインドアブラコウモリ P. coromandra グループに近いとされていた。しかし上記の理由、及び唯一現存する模式標本の頭骨が破損してしまっていることもあり、現在この考えは保留されている。またこの記述から、この模式標本の本当の採集場所は東南アジアのいずれかであり、小笠原諸島母島の記載は誤記と考える学者もいる。

なお、小笠原諸島では近年に至って本種と思しきコウモリの目撃例が相次いでいるが、どの情報も信憑性を欠き、いまだ生存を確認するには至っていない。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Abe, H. & Ishii, N. 2006. Pipistrellus sturdeei. - 2007 IUCN Red List of Threatended Speceis.
  • 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明著、財団法人自然環境研究センター編 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、47頁、ISBN 978-4-486-01802-5
  • 環境省自然環境局野生生物課編『改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物1 哺乳類』 財団法人自然環境研究センター、2002年、ISBN 4-915959-73-2

外部リンク[編集]