くびき

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2頭の牛をつなぐくびき

くびき(軛、衡、頸木)とは、などの大型家畜輓獣)を馬車牛車かじ棒に繋ぐ際に用いる木製の棒状器具である

概要[編集]

家畜を使って耕運作業、車輌の牽引などをする場合は、それぞれの個体の頸部にくびきを挟み、そこに轅(ながえ)を取り付けて犂や車につないで用いる。牛車などに一頭のみで用いるものもある。世界各地で用いられるが、くびきを表す言葉は後述のように数千年前に遡る印欧祖語にもあり、非常に古くから用いられたと考えられる。日本語では意味が広がり、荷車人力車で人が輓くため握る棒(二本の轅[ながえ]で車体につながる)もくびきという。

言葉としての「くびき」[編集]

日本語の「くびき」は首にはめる木の意味。英語ではyokeというが、これに当たる単語が大部分の印欧語にあり、印欧祖語の*yugom(動詞*yeug-「結び付ける」から派生する名詞)に遡るとされる。サンスクリットヨーガという言葉もこれに由来する。漢字の軛(ヤク)はになるものとの意味があり、共軛などの言葉に使われる。家畜を束縛するものであることから、自由や国の独立が奪われることを喩えて「○○のくびき」という。

歴史的意義[編集]

馬は正しい頸木を用いず車・犂・橇などの重量物を牽引させると、呼吸が妨げられるので実力の半分も出せない。 人間が、「首を吊るようにかけた縄輪で牽引する」「棒の両端に縄をつけ、腕と胸で押す」「リュックサックのような帯を両肩につけ、それで牽引する」では牽引できる重量が極端に違うが、それに似ている。 牛は比較的簡単な装具で牽引させられるため、先に牛を用いる農耕が普及した。 馬の呼吸を妨げない頸木の完成は、馬に重い鋤を引かせることが可能になることにつながった。それは農業生産力を大幅に増した。

関連項目[編集]