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'''Next-L Enju'''(ねくすとえる えんじゅ; 槐)とは、原田隆史<ref>2007年当時の所属は[[慶應義塾大学]]。2013年現在は[[同志社大学]]。</ref>と田辺浩介<ref>2007年当時の所属は[[東京工科大学]]図書館。2013年現在は[[物質・材料研究機構]]。</ref>を中心とした[[Project Next-L]]<ref name="Harada2010">{{Cite web |author=原田隆史 |url=http://lc.linux.or.jp/lc2010/files/JLC2010-GP-02.pdf |title=日本初のオープンソース図書館システム Project Next-L プロトタイプ槐(enju)の開発経緯と現状 |accessdate=2012-11-05 |work=Japan Linux Conference 2010 |format=PDF}}</ref>が、[[2007年]]より開発している[[オープンソース]]の[[図書館システム]]である<ref name="Tanabe2012">{{Cite web |author=田辺浩介 |url=http://www.slideshare.net/nabeta/nextl-enju-5 |title=Next-L Enju開発ワークショップ #5 |accessdate=2012-11-05}}</ref>。 |
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フレームワークに[[Ruby on Rails]]、検索エンジンに[[Apache Solr]]を用いている。[[データベース管理システム|DBMS]]には[[PostgreSQL]]が推奨されている。[[アプリケーションプログラミングインタフェース|API]]による[[マッシュアップ]]、[[書誌]]情報の[[書誌レコードの機能要件|FRBR]]形式での構造化と表示、利用者によるカスタマイズなどを可能としている。アプリケーションプラットフォームの[[Amazon Elastic Compute Cloud|Amazon EC2]]および[[Heroku]]上でも動作させることが可能である。2010年に公開された[[国立国会図書館]]の総合情報探索システム[[国立国会図書館サーチ]]に採用され、その後、[[専門図書館]]、[[大学図書館]]、[[公共図書館]]における導入が続いている。 |
フレームワークに[[Ruby on Rails]]、検索エンジンに[[Apache Solr]]を用いている。[[データベース管理システム|DBMS]]には[[PostgreSQL]]が推奨されている。[[アプリケーションプログラミングインタフェース|API]]による[[マッシュアップ]]、[[書誌]]情報の[[書誌レコードの機能要件|FRBR]]形式での構造化と表示、利用者によるカスタマイズなどを可能としている。アプリケーションプラットフォームの[[Amazon Elastic Compute Cloud|Amazon EC2]]および[[Heroku]]上でも動作させることが可能である。2010年に公開された[[国立国会図書館]]の総合情報探索システム[[国立国会図書館サーチ]]に採用され、その後、[[専門図書館]]、[[大学図書館]]、[[公共図書館]]における導入が続いている。 |
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== 歴史 == |
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*[[2006年]]11月、第一回会議開催<ref name="NextLEnjuDounyuukan"> |
*[[2006年]]11月、第一回会議開催<ref name="NextLEnjuDounyuukan">{{Cite web |url=https://www.next-l.jp/?page=Next%2DL+Enju |title=Next-L Enju_導入館 |accessdate=2012-11-05 |work=Project Next-L}}</ref>。 |
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*[[2007年]]、「Project Next-L」として図書館システムを開発。 |
*[[2007年]]、「Project Next-L」として図書館システムを開発。 |
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*[[2008年]]、[[東京基督教大学]]図書館で[[アーカイブ]]用に初めて導入される<ref name="NextLEnjuDounyuukan" |
*[[2008年]]、[[東京基督教大学]]図書館で[[アーカイブ]]用に初めて導入される<ref name="NextLEnjuDounyuukan" />。 |
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*[[2009年]]、国立国会図書館サーチに採用される<ref name="NdlSaati001"> |
*[[2009年]]、国立国会図書館サーチに採用される<ref name="NdlSaati001">{{Cite web |url=http://iss.ndl.go.jp/information/system/ |title=国立国会図書館サーチのシステムについて |accessdate=2012-11-05 |publisher=国立国会図書館}}</ref>。 |
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*[[2010年]]、研究図書館の[[データベース]]検索システムとして初めて[[農林水産研究情報総合センター]]で採用<ref name="NextLEnjuDounyuukan" |
*[[2010年]]、研究図書館の[[データベース]]検索システムとして初めて[[農林水産研究情報総合センター]]で採用<ref name="NextLEnjuDounyuukan" />。 |
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*[[2011年]]、研究図書館の図書館システムとして[[物質・材料研究機構]]図書館で採用<ref name="NextLEnjuDounyuukan" /><ref name="nimspress_20101108">{{Cite |
*[[2011年]]、研究図書館の図書館システムとして[[物質・材料研究機構]]図書館で採用<ref name="NextLEnjuDounyuukan" /><ref name="nimspress_20101108">{{Cite press release |title=国内初、研究機関でオープンソース図書館システムを採用 |publisher=法人物質・材料研究機構 |date=2010-11-08 |url=http://www.nims.go.jp/news/press/2010/11/p201011080.html |accessdate=2013-06-07}}</ref>。 |
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== システム概要 == |
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=== 背景 === |
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1977年の[[筑波大学]]附属図書館「Tulips」に代表される、図書館員による内製の図書館システム開発と利用は<ref name="TukubaDaigakuDensiTosyokan001"> |
1977年の[[筑波大学]]附属図書館「Tulips」に代表される、図書館員による内製の図書館システム開発と利用は<ref name="TukubaDaigakuDensiTosyokan001">{{Cite journal |和書 |author=時実象一 |year=2008 |title=連載を始めるにあたって(<連載>オンライン情報検索:先人の足跡をたどる(1)) |journal=情報の科学と技術 |volume=58 |issue=4 |pages=200-204 |publisher=情報科学技術協会 |doi=10.18919/jkg.58.4_200}}</ref>、1980年代前半のJAPAN/MARC(M)頒布開始や[[ベンダ]]の参入<ref>{{Cite web |url=http://project.lib.keio.ac.jp/libsys/seminar/030919.html |title=ライブラリシステム研究会2003年オープンセミナー「図書館システムの歴史と日本語処理 |accessdate=2013-03-25}}</ref>に伴い、パッケージシステムの利用へと移行していった{{要出典|date=2013年3月}}。その結果、直接の開発コストは軽減されたものの、図書館システムは図書館員にとってブラックボックス化し、仕様や機能の柔軟な変更が予算や納期の面で困難になった{{要出典|date=2013年3月}}。 |
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=== 開発コンセプト === |
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=== システム構成 === |
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*本体:資料管理(受入・検索)、利用者管理、図書館管理。 |
*本体:資料管理(受入・検索)、利用者管理、図書館管理。 |
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*機能ごとのモジュール:[[貸出]]・返却、[[レファレンス]]、[[ブックマーク]]、書誌名寄せ、[[相互貸借]]、[[件名]]、催し物、お知らせ、検索ログ、メッセージ送信、購入依頼、[[蔵書点検]]、[[NDL]]接続、[[機関リポジトリ]]<ref name="Tanabe2011"> |
*機能ごとのモジュール:[[貸出]]・返却、[[レファレンス]]、[[ブックマーク]]、書誌名寄せ、[[相互貸借]]、[[件名]]、催し物、お知らせ、検索ログ、メッセージ送信、購入依頼、[[蔵書点検]]、[[NDL]]接続、[[機関リポジトリ]]<ref name="Tanabe2011">{{Cite web |url=http://www.slideshare.net/nabeta/nextl-enju-1 |author=田辺浩介 |title=Next-LEnjuの構成 : Next-L Enju 第1回開発ワークショップ |accessdate=2012-11-05}}</ref>。 |
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*[[オペレーティングシステム|OS]]:[[Unix]]系 |
*[[オペレーティングシステム|OS]]:[[Unix]]系 |
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*[[アプリケーションソフトウェア]]:Ruby1.9.3以上、PostgreSQL8.4以上、Apache Solr、Ruby on Rails3.2以上<ref>{{Cite web |url=http://github.com/nabeta/enju_leaf/wiki/Install |title=Install · nabeta/enju_leaf Wiki · GitHub |accessdate=2013-03-25}}</ref> |
*[[アプリケーションソフトウェア]]:Ruby1.9.3以上、PostgreSQL8.4以上、Apache Solr、Ruby on Rails3.2以上<ref>{{Cite web |url=http://github.com/nabeta/enju_leaf/wiki/Install |title=Install · nabeta/enju_leaf Wiki · GitHub |accessdate=2013-03-25}}</ref> |
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*プロトタイプ:2012年現在:[[FRBR]]対応の書誌管理システム「enju_root」と図書館管理システム「enju_leaf」がある。「enju_leaf」はOPACの「Enju Flower」と別であったものが、「enju_leaf」version1.0.0から「enju_leaf」に一本化されている。 |
*プロトタイプ:2012年現在:[[FRBR]]対応の書誌管理システム「enju_root」と図書館管理システム「enju_leaf」がある。「enju_leaf」はOPACの「Enju Flower」と別であったものが、「enju_leaf」version1.0.0から「enju_leaf」に一本化されている。 |
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*カスタマイズ:可能 |
*カスタマイズ:可能 |
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*他システムとの連携:WebAPIで行う(例:国立国会図書館サーチ、[[Google ブックス]]等<ref name="CA1762"> |
*他システムとの連携:WebAPIで行う(例:国立国会図書館サーチ、[[Google ブックス]]等<ref name="CA1762">{{Cite journal |和書 |author=原田隆史 |year=2012 |title=国立国会図書館サーチとディスカバリインタフェース |journal=カレントアウェアネス |issue=311 |url=http://current.ndl.go.jp/ca1762 |accessdate=2012-11-05}}</ref>。 |
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2019年1月22日 (火) 14:22時点における版
開発元 | Project Next-L |
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プログラミング 言語 | Ruby |
対応OS | Unix系 |
種別 | 図書館システム |
ライセンス | MIT |
公式サイト |
www |
Next-L Enju(ねくすとえる えんじゅ; 槐)とは、原田隆史[1]と田辺浩介[2]を中心としたProject Next-L[3]が、2007年より開発しているオープンソースの図書館システムである[4]。
フレームワークにRuby on Rails、検索エンジンにApache Solrを用いている。DBMSにはPostgreSQLが推奨されている。APIによるマッシュアップ、書誌情報のFRBR形式での構造化と表示、利用者によるカスタマイズなどを可能としている。アプリケーションプラットフォームのAmazon EC2およびHeroku上でも動作させることが可能である。2010年に公開された国立国会図書館の総合情報探索システム国立国会図書館サーチに採用され、その後、専門図書館、大学図書館、公共図書館における導入が続いている。
歴史
- 2006年11月、第一回会議開催[5]。
- 2007年、「Project Next-L」として図書館システムを開発。
- 2008年、東京基督教大学図書館でアーカイブ用に初めて導入される[5]。
- 2009年、国立国会図書館サーチに採用される[6]。
- 2010年、研究図書館のデータベース検索システムとして初めて農林水産研究情報総合センターで採用[5]。
- 2011年、研究図書館の図書館システムとして物質・材料研究機構図書館で採用[5][7]。
- 2011年11月、南三陸町図書館でクラウド環境として導入[8]。
システム概要
背景
1977年の筑波大学附属図書館「Tulips」に代表される、図書館員による内製の図書館システム開発と利用は[9]、1980年代前半のJAPAN/MARC(M)頒布開始やベンダの参入[10]に伴い、パッケージシステムの利用へと移行していった[要出典]。その結果、直接の開発コストは軽減されたものの、図書館システムは図書館員にとってブラックボックス化し、仕様や機能の柔軟な変更が予算や納期の面で困難になった[要出典]。
開発コンセプト
次世代の図書館システム開発の主導権を図書館関係者自身の手に取り戻し、オープンソースによる図書館システムの仕様を図書館員が共同で作成することを目指す[8]。
システム構成
- 本体:資料管理(受入・検索)、利用者管理、図書館管理。
- 機能ごとのモジュール:貸出・返却、レファレンス、ブックマーク、書誌名寄せ、相互貸借、件名、催し物、お知らせ、検索ログ、メッセージ送信、購入依頼、蔵書点検、NDL接続、機関リポジトリ[11]。
- OS:Unix系
- アプリケーションソフトウェア:Ruby1.9.3以上、PostgreSQL8.4以上、Apache Solr、Ruby on Rails3.2以上[12]
- プロトタイプ:2012年現在:FRBR対応の書誌管理システム「enju_root」と図書館管理システム「enju_leaf」がある。「enju_leaf」はOPACの「Enju Flower」と別であったものが、「enju_leaf」version1.0.0から「enju_leaf」に一本化されている。
- カスタマイズ:可能
- 他システムとの連携:WebAPIで行う(例:国立国会図書館サーチ、Google ブックス等[13]。
脚注
- ^ 2007年当時の所属は慶應義塾大学。2013年現在は同志社大学。
- ^ 2007年当時の所属は東京工科大学図書館。2013年現在は物質・材料研究機構。
- ^ 原田隆史. “日本初のオープンソース図書館システム Project Next-L プロトタイプ槐(enju)の開発経緯と現状” (PDF). Japan Linux Conference 2010. 2012年11月5日閲覧。
- ^ 田辺浩介. “Next-L Enju開発ワークショップ #5”. 2012年11月5日閲覧。
- ^ a b c d “Next-L Enju_導入館”. Project Next-L. 2012年11月5日閲覧。
- ^ “国立国会図書館サーチのシステムについて”. 国立国会図書館. 2012年11月5日閲覧。
- ^ "国内初、研究機関でオープンソース図書館システムを採用" (Press release). 法人物質・材料研究機構. 8 November 2010. 2013年6月7日閲覧。
- ^ a b 原田隆史「Project Next-LとNext-L Enju 日本初のオープンソース統合図書館システムの開発と現状」『情報管理』第54巻第11号、725-737頁、doi:10.1241/johokanri.54.725。
- ^ 時実象一「連載を始めるにあたって(<連載>オンライン情報検索:先人の足跡をたどる(1))」『情報の科学と技術』第58巻第4号、情報科学技術協会、2008年、200-204頁、doi:10.18919/jkg.58.4_200。
- ^ “ライブラリシステム研究会2003年オープンセミナー「図書館システムの歴史と日本語処理”. 2013年3月25日閲覧。
- ^ 田辺浩介. “Next-LEnjuの構成 : Next-L Enju 第1回開発ワークショップ”. 2012年11月5日閲覧。
- ^ “Install · nabeta/enju_leaf Wiki · GitHub”. 2013年3月25日閲覧。
- ^ 原田隆史「国立国会図書館サーチとディスカバリインタフェース」『カレントアウェアネス』第311号、2012年、2012年11月5日閲覧。