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ニセルゴリン
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
Drugs.com 国別販売名(英語)
International Drug Names
胎児危険度分類
  • Not recommended
法的規制
  • OTC
投与経路 Oral, IM, IV
薬物動態データ
生物学的利用能<5%
血漿タンパク結合>90%
代謝Extensive first-pass metabolism
半減期13–20 hours
識別
CAS番号
27848-84-6 チェック
ATCコード C04AE02 (WHO)
PubChem CID: 34040
DrugBank DB00699 チェック
ChemSpider 31373 チェック
UNII JCV8365FWN チェック
KEGG D01290  チェック
ChEMBL CHEMBL1372950 ×
化学的データ
化学式C24H26BrN3O3
分子量484.386 g/mol
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ニセルゴリン(Nicergoline) (製品名 サアミオン、Sermion)は麦角アルカロイド誘導体で、老年性認知症血管性認知症(Binswanger型白質脳症など)の治療に用いられる。 ニセルゴリンは 血管抵抗 を低下させ、脳の動脈血流量を増加させ、酸素とブドウ糖を脳での利用を改善させる。 同様の血管作動性を全身、特に肺で持つ。

血栓症 や 動脈硬化、四肢の血管閉塞、レイノー病、血管性の片頭痛網膜症などの血管疾患に用いられることがある。

ニセルゴリンは50以上の国で薬事認可され、30年以上高齢者の認知、感情、行動異常の治療に用いられている。[1]

臨床利用

ニセルゴリンは、以下の場合で用いられる:

  • 急性及び慢性脳代謝-血管障害(脳動脈硬化、 血栓症脳塞栓症は、一時的脳虚ます。 急性及び慢性の周辺の代謝-血管疾患(有機機能arteriopathiesの手足は、 レイノー病 およびその他の症候群による変更の周辺の灌漑ます。
  • 血管由来の片頭痛
  • 臨床での、血小板凝集亢進とと高血圧を伴う状態での補助療法
  • 網膜血管疾患: 糖尿病性網膜症、 黄斑変性症、網膜動脈硬化症
  • 血管性の前庭神経疾患: めまい、耳鳴り、難聴

一般に、用量は、5~10 mgを一日三回投与する。しかし、抗老化予防の目的では5 mgを一日2~3回が適切である。引用エラー: 冒頭の <ref> タグは正しくない形式であるか、不適切な名前です

禁忌

出血、 心筋梗塞 、高血圧、徐脈 、アドレナリンαまたはβ受容体作動薬を服用している場合などには、ニセルゴリンの服用は医師に相談すべきである。 毒性の研究では、ニセルゴリンは催奇形性はみられていないが、妊娠中は、必要性ががある場合にのみ用いられるべきである。

2013年6月28日に 欧州医薬品庁 は、ニセルゴリンを含む麦角誘導体の使用を制限するよう勧告した。 彼らは「これらの医薬品は、利益よりもリスクが高く、もはや記憶や感覚異常を伴う循環器疾患、片頭痛予防に用いられるべきではない。 この勧告は、これら麦角系薬物により、線維化(結合組織の過剰な形成による臓器や構造への傷害)と、麦角中毒(麦角系過剰摂取による、血管攣縮と同様な血液の循環阻害)のリスクが高まることを示したデータのレビューによる。」引用エラー: 冒頭の <ref> タグは正しくない形式であるか、不適切な名前です

ニセルゴリンは ポルフィリン症(porphyria)において安全ではない。[2]

副作用

ニセルゴリンの副作用には、吐き気、紅潮、軽度の胸焼け、低血圧、めまいなどが一般的である。 高用量では、 徐脈、食思亢進、、精神高揚、下痢や発汗などが起こる。 急性 間質性腎炎 が一例報告されている。[3]

相互作用

ニセルゴリンはプロプラノロールによる心拍出抑制作用を増幅させることが知られている。引用エラー: 冒頭の <ref> タグは正しくない形式であるか、不適切な名前です 高用量では、強力な血管拡張作用を持つブロモクリプチン、 Gingko blioba, ピカミロン、ビンポセチン、ニコチン酸木産地ノールとの組み合わせは医師の意見を求める必要がある。

作用機序

ニセルゴリンは、麦角アルカロイド誘導体であり、強力かつ選択的 α-1Aアドレナリン受容体 拮抗剤である。[4] ニセルゴリンのIC50 は in vitroで0.2nMと報告されている。[5] ニセルゴリンは最初に血管を拡張させ動脈血流を増加させる。 またニセルゴリンは 血小板凝集を抑制することも知られている。 ニセルゴリンは老化した脳において 神経成長因子 を増加させることも知られている。[要出典]

参考文献

  1. ^ “Efficacy of nicergoline in dementia and other age associated forms of cognitive impairment”. Cochrane Database Syst Rev (4): CD003159. (2001). doi:10.1002/14651858.CD003159. PMID 11687175. 
  2. ^ Sweetman SC, ed (2009). “Supplementary drugs and other substances”. Martindale: The complete drug reference (36th ed.). London: Pharmaceutical Press. pp. 2352. ISBN 978-0-85369-840-1 
  3. ^ “Acute interstitial nephritis due to nicergoline (Sermion)”. Nephron 92 (3): 676–9. (2002). doi:10.1159/000064096. PMID 12372954. 
  4. ^ “Selective blockade by nicergoline of vascular responses elicited by stimulation of alpha 1A-adrenoceptor subtype in the rat”. Fundam Clin Pharmacol 13 (1): 50–8. (1999). doi:10.1111/j.1472-8206.1999.tb00320.x. PMID 10027088. 
  5. ^ “Effect of ergolines on neurotransmitter systems in the rat brain”. Arch Int Pharmacodyn Ther 294: 33–45. (1988). PMID 2906797.