コンテンツにスキップ

「スターク予想」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Enyokoyama (会話 | 投稿記録)
/*en:Stark conjecture13 Mar. 2014より日本語化
(相違点なし)

2014年3月14日 (金) 02:37時点における版

数論では、ハロルド・スターク(Harold Stark)により Stark (1971, 1975, 1976, 1980)で導入され、後日、 Tate (1984)で拡張されたスターク予想(Stark conjectures)は、数体ガロア拡大 K/k に付随するアルティンのL-函数テーラー展開の主要項の係数についての予想である。スターク予想は、数体のデデキントのゼータ函数のテーラー展開の主要項を表す解析的類数公式を一般化し、有理数と体のS-ユニット英語版(S-units)へ関係付けたレギュレータの積として表すものである。K/k がアーベル拡大(abelian extension)で、L-函数の s = 0 での位数 が 1 のときに、スタークは予想をさらに精密化し、スタークユニット英語版(Stark units)と呼ばれるS-ユニットの存在を予想した。 Rubin (1996)クリスティアン・ディミトルゥ・ポペスク英語版(Cristian Dumitru Popescu)は、この精密化された予想をさらに高次のゼロ点の位数へ拡張した。

定式化

スターク予想は、最も一般的な形では、アルティンのL-函数の主要項は、スタークレギュレータ英語版(Stark regulator)と呼ばれる代数的数のレギュレータのタイプの積であるという予想である。体の拡大がアーベル的で、L-函数の s = 0 での位数が 1 のとき、スタークの精密化された予想は、基礎体 k のアーベル拡大である K のクンマー拡大(Kummer extnsion)を生成する根となっているスタークユニットの存在を予想する(K がアーベル拡大でない場合は、クンマー理論で拡大する)。このスターク予想の精密化は、ヒルベルトの第12問題を解くという理論的な意味をもっている。また、特別な場合にはスタークユニットの計算が可能であり、精密化されたスターク予想の信憑性を評価することを可能とし、数体のアーベル拡大を作り出す計算機の重要なツールを提供する。実際、いくつかの数体のアーベル拡大を計算するための標準的なアルゴリズムは、以下にみるように拡大を生成するスタークユニットを作り出すことを意味する。

計算

第一位数がゼロであるという予想は、総実体のヒルベルト類体(Hilbert class field)の計算するためのPARI/GP計算機代数システム英語版(PARI/GP computer algebra system)の最新版に使われて、ヒルベルトの第12問題の一つの解を提供する。ヒルベルトの第12問題は数学者がどのように任意の体の上に虚数乗法の方法により類体を構成したらよいのかに挑戦している問題である。

前進点

スタークの主予想は、様々な特別な場合に証明されている。証明されている場合は、L-函数のを定義する指標が有理数飲みを取る場合である。基礎体は有理数体、もしくは虚二次体の場合を除き、アーベル的なスターク予想は証明されてはいない。多くの前進点が代数多様体の函数体(function fields of an algebraic variety)で得られている。

Manin (2004)は、スターク予想をアラン・コンヌ(Alain Connes)の非可換幾何へ関連付ける[1]。これは予想を研究する概念的なフレームワークを提供するが、現時点でマーニンのテクニックが証明されているかどうかは不透明である。

脚注

  1. ^ Manin, Yu. I.; Panchishkin, A. A. (2007). Introduction to Modern Number Theory. Encyclopaedia of Mathematical Sciences. 49 (Second ed.). p. 171. ISBN 978-3-540-20364-3. ISSN 0938-0396. Zbl 1079.11002 

参考文献

外部リンク