Drobo

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Drobo(ドロボ)とは、米国 Drobo 社が製造するストレージ装置である。USB, eSATA, FireWire, Gigabit Ethernet または Thunderbolt 接続の DASNAS、および iSCSI 接続の SAN ストレージがある。 Drobo 社が開発した Beyond RAID という独自技術を搭載していることが特徴。

Beyond RAID によりストレージ装置としての管理が容易で、NAS製品は Drobo Apps により様々な機能を追加することが可能である。

日本国内の販売代理店は、2014年10月頃までは国際産業技術株式会社、それ以降は株式会社プリンストンである。

2022年、破産申請を行った。

BeyondRAID[編集]

Drobo は、Drobo 社が開発した BeyondRAID と呼ばれる技術を搭載している。これは ISO にて定義されている RAID 技術を拡張したもので、JBOD のように異なる種類のハードディスクを組み合わせた単一のストレージを構築できることがメリット。すべてのディスクに冗長性を確保し、なおかつホットスワップをサポートする。 ディスク台数が 2 台の時は RAID 1、3 台以上の時は RAID 5/6 のような動作をする。ディスク台数が 3 台以上の時は、管理用アプリケーションの Drobo Dashboard を使用してディスクの保護台数を1台または2台から選ぶことができる。

Drobo で使用可能なストレージ容量は、すべてのディスク容量を足したものから、最も容量の大きいディスク容量を差し引いたものにほぼ等しい。

たとえば 500, 400, 200, 100 GB のハードディスクが本体にセットされている場合、搭載されている容量を合計した 500 + 400 + 200 + 100 = 1,200 GB から、データ保護領域 500 GB を差し引いた 700 GB が利用可能なディスク領域となる。

また、異なる回転数のハードディスクを使用することができる。その場合、転送速度は遅いディスクに合わせて動作する。

Beyond RAID 技術は米国にて特許申請されており、詳細は公開されている。[1]

Drobo Apps[編集]

5N, FS, Pro FS, B800fs 等のNASで利用可能。アプリケーションを導入することで、DLNAサーバbittorrent クライアント、HTTPサーバFTPサーバPerlrsync 等を利用できる。

ただし一部のアプリケーションを除いてメーカーはサポートしておらず、自己責任での利用が必要となる。 [2]

ハードディスクの増設・交換[編集]

ハードディスクの増設・交換はディスクスロットイン方式を採用し、HDD/SSDの装着時にネジ止めが不要で、ただ差し込んだり抜き取るのみである。管理アプリケーション側での設定も不要であり、他のストレージ製品と比較して容易にディスクの増設や交換が行える。

製品[編集]

2020年5月現在での製品一覧は下表のとおりである。販売中の製品名はDroboの次の数字がベイ数,iはSAN,NまたはnはNAS,DまたはCはDAS であることを表し,同シリーズの世代を示す数字が付されている場合もある。例えばDrobo5N2は、ベイ数5のNASの第2世代の製品である。また、Bが付く製品は8ベイ以上のビジネス向けモデルである。

製品名 発売日 ステータス 種別 ベイ数 ディスク保護 ホスト USB FireWire 800 Gigabit Ethernet eSATA Thunderbolt
Drobo (1st) 2007-06-05 製造終了 DAS 4 1 1台 2.0
Drobo (2nd) 2008-07-08 製造終了 DAS 4 1 1台 2.0 有り
Drobo S 2009-11-23 製造終了 DAS 5 1or2 1台 2.0 有り 有り
Drobo S (2nd) 2010-11-16 製造終了 DAS 5 1or2 1台 3.0 有り 有り
Drobo FS 2010-04-06 製造終了 NAS 5 1or2 32台まで 1port (AFP and CIFS/SMB)
DroboPro 2009-04-07 製造終了 DAS 8 1or2 1台 2.0 有り 1port (iSCSI)
DroboPro FS 2010-10-05 製造終了 NAS 8 1or2 32台まで 2ports (AFP and CIFS/SMB)
DroboElite 2009-11-23 製造終了 SAN 8 1or2 16台まで 2.0, 管理用 2ports (iSCSI)
B800fs 2011-02-08 製造終了 NAS 8 1or2 32台まで 2ports (AFP and CIFS/SMB)
B800i 2011-02-08 製造終了 SAN 8 1or2 16台まで 2.0, 管理用 2ports(iSCSI)
B1200i 2011-09 製造終了 SAN 12 1or2 24台まで 3ports(iSCSI) and 1port(Management)
Drobo Mini 2012-11-20 製造終了 DAS 4 1or2 1台 3.0 2ports
Drobo 5D 2012-11-20 製造終了 DAS 5 1or2 1台 3.0 2ports
Drobo 5N 2012-12-17 製造終了 NAS 5 1or2 32台まで 1port(AFP and CIFS/SMB)
Drobo 5D3 2017-9 製造終了 DAS 5 1or2 1台 3.0
Drobo 5C 2016-11 製造終了 DAS 5 1or2 1台 3.0 2ports
Drobo 8D 2019-5 製造終了 DAS 8 1or2 1台 2ports
Drobo B810i 2016-5 製造終了 SAN 8 1or2 2ports(iSCSI) and 1port(Management)
Drobo 5N2 2017-6 製造終了 NAS 5 1or2 2ports(AFP and CIFS/SMB)
Drobo B810n 2015-12 製造終了 NAS 8 1or2 100台まで 2ports(AFP and CIFS/SMB)

製造終了製品[編集]

2nd Generation[編集]

個人・SOHO向け。USB, FireWire 800 接続の DAS 。Drobo シリーズの中では、もっとも安価である。 最新ファームウェアでは 2TB HDD まで利用可能。[3][4]

Drobo S[編集]

個人・SOHO向け。USB, FireWire 800, eSATA 接続の DAS

Drobo FS[編集]

ギガビット・イーサネット 接続の NAS。Drobo Apps 対応。

Drobo Pro[編集]

iSCSI 接続の SAN ストレージ。 接続可能なホストは 1 つ。[5]

Drobo Pro FS[編集]

ギガビット・イーサネット 接続の NAS。Drobo Apps 対応。FS の上位機種。

Drobo B800fs[編集]

ギガビット・イーサネット 接続の NAS。Drobo Apps 対応。Pro FS の後継機種。

Drobo Elite[編集]

2 ポート iSCSI 接続の SAN ストレージ。Pro の上位機種。16 までのホストをサポートし、255 ボリュームまで作成可能。[6]

Drobo B800i[編集]

iSCSI 接続の SAN ストレージ。Elite の後継機種。

Drobo B1200i[編集]

iSCSI 接続の SAN ストレージ。B800i の上位機種。

Drobo Mini[編集]

Thunderbolt 接続の DAS ストレージ。998gでDrobo シリーズ最小。

Drobo 5D[編集]

Thunderbolt 接続の DAS ストレージ。Sの後継機。

Drobo 5N[編集]

ギガビット・イーサネット 接続の NASストレージ。FSの後継機。Drobo Apps 対応。

Drobo 5D3[編集]

5ベイ & Thunderbolt 3×2ポートとUSB3.0(Type-C)を搭載したDASのスタンダードモデル。5Dの後継機。

Gold Edition は、5年間の製品保証付きモデル。

Drobo 5C[編集]

5ベイ & USB3.0(Type-C)を搭載したDASのエントリーモデル。

Drobo 8D[編集]

8ベイ & Thunderbolt 3を搭載したDASのパワーユーザー向けモデル。5D3の上位機種。

Drobo B810i[編集]

8ベイ & iSCSI を搭載したSANの中規模クラスのサーバールーム向けモデル。B800iの後継機。

Drobo 5N2[編集]

5ベイ & LANポート2基を搭載したNASのスタンダードモデル。5Nの後継機。Drobo Apps 対応。

Gold Edition は、5年間の製品保証付きモデル。

Drobo B810n[編集]

8ベイ & LANポート2基を搭載したNASのパワーユーザー向けモデル。B800fsの後継機。Drobo Apps 対応。

レビュー[編集]

参照先[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]