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赤子 (妖怪)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

赤子(あかご)は、長野県大和国(現・奈良県)に伝わる妖怪。または、俳人・与謝蕪村による妖怪絵巻蕪村妖怪絵巻』にある妖怪。それぞれ伝承が異なる。

概要

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長野県の赤子
大町市にある仁科三湖のひとつ、木崎湖の水中に住むといわれる。外見は11歳か12歳ほどの人間のようだが、その名が示すように産まれたばかりの赤ん坊のように赤く、髪は猩猩のようだという。漁師が水中に隠れている赤子を目撃することがあるものの、特に人間に対して危害を加えることはないという[1]
ばけもの絵巻』より「赤子の怪」
大和国の赤子
明治時代妖怪絵巻ばけもの絵巻』(作者不詳)に「赤子の怪」と題して記述されている。あるところに化物屋敷と呼ばれて誰も寄り付かない家があった。ある剣術者が化物の正体を見極めようとその家に泊まったところ、夜中に障子の向こうから、誰かが踊っているような音が聞こえた。覗き見ると、生まれたばかりの赤ん坊のような者が踊っており、しかもどんどん数を増し、遂には数百人にも達した。剣術者は斬り払おうと太刀に手をかけたものの、手がすくんでしまった。どうすることもできない内に、夜明けと共に赤子たちは消え去ったという[2]
与謝蕪村蕪村妖怪絵巻』より「赤子の怪」
『蕪村妖怪絵巻』の赤子
「赤子の怪」と題して記述されている。ある法師が小笠原という座敷に停まったところ、夜中に隣室で大勢の人間が踊っているような音が聞こえた。覗き見ると、そこには数千人もの裸の赤ん坊が踊っていた。騒々しくて仕方なかったものの、夜が明けると姿が消えていたという[1][3]
題名は『ばけもの絵巻』のものと同じであり、内容も酷似しているが、関連性は不明[3]

脚注

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  1. ^ a b 村上健司編著『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、5-6頁。ISBN 978-4-620-31428-0 
  2. ^ 湯本豪一編著『妖怪百物語絵巻』国書刊行会、2003年、89頁。ISBN 978-4-336-04547-8 
  3. ^ a b 『妖怪百物語絵巻』、107頁。 

関連項目

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