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'''IBM 274x'''(IBMにぃななよんエックス、{{Lang-en|IBM 274x}})は[[IBM]]が1965年に発表した[[通信]]機能付きキーボード・プリンター端末機で<ref>[https://www.ibm.com/ibm/history/exhibits/dpd50/dpd50_chronology3.html DPD chronology (July 8, 1965)]</ref>、IBM 2740とIBM 2741の二種類があった。
'''IBM 274x'''(IBMにぃななよんエックス、{{Lang-en|IBM 274x}})は[[IBM]]が1965年に発表した[[通信]]機能付きキーボード・プリンター端末機で<ref>[https://www.ibm.com/ibm/history/exhibits/dpd50/dpd50_chronology3.html DPD chronology (July 8, 1965)]</ref>、IBM 2740とIBM 2741の二種類があった。


==概要==
== 概要 ==
IBM 2740は他の2740とも通信して[[テレックス]]の代わりもなり、また[[System/360]]へも[[IBM 270x]]通信制御装置を通して接続できた。IBM 2741は[[IBM 270x]]通信制後装置経由でSystem/360接続専門であった。
IBM 2740は他の2740とも通信して[[テレックス]]の代わりもなり、また[[System/360]]へも[[IBM 270x]]通信制御装置を通して接続できた。IBM 2741は[[IBM 270x]]通信制後装置経由でSystem/360接続専門であった。


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IBM 274xは1970年代後半には、[[ゼロックス]]の[[:en:Diablo 630|Diablo 630]]に代表されるデイジー・ホィール([[:en:Daisy wheel printing|Daisy wheel]])を用いたキーボード・プリンター端末機、あるいはドット・マトリックス([[:en:Dot matrix printing|Dot matrix]])を用いた[[IBM 3767]]通信端末機に代っていった。
IBM 274xは1970年代後半には、[[ゼロックス]]の[[:en:Diablo 630|Diablo 630]]に代表されるデイジー・ホィール([[:en:Daisy wheel printing|Daisy wheel]])を用いたキーボード・プリンター端末機、あるいはドット・マトリックス([[:en:Dot matrix printing|Dot matrix]])を用いた[[IBM 3767]]通信端末機に代っていった。


==利用分野==
== 利用分野 ==
IBM 2741はもともと[[System/360]]用文書を編集し、ユーザーに配布するATS/360([[:en:IBM Administrative Terminal System|IBM Administrative Terminal System]])用に使用された。
IBM 2741はもともと[[System/360]]用文書を編集し、ユーザーに配布するATS/360([[:en:IBM Administrative Terminal System|IBM Administrative Terminal System]])用に使用された。


しかし、良質の印刷技術だったので、他の様々な通信を利用したアプリケーションが開発された。
しかし、良質の印刷技術だったので、他の様々な通信を利用したアプリケーションが開発された。


===APL===
=== APL ===
IBM 2741は[[APL]][[プログラミング言語]]用によく使われた。もともと[[ケネス・アイバーソン]]によって提案されたように、APLには多種多様な特殊文字が必要であった。IBMは[[System/360]]の[[タイムシェアリングシステム]]([[:en:IBM System/360 Model 67|System/360 Model 67]])に実装して、[[:en:APL\360|APL\360]]と呼び、APLタイプボールを載せた[[IBM 270x|IBM 2741]]または[[IBM 1050]]が使用された。アルファベットは26文字のみで小文字シフトシンで入力されて、すべて大文字の[[斜体]]で表示された。シフトしたキーストロークで多くの特殊記号を表示し、それでも足りなかったので残りはオーバーストライクによって処理さた。<br>
IBM 2741は[[APL]][[プログラミング言語]]用によく使われた。もともと[[ケネス・アイバーソン]]によって提案されたように、APLには多種多様な特殊文字が必要であった。IBMは[[System/360]]の[[タイムシェアリングシステム]]([[:en:IBM System/360 Model 67|System/360 Model 67]])に実装して、[[:en:APL\360|APL\360]]と呼び、APLタイプボールを載せた[[IBM 270x|IBM 2741]]または[[IBM 1050]]が使用された。アルファベットは26文字のみで小文字シフトシンで入力されて、すべて大文字の[[斜体]]で表示された。シフトしたキーストロークで多くの特殊記号を表示し、それでも足りなかったので残りはオーバーストライクによって処理さた。

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[[File:APL-keybd2.svg|thumb|center|500px|IBM 2741 APLキーボード]]
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===ALGOL===
=== ALGOL ===
IBM 2741はまた[[ALGOL]]プログラミング言語用にもよく使われた。APLと同様に、[[:en:ALGOL 68|ALGOL 68]]は多数の特殊文字で定義されていた。 その多く(∨、∧、¬、≠、≤、≥、×、÷、⌷、↑、↓、⌊、⌈および⊥)は、APL [[IBM Selectric typewriter|Selectric]]タイプボールで利用可能であったため、APLとALGOLには直接的な関係はないが、これはALGOL 68の「プログラミング言語標準の最終レポート(1968年8月)」に使用された。
IBM 2741はまた[[ALGOL]]プログラミング言語用にもよく使われた。APLと同様に、[[:en:ALGOL 68|ALGOL 68]]は多数の特殊文字で定義されていた。その多く(∨、∧、¬、≠、≤、≥、×、÷、⌷、↑、↓、⌊、⌈および⊥)は、APL [[IBM Selectric typewriter|Selectric]]タイプボールで利用可能であったため、APLとALGOLには直接的な関係はないが、これはALGOL 68の「プログラミング言語標準の最終レポート(1968年8月)」に使用された。


== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
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2020年9月19日 (土) 02:13時点における最新版

IBM 2741キーボード・プリンター端末機

IBM 274x(IBMにぃななよんエックス、英語: IBM 274x)はIBMが1965年に発表した通信機能付きキーボード・プリンター端末機で[1]、IBM 2740とIBM 2741の二種類があった。

概要[編集]

IBM 2740は他の2740とも通信してテレックスの代わりもなり、またSystem/360へもIBM 270x通信制御装置を通して接続できた。IBM 2741はIBM 270x通信制後装置経由でSystem/360接続専門であった。

プリンター機能には「IBM Selectric typewriter」の通称「ゴルフボール」が使われて、以前のこの分野のキーボード・プリンター端末機と較べて、より早く、印刷品質がずっとよく、ゴルフボールを他の文字セットに交換できた[2]

IBM 274xは1970年代後半には、ゼロックスDiablo 630に代表されるデイジー・ホィール(Daisy wheel)を用いたキーボード・プリンター端末機、あるいはドット・マトリックス(Dot matrix)を用いたIBM 3767通信端末機に代っていった。

利用分野[編集]

IBM 2741はもともとSystem/360用文書を編集し、ユーザーに配布するATS/360(IBM Administrative Terminal System)用に使用された。

しかし、良質の印刷技術だったので、他の様々な通信を利用したアプリケーションが開発された。

APL[編集]

IBM 2741はAPLプログラミング言語用によく使われた。もともとケネス・アイバーソンによって提案されたように、APLには多種多様な特殊文字が必要であった。IBMはSystem/360タイムシェアリングシステムSystem/360 Model 67)に実装して、APL\360と呼び、APLタイプボールを載せたIBM 2741またはIBM 1050が使用された。アルファベットは26文字のみで小文字シフトシンで入力されて、すべて大文字の斜体で表示された。シフトしたキーストロークで多くの特殊記号を表示し、それでも足りなかったので残りはオーバーストライクによって処理された。

IBM 2741 APLキーボード

ALGOL[編集]

IBM 2741はまたALGOLプログラミング言語用にもよく使われた。APLと同様に、ALGOL 68は多数の特殊文字で定義されていた。その多く(∨、∧、¬、≠、≤、≥、×、÷、⌷、↑、↓、⌊、⌈および⊥)は、APL Selectricタイプボールで利用可能であったため、APLとALGOLには直接的な関係はないが、これはALGOL 68の「プログラミング言語標準の最終レポート(1968年8月)」に使用された。

脚注[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]