IBM Selectric typewriter
IBM Selectric typewriter(アイビーエム セレクトリック タイプライター)は、IBMが1961年に発表し、アメリカで広く普及した電動タイプライターである。印字部品の形状から「IBMゴルフボール タイプライター」と呼ばれる事もある。
概要[編集]

通常のタイプライターはタイプバー(印字アーム)が「バスケット状」になっているが、Selectric では中核となる印字部品が「タイプボール」(typeball)と呼ばれ、同一の文書の途中でも異なったフォントに変える事ができた。それは60年前にBlickensderfer typewriterによって近代的なタイプライターが登場して以来の、能力の向上であった。Selectric はまた、伝統的なタイプライターでの、ペーパーローラー(platen)を使用したムービングキャリッジによる紙送りを、タイプボールとインクリボンが左右に動くメカニズムに置き換えた。
Selectric とその後継タイプライタは、後にアメリカのビジネス用の電動タイプライタの 75%シェアを獲得した[1]。
機能と用途[編集]
フォントを変更できることは、タイプされたページのきちんとした規則的な出現と合わせて革命的な事であり、DTPの始まりとして特筆される。
デザイン[編集]
The Selectric typewriter は1961年7月23日に発表された。そのインダストリアルデザインは有名なアメリカのデザイナー Eliot Noyesによった。Noyes はIBMのために多数のデザインプロジェクトを行った。Selectric の仕事をする前には、1956年にトーマス・J・ワトソン・ジュニアによって、IBMの最初のスタイルガイドの作成に任命され、Noyes の同僚のPaul Rand、Marcel Breuer、Charles Eamesにも影響を与え、アメリカのビジネスで最初のスタイルガイドとなった。[1]
Selectric II[編集]
数年後に Selectric II が発表されると、オリジナルのデザインは Selectric I と呼ばれるようになった。これらは同じ 88文字のタイピング部品を持っていたが、以下の点が異なった。
- Selectric I は丸みがかったスタイルだが、Selectric II は比較すると角ばっている。
- Selectric I は1つの固定ピッチだったが、Selectric II はデュアルピッチのオプションにより、インチ当たり 10〜12文字の間でピッチを変更できた。
Selectric III[編集]
1980年代にIBMは Selectric III と、タイプライターを置き換えるワードプロセッサまたは植字機(typesetters)を発表した。
備考[編集]
- タイプボールは、1970年のドラマ謎の円盤UFOのオープニングでもアップで登場した。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ a b “Eliot Fette Noyes, FIDSA”. Industrial Design Society of America--About ID. 2009年11月18日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- History of IBM typewriters
- History of typewriter design, featuring the Selectric.
- Selectric Typewriter Museum
- The IBM Selectric Composer desktop typesetting system
- IBM Archives: Office Product Division Highlights