「アドホック」の版間の差分
ラテン語のhocに関する誤った記述を削除。hic、haec、hocはそれぞれ同じ指示代名詞の男性単数主格、女性単数主格、中性単数主格・対格である。 |
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'''アドホック'''('''ad hoc''')は、「特定の目的のための」「限定目的の」などといった意味の[[ラテン語]]の語句である。 |
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ad hocのadは「〜へ」「〜について」、hocは「これ」「この」という意味で、英語では「for this」に相当することになる。 |
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ヨーロッパ諸語では様々な語句と組み合わせて用いられている。 |
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== アドホック・モード == |
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コンピュータネットワーク関連の用語。「[[Peer to Peer|ピア・ツー・ピア]]モード」あるいは「インディペンデントモード」とも言う。[[無線LAN]]クライアント同士が、[[アクセスポイント (無線LAN)|アクセスポイント]]を介さず、直接通信を行う。[[インフラストラクチャー・モード]]に比べて電波使用効率が良い。 |
コンピュータネットワーク関連の用語。「[[Peer to Peer|ピア・ツー・ピア]]モード」あるいは「インディペンデントモード」とも言う。[[無線LAN]]クライアント同士が、[[アクセスポイント (無線LAN)|アクセスポイント]]を介さず、直接通信を行う。[[インフラストラクチャー・モード]]に比べて電波使用効率が良い。 |
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=== 無線アドホックネットワーク === |
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従来型の移動体通信(携帯電話など)では、基地局、およびそれらを繋ぐ固定網などの基盤設備が必須である。 |
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いくつかの形態があるが、ひとつの形態として、[[モバイルアドホックネットワーク]]([[MANET]])がある。MANETでは、ラップトップPCや携帯電話など、携帯可能である端末で無線アドホックネットワークを構築する。 |
いくつかの形態があるが、ひとつの形態として、[[モバイルアドホックネットワーク]]([[MANET]])がある。MANETでは、ラップトップPCや携帯電話など、携帯可能である端末で無線アドホックネットワークを構築する。 |
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== アドホック・クエリ== |
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[[情報科学]]分野の用語。アドホック・クエリを使えば、カスタマイズされた[[クエリ]]を簡単に作成することが可能になる。通常、データベースの原理やSQL文を深く理解していなくても、[[GUI]]を使って行うことができる環境が提供されている。ただし、このような方式のクエリが多用されるとデータベースシステム全体のパフォーマンスにも影響が出かねないため、直接に"生"のデータベースを対象とするのではなく、"生"のデータベースを定期的に複製したものを対象にクエリを作成する、というようなことも行われる。そのような複製は「[[データウェアハウス]]」などと呼ばれることもある。 |
[[情報科学]]分野の用語。アドホック・クエリを使えば、カスタマイズされた[[クエリ]]を簡単に作成することが可能になる。通常、データベースの原理やSQL文を深く理解していなくても、[[GUI]]を使って行うことができる環境が提供されている。ただし、このような方式のクエリが多用されるとデータベースシステム全体のパフォーマンスにも影響が出かねないため、直接に"生"のデータベースを対象とするのではなく、"生"のデータベースを定期的に複製したものを対象にクエリを作成する、というようなことも行われる。そのような複製は「[[データウェアハウス]]」などと呼ばれることもある。 |
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== アドホック・コミティー == |
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アドホック・コミティーとは、特定の目的のために設置され、問題が解決した後には解消される委員会のことである。このような委員会は、組織の通常のプロセスでは解決しきれないような問題を解決するために利用される。例えば[[関税および貿易に関する一般協定|GATT]]は、開始された段階ではアドホック・コミティーによって管理されたが後にその委員会は解散し、管理は[[世界貿易機関]](WTO)に移されることになった。 |
アドホック・コミティーとは、特定の目的のために設置され、問題が解決した後には解消される委員会のことである。このような委員会は、組織の通常のプロセスでは解決しきれないような問題を解決するために利用される。例えば[[関税および貿易に関する一般協定|GATT]]は、開始された段階ではアドホック・コミティーによって管理されたが後にその委員会は解散し、管理は[[世界貿易機関]](WTO)に移されることになった。 |
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== アドホクラシー == |
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アドホクラシーは「ad hoc + cracy> adhocracy」という構造の造語。[[アルビン・トフラー]]によって1970年代に広められた概念。現在では[[組織管理]]論や[[経営学]]の分野では広く用いられている概念である。bureaucracy(官僚制、官僚的システム)の硬直的で非効率な組織と対比される。[[ヘンリー・ミンツバーグ]]は、アドホクラシーは通常の官僚的制度的な指揮系統を断ち切ることで機会を機敏に捉え、問題を解決し、結果を出す、としている。また、官僚制(bureaucracy)は旧時代のもので、アドホクラシーのほうが未来のものともされる。 |
アドホクラシーは「ad hoc + cracy> adhocracy」という構造の造語。[[アルビン・トフラー]]によって1970年代に広められた概念。現在では[[組織管理]]論や[[経営学]]の分野では広く用いられている概念である。bureaucracy(官僚制、官僚的システム)の硬直的で非効率な組織と対比される。[[ヘンリー・ミンツバーグ]]は、アドホクラシーは通常の官僚的制度的な指揮系統を断ち切ることで機会を機敏に捉え、問題を解決し、結果を出す、としている。また、官僚制(bureaucracy)は旧時代のもので、アドホクラシーのほうが未来のものともされる。 |
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アドホックな仮説(Ad hoc hypothesis)とは、ある[[理論]]が[[推論|反証]]されたときに、その反証を否定するためにその理論に後から付け加えられる補助仮説のことである。 |
アドホックな仮説(Ad hoc hypothesis)とは、ある[[理論]]が[[推論|反証]]されたときに、その反証を否定するためにその理論に後から付け加えられる補助仮説のことである。 |
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このアドホックな仮説は、マイナスの質量を検出することが不可能であるため(燃焼の前後の質量を比較する、という方法が提案されたが、それはマイナスの質量を持つことを必ずしも裏付けない)、反証可能性を持たない。反証可能性を持たなければ、一連の仮説の全体が崩れてくる。結局のところ、このアドホックな仮説は、科学的に有意義なはずのフロギストン仮説を空疎な議論に貶めてしまった。 |
このアドホックな仮説は、マイナスの質量を検出することが不可能であるため(燃焼の前後の質量を比較する、という方法が提案されたが、それはマイナスの質量を持つことを必ずしも裏付けない)、反証可能性を持たない。反証可能性を持たなければ、一連の仮説の全体が崩れてくる。結局のところ、このアドホックな仮説は、科学的に有意義なはずのフロギストン仮説を空疎な議論に貶めてしまった。 |
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[http://web.archive.org/web/20010331130150/www.geocities.co.jp/Technopolis/5298/adhoc.html その場しのぎの仮説](SkepDic 日本語版) |
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2019年2月10日 (日) 00:55時点における版
アドホック(ad hoc)は、「特定の目的のための」「限定目的の」などといった意味のラテン語の語句である。 ad hocのadは「〜へ」「〜について」、hocは「これ」「この」という意味で、英語では「for this」に相当することになる。
ヨーロッパ諸語では様々な語句と組み合わせて用いられている。
アドホック・モード
コンピュータネットワーク関連の用語。「ピア・ツー・ピアモード」あるいは「インディペンデントモード」とも言う。無線LANクライアント同士が、アクセスポイントを介さず、直接通信を行う。インフラストラクチャー・モードに比べて電波使用効率が良い。
無線アドホックネットワーク
従来型の移動体通信(携帯電話など)では、基地局、およびそれらを繋ぐ固定網などの基盤設備が必須である。
しかし、無線アドホックネットワークでは、固定ネットワークは不要であり、各端末自身が自律的にルーティングを行い(いわば、各端末がルーターやL3スイッチの役割を持つ)、マルチホップ通信を行う。
本質的にインフラレスであり、ネットワークを構築したい環境に端末を散布するだけ、端末が寄り集まるだけで、ネットワークを即席的に構築することが可能である。
いくつかの形態があるが、ひとつの形態として、モバイルアドホックネットワーク(MANET)がある。MANETでは、ラップトップPCや携帯電話など、携帯可能である端末で無線アドホックネットワークを構築する。
アドホック・クエリ
情報科学分野の用語。アドホック・クエリを使えば、カスタマイズされたクエリを簡単に作成することが可能になる。通常、データベースの原理やSQL文を深く理解していなくても、GUIを使って行うことができる環境が提供されている。ただし、このような方式のクエリが多用されるとデータベースシステム全体のパフォーマンスにも影響が出かねないため、直接に"生"のデータベースを対象とするのではなく、"生"のデータベースを定期的に複製したものを対象にクエリを作成する、というようなことも行われる。そのような複製は「データウェアハウス」などと呼ばれることもある。
アドホック・コミティー
アドホック・コミティーとは、特定の目的のために設置され、問題が解決した後には解消される委員会のことである。このような委員会は、組織の通常のプロセスでは解決しきれないような問題を解決するために利用される。例えばGATTは、開始された段階ではアドホック・コミティーによって管理されたが後にその委員会は解散し、管理は世界貿易機関(WTO)に移されることになった。
アドホクラシー
アドホクラシーは「ad hoc + cracy> adhocracy」という構造の造語。アルビン・トフラーによって1970年代に広められた概念。現在では組織管理論や経営学の分野では広く用いられている概念である。bureaucracy(官僚制、官僚的システム)の硬直的で非効率な組織と対比される。ヘンリー・ミンツバーグは、アドホクラシーは通常の官僚的制度的な指揮系統を断ち切ることで機会を機敏に捉え、問題を解決し、結果を出す、としている。また、官僚制(bureaucracy)は旧時代のもので、アドホクラシーのほうが未来のものともされる。
アドホックな仮説
アドホックな仮説(Ad hoc hypothesis)とは、ある理論が反証されたときに、その反証を否定するためにその理論に後から付け加えられる補助仮説のことである。
反証主義の立場からすれば、反証可能性を減少させるようなアドホックな仮説は認められない。すなわち、アドホックな仮説は、しばしば当の仮説の反証可能性を奪い、結果的に仮説そのものの科学的な地位を消し去ってしまう、と見なされている。