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2018年10月16日 (火) 15:48時点における版
三角法における正接定理(せいせつていり)とは、三角形の2つの角と2つの辺の関係を示した定理である。
図1 において以下の式が成り立つ。
正接定理は正弦定理や余弦定理ほど一般的ではないが、三角形の2つの角と2辺の長さのうちどれか1つが不明の場合は正弦定理の代わりにこの定理を使用しても残りの値を出すことができる。
球面上の三角形における正接定理は、13世紀にナスィールッディーン・トゥースィーが著書 Treatise on the Quadrilateral で言及している[1][2] 。
証明
この定理の証明は、正弦定理から始まる。
と置く。変形すると
- および
となる。
定理の左辺に代入する。
ここで、以下の和積公式を使用する。
最終的に以下のようになる。
この証明を変形して以下の式を導くことができる。
応用
正接定理は、三角形の2辺 a, b とその間の角 が与えられているときに他の辺と角の値を求めるために使用できる。 より を求めることができ、 も分かるので角の値を求めることができる。残った辺 c の値は正弦定理などで出すことができる。余弦定理を使用して とすることもできるが、コンピューターで計算する場合には が0に近く と もほぼ等しいときに桁落ちの危険性があるため正接定理のほうが都合がよい。
関連項目
脚注
- ^ Marie-Thérèse Debarnot (1996). “Trigonometry”. In Rushdī Rāshid, Régis Morelon. Encyclopedia of the history of Arabic science, Volume 2. Routledge. p. 182. ISBN 0-415-12411-5
- ^ Q. Mushtaq, JL Berggren (2002). “Trigonometry”. In C. E. Bosworth, M.S.Asimov. History of Civilizations of Central Asia, Volume 4, Part 2. Motilal Banarsidass Publ.. p. 190. ISBN 81-208-1596-3