「バリキャップ」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
渚月 (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
9行目: 9行目:
[[Image:Varactor.svg|250px|right|thumb|バリキャップの内部構造]]
[[Image:Varactor.svg|250px|right|thumb|バリキャップの内部構造]]
[[Image:Varactor_function.svg|200px|right|thumb|上図:バイアス電圧が低いと空乏層が狭まり、容量が増加する。<br />下図:バイアス電圧を上げると空乏層が広がり、容量が低下する。]]
[[Image:Varactor_function.svg|200px|right|thumb|上図:バイアス電圧が低いと空乏層が狭まり、容量が増加する。<br />下図:バイアス電圧を上げると空乏層が広がり、容量が低下する。]]
バリキャップは[[逆バイアス]]で使うため電流は流れないが、[[空乏層]]の幅がバイアス電圧で変化することで[[静電容量]]が変化する。通常、空乏層の幅は印加電圧の[[平方根]]に比例し、静電容量は空乏層の幅に反比例する。このため、静電容量は印加電圧の平方根に反比例する。
バリキャップは[[逆バイアス]]で使うため電流は流れないが、コンデンサのように振る舞い、[[空乏層]]の幅がバイアス電圧で変化することで[[静電容量]]が変化する。通常、空乏層の幅は印加電圧の[[平方根]]に比例し、静電容量は空乏層の幅に反比例する。このため、静電容量は印加電圧の平方根に反比例する。


すべてのダイオードで、こうした現象がある程度は見られる。しかし、バリキャップは静電容量とその変化域が大きくなるように意図して製造されている。逆に他の多くのダイオードでは、これらが小さくなるようにしている。
すべてのダイオードで、こうした現象がある程度は見られる。しかし、バリキャップは静電容量とその変化域が大きくなるように意図して製造されている。逆に他の多くのダイオードでは、これらが小さくなるようにしている。

2017年8月23日 (水) 02:16時点における版

バリキャップの記号

バリキャップ英語: varicap diode, variable capacitance diode)とは、ダイオードの一種で、端子に加える電圧によって静電容量が変化するダイオードである。可変容量ダイオード(かへんようりょうダイオード)やバラクタとも呼ばれる。

用途

バリキャップは、VCO位相同期回路周波数シンセサイザなどで使われている。主に、電圧で制御するコンデンサとして使われているが、整流器としても使われることがある。

使用法

バリキャップの内部構造
上図:バイアス電圧が低いと空乏層が狭まり、容量が増加する。
下図:バイアス電圧を上げると空乏層が広がり、容量が低下する。

バリキャップは逆バイアスで使うため電流は流れないが、コンデンサのように振る舞い、空乏層の幅がバイアス電圧で変化することで静電容量が変化する。通常、空乏層の幅は印加電圧の平方根に比例し、静電容量は空乏層の幅に反比例する。このため、静電容量は印加電圧の平方根に反比例する。

すべてのダイオードで、こうした現象がある程度は見られる。しかし、バリキャップは静電容量とその変化域が大きくなるように意図して製造されている。逆に他の多くのダイオードでは、これらが小さくなるようにしている。

ダイオード以外のバリキャップ

バリキャップには、ダイオード以外のものもある。CMOSプロセスでは、低濃度の不純物を注入したN型領域(Nウェル)に高濃度の不純物を注入したP型領域(P+型)を作ることでバリキャップが形成される。こうした接合部の静電容量は、低濃度の不純物を注入したP型の領域(Pウェル)にN+注入したNMOSトランジスタ(PN接合でもある)と同様に作用する。

外部リンク

参考文献

  • Mortenson, Kenneth E. (1974). Variable capacitance diodes: the operation and characterization of varactor, charge storage and PIN diodes for RF and microwave applications. Dedham, Mass.: Artech House.
  • Penfield, Paul and Rafuse, Robert P. (1962). Varactor applications. Cambridge, M.I.T. Press.