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2015年8月11日 (火) 16:30時点における版
単位ベクトル (たんい-ベクトル、英 : unit vector )とは、長さ (ノルム )が 1 のベクトル の事である。
二つのベクトル a , e があって、e が単位ベクトル(
|
e
|
=
1
{\displaystyle |\mathbf {e} |=1}
)であるならば、二つのベクトルのなす角を θ とおけば、
a
⋅
e
=
|
a
|
cos
θ
{\displaystyle \mathbf {a} \cdot \mathbf {e} =|\mathbf {a} |\cos \theta }
となって、a の e 方向の成分を取り出すことができる。ベクトルを分解してある特定方向の成分だけを調べるのに、単位ベクトルを用いれば内積の代数的計算に結びつけることができるのである。単位ベクトルは、e などで表されることが多い。力学や電磁気などの理工学的な分野などではベクトル r に対して、r と同方向の単位ベクトルを
r
^
=
r
|
r
|
=
r
r
{\displaystyle \mathbf {\hat {r}} ={\frac {\mathbf {r} }{|\mathbf {r} |}}={\frac {\mathbf {r} }{r}}}
などと表す。ここで、
r
=
|
r
|
{\displaystyle r=|\mathbf {r} |}
は r の長さ。
また、曲線や曲面に沿って動く質点などの動きをベクトルで捉えたとき、主な方向へ向かう単位ベクトルとして接線 単位ベクトル(単位接ベクトル)、法線単位ベクトル (単位法ベクトル)、従法線単位ベクトル(単位従法ベクトル)などが挙げられる。そのベクトルの絶対値が 1 であることを表すために「単位ベクトル」という語が付されている。
n 次元ベクトル空間に基底をとれば座標として数ベクトル空間が現れるから、n 個の一次独立な単位ベクトル
e
1
=
(
1
0
⋮
0
)
,
e
2
=
(
0
1
⋮
0
)
,
…
,
e
n
=
(
0
0
⋮
1
)
{\displaystyle \mathbf {e} _{1}={\begin{pmatrix}1\\0\\\vdots \\0\end{pmatrix}},\mathbf {e} _{2}={\begin{pmatrix}0\\1\\\vdots \\0\end{pmatrix}},\ldots ,\mathbf {e} _{n}={\begin{pmatrix}0\\0\\\vdots \\1\end{pmatrix}}}
が取れる。
xyz -空間を扱うときには、x , y , z の各軸方向の単位ベクトルをそれぞれ i , j , k と記すことが慣習である。これらを用いて空間ベクトル r は
r
=
x
i
+
y
j
+
z
k
{\displaystyle \mathbf {r} =x\mathbf {i} +y\mathbf {j} +z\mathbf {k} }
と表せる。大きさや r 方向の単位ベクトルはそれぞれ
|
r
|
=
x
2
+
y
2
+
z
2
{\displaystyle |\mathbf {r} |={\sqrt {x^{2}+y^{2}+z^{2}}}}
r
^
=
1
|
r
|
(
x
i
+
y
j
+
z
k
)
=
x
x
2
+
y
2
+
z
2
i
+
y
x
2
+
y
2
+
z
2
j
+
z
x
2
+
y
2
+
z
2
k
{\displaystyle {\begin{aligned}\mathbf {\hat {r}} &={\frac {1}{|\mathbf {r} |}}(x\mathbf {i} +y\mathbf {j} +z\mathbf {k} )\\&={\frac {x}{\sqrt {x^{2}+y^{2}+z^{2}}}}\mathbf {i} +{\frac {y}{\sqrt {x^{2}+y^{2}+z^{2}}}}\mathbf {j} +{\frac {z}{\sqrt {x^{2}+y^{2}+z^{2}}}}\mathbf {k} \end{aligned}}}
関連項目