「正則行列」の版間の差分
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Masaya yamakami (会話 | 投稿記録) |
ARAKI Satoru (会話 | 投稿記録) 出典追加・記述を整理(逆行列に重きをおく部分を削除) ## 体成分に限定したせいで単純化しすぎかもしれない |
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'''正則行列'''(せいそくぎょうれつ、regular matrix)、'''非特異行列'''(ひとくいぎょうれつ、non-singular matrix)あるいは'''可逆行列'''(かぎゃくぎょうれつ、invertible matrix)とは[[行列]]の通常の積に関する[[逆元]]を持つ[[正方行列]]のことである。 |
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{{出典の明記|date=2012年7月}} |
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ある[[体 (数学)|体]]上の同じサイズの正則行列の全体は[[一般線型群]]と呼ばれる[[群論|群]]を成す。 |
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'''正則行列'''(せいそくぎょうれつ、regular matrix (こう呼ばれることは稀である))、'''非特異行列'''(ひとくいぎょうれつ、non-singular matrix)あるいは'''可逆行列'''(かぎゃくぎょうれつ、invertible matrix)とは[[行列]]の通常の積に関する[[逆元]]である'''逆行列'''('''ぎゃくぎょうれつ'''、inverse matrix)を持つ[[正方行列]]のことである。 |
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[[多項式]]の根として定められる部分群は{{仮リンク|線形代数群|en|Linear algebraic group}}あるいは行列群と呼ばれる{{仮リンク|代数群|en|Algebraic group}}の一種で、その[[表現論]]が[[整数論|代数的整数論]]などに広い応用を持つ幾何学的対象である。 |
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ある体上の同じサイズの正則行列の全体は[[一般線型群]] ''GL'' と呼ばれる[[群論|群]]を成し、その成分の代数的な関係式によって定められる部分群は線形代数群あるいは行列群と呼ばれる[[代数群]]の一種で、その[[表現論]]が[[整数論|代数的整数論]]などに広い応用を持つ幾何学的対象である。 |
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== 定義 == |
== 定義 == |
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{{mvar|n}} 次[[単位行列]]を {{mvar|I}} と表す。 |
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[[体 (数学)|体]]の元を成分にもつ {{mvar|n}} 次[[正方行列]] {{mvar|A}} に対して、 |
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:<math>AX = XA = I</math> |
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:<math>AB = I = BA</math> |
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(''I'' は ''n'' 次[[単位行列]])となる ''n'' 次[[正方行列]] ''X'' が存在するとき、''A'' は ''n'' 次'''正則行列'''、あるいは単に'''正則'''であるという。またこのとき、''X'' を ''A'' の'''逆行列'''と呼び、''A''<sup>-1</sup> と書く。 |
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を満たす {{mvar|n}} 次[[正方行列]] {{mvar|B}} が存在するとき、{{mvar|A}} は {{mvar|n}} 次'''正則行列'''、あるいは単に'''正則'''であるという。{{mvar|A}} が正則ならば上の性質を満たす {{mvar|B}} は一意に定まる。 |
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これを {{mvar|A}} の'''逆行列'''と呼び、{{math|''A''<sup>−1</sup>}} と表す{{Sfn|斎藤|1966|p=41}}。 |
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有限次の行列であれば ''AX'' = ''I'' または ''XA'' = ''I'' のどちらかが成り立てば、''X'' = ''A''<sup>-1</sup> である事が証明される。従って、計算上はどちらかの式を満たすものを求めれば十分である。 |
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== 例 == |
== 例 == |
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次の行列 {{mvar|A}}、{{mvar|B}} を考える。 |
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: <math> |
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:<math> |
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A= |
A= |
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\begin{pmatrix} |
\begin{pmatrix} |
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1 & |
1 & 0 \\ |
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0 & 2 \\ |
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\end{pmatrix} |
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\quad |
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B = |
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\begin{pmatrix} |
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1 & 0 \\ |
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0 & 1/2 \\ |
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\end{pmatrix} |
\end{pmatrix} |
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</math> |
</math> |
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このとき {{math|''AB'' {{=}} ''I'' {{=}} ''BA''}} を満たすので、{{mvar|A}} は正則行列で、{{mvar|B}} は {{mvar|A}} の逆行列 {{math|''A''<sup>−1</sup>}} である。 |
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に対して、 |
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一方、{{mvar|B}} に注目すれば、{{mvar|B}} は逆行列 {{mvar|A}} をもつので正則である。 |
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一方、次の行列 {{mvar|N}} は逆行列をもたないので、正則ではない。 |
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:<math> |
:<math> |
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N = \begin{pmatrix} |
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X = |
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0 & 1 \\ |
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\begin{pmatrix} |
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0 & 0 |
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3/2 & -1/2 \\ |
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\end{pmatrix} |
\end{pmatrix} |
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</math> |
</math> |
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は、''AX'' = ''XA'' = ''I'' を満たすので、''A'' は正則行列で、''X'' は ''A'' の逆行列 ''A''<sup>-1</sup> である。一方、''X'' に注目すれば、''X'' は逆行列 ''A'' をもつので正則である。 |
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== 必要十分条件 == |
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ただし、例えば整数を成分とする 2 次正方行列の全体 Mat(2, '''Z''') の中で考えているとき、''A'' はこの範囲で可逆でない。''X'' が Mat(2, '''Z''') に属さないからである。 |
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{{mvar|n}} 次[[正方行列]] {{mvar|A}} に対して次は同値である。 |
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{{div col|cols=2}} |
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* {{mvar|A}} は正則行列である |
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* {{math|''AB'' {{=}} ''I''}} なる {{mvar|n}} 次正方行列 {{mvar|B}} が存在する{{Sfn|斎藤|1966|p=48}} |
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* {{math|''BA'' {{=}} ''I''}} なる {{mvar|n}} 次正方行列 {{mvar|B}} が存在する{{Sfn|斎藤|1966|p=48}} |
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* {{mvar|A}} の[[階数]]は {{mvar|n}} である{{Sfn|斎藤|1966|p=52}} |
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* {{mvar|A}} は左[[行列の基本変形|基本変形]]のみによって単位行列に変形できる{{Sfn|斎藤|1966|p=52}} |
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* {{mvar|A}} は右基本変形のみによって単位行列に変形できる{{Sfn|斎藤|1966|p=52}} |
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* [[一次方程式]] {{math|''Ax'' {{=}} 0}} は自明な解しかもたない{{Sfn|斎藤|1966|p=60}} |
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* {{mvar|A}} の[[行列式]]は {{math|0}} ではない{{Sfn|斎藤|1966|p=85}} |
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* {{mvar|A}} の列ベクトルは[[線型独立]]である |
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* {{mvar|A}} の行ベクトルは線型独立である |
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* {{mvar|A}} の[[固有値]]はすべて {{math|0}} ではない |
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{{div col end}} |
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== 性質 == |
== 性質 == |
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{{mvar|n}} 次正則行列 {{mvar|A}}、{{mvar|B}} について次が成り立つ。 |
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* 正方行列が正則である、すなわち逆行列を持つための[[同値|必要十分条件]]は、その[[行列式]]が0でないこと det(A) ≠ 0 である。 |
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* {{math|{{!}}''A''<sup>−1</sup>{{!}} {{=}} {{!}}''A''{{!}}<sup>−1</sup>}} |
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* 逆行列はただ1つだけ存在し、2つ以上存在することはない。 |
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* {{math|(''A''<sup>−1</sup>)<sup>−1</sup> {{=}} ''A''}} |
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* 正則な正方行列 ''A'' について[[行列式]]<math>|A^{-1}|=\frac{1}{|A|}</math>が成り立つ。 |
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* {{math|(''AB'')<sup>−1</sup> {{=}} ''B''<sup>−1</sup>''A''<sup>−1</sup>}} |
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* <math>(A^{-1})^{-1}=A</math> |
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* {{mvar|n}} 次正方行列 {{mvar|N}} が[[冪零行列]]ならば {{math|''I'' − ''N''}} は正則で、逆行列は {{math|''I'' + ''N'' + … + ''N''<sup>''n'' − 1</sup>}} である{{Sfn|斎藤|1966|p=71}} |
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* <math>(AB)^{-1}=B^{-1}A^{-1}</math> |
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* A を正則行列とすると、 Ax = 0 を満たすベクトル x は x = A<sup>-1</sup> 0 = 0 のひとつだけである。(逆に ゼロ以外のベクトル x が Ax=0 を満たすならば行列 A は正則ではない) |
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* ''X'' が[[冪零行列]]ならば (''I''-''X'') は正則で、逆行列は<math>1+X+ \dots +X^m</math>の形で得られる。 |
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* 正則行列の各列ベクトルは互いに[[線型結合|一次独立]]である。同様に各行ベクトルは互いに一次独立である。一般に、ある体 ''K'' 上の ''n'' 次正則行列の総数は、''K'' 上のある ''n'' 次元[[ベクトル空間]] ''V'' における順序付けられた基底の総数に等しい。 |
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== |
== 判定法 == |
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{{see also|ガウスの消去法}} |
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逆行列の計算には、[[行列の基本変形|基本変形]]を使って順に掃き出していく方法([[ガウスの消去法]])がよく使われる。一方で、理論的には[[行列式]]を使った[[クラメールの公式]]も重要である。しかしこの方法は実際に計算するのには向かない。 |
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行列の正則性は[[行列の基本変形]]を使って判定できる{{Sfn|斎藤|1966|p=53}}。 |
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具体的な逆行列の計算には、[[行列の基本変形]]を使って順に掃き出していく方法がよく使われる。 |
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== 4分割行列の逆行列 == |
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一方で、理論的には[[行列式]]を使った[[クラメールの公式]]も重要である。 |
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''A'', ''B'', ''C'', ''D'' はそれぞれ ''n'' × ''n'', ''n'' × ''m'', ''m'' × ''n'', ''m'' × ''m'' 行列であって、''A'' と ''D'' - ''CA''<sup>-1</sup>''B'' はともに正則行列とする。このとき、この4つの行列で構成される[[区分行列]]は正則であって、その逆行列は |
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しかしこの方法は逆行列を数値計算するのには向かない{{Sfn|斎藤|1966|p=89}}。 |
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:<math> |
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\begin{pmatrix} |
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A & B \\ |
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C & D |
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\end{pmatrix}^{-1} |
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=\begin{pmatrix} |
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A^{-1} + A^{-1}B(D-CA^{-1}B)^{-1} CA^{-1} & -A^{-1}B(D-CA^{-1}B)^{-1} \\ |
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-(D-CA^{-1}B)^{-1}CA^{-1} & (D-CA^{-1}B)^{-1} |
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\end{pmatrix} |
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</math> |
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で与えられる。 |
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== 関連項目 == |
== 関連項目 == |
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* [[線型代数学]] |
* [[線型代数学]] |
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* [[フルランク]]行列 |
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* [[ユニモジュラ行列]] |
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* [[リー群]] |
* [[リー群]] |
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* [[擬似逆行列]] |
* [[擬似逆行列]] |
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* [[フルランク]]行列 |
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== 脚注 == |
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{{Reflist|2}} |
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== 参考文献 == |
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* {{Cite book |
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|和書 |
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|last1 = 斎藤 |
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|first1 = 正彦 |
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|author = 斎藤正彦 |
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|year = 1966 |
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|title = [http://www.utp.or.jp/bd/4-13-062001-0.html 線型代数入門] |
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|edition = 初版 |
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|publisher = 東京大学出版会 |
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|isbn = 978-4-13-062001-7 |
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|ref = harv |
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}} |
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{{DEFAULTSORT:せいそくきようれつ}} |
{{DEFAULTSORT:せいそくきようれつ}} |
2014年7月15日 (火) 11:24時点における版
正則行列(せいそくぎょうれつ、regular matrix)、非特異行列(ひとくいぎょうれつ、non-singular matrix)あるいは可逆行列(かぎゃくぎょうれつ、invertible matrix)とは行列の通常の積に関する逆元を持つ正方行列のことである。
ある体上の同じサイズの正則行列の全体は一般線型群と呼ばれる群を成す。 多項式の根として定められる部分群は線形代数群あるいは行列群と呼ばれる代数群の一種で、その表現論が代数的整数論などに広い応用を持つ幾何学的対象である。
定義
n 次単位行列を I と表す。 体の元を成分にもつ n 次正方行列 A に対して、
を満たす n 次正方行列 B が存在するとき、A は n 次正則行列、あるいは単に正則であるという。A が正則ならば上の性質を満たす B は一意に定まる。 これを A の逆行列と呼び、A−1 と表す[1]。
例
次の行列 A、B を考える。
このとき AB = I = BA を満たすので、A は正則行列で、B は A の逆行列 A−1 である。 一方、B に注目すれば、B は逆行列 A をもつので正則である。
一方、次の行列 N は逆行列をもたないので、正則ではない。
必要十分条件
n 次正方行列 A に対して次は同値である。
性質
n 次正則行列 A、B について次が成り立つ。
- |A−1| = |A|−1
- (A−1)−1 = A
- (AB)−1 = B−1A−1
- n 次正方行列 N が冪零行列ならば I − N は正則で、逆行列は I + N + … + Nn − 1 である[6]
判定法
「ガウスの消去法」も参照
行列の正則性は行列の基本変形を使って判定できる[7]。 具体的な逆行列の計算には、行列の基本変形を使って順に掃き出していく方法がよく使われる。 一方で、理論的には行列式を使ったクラメールの公式も重要である。 しかしこの方法は逆行列を数値計算するのには向かない[8]。
関連項目
脚注
参考文献
- 斎藤, 正彦『線型代数入門』(初版)東京大学出版会、1966年。ISBN 978-4-13-062001-7。