「スラヴァ (セルビア正教会の習慣)」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
Noriitohn (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
Noriitohn (会話 | 投稿記録)
編集の要約なし
1行目: 1行目:
スラバ(スラブ語:Слава)は[[セルビア人]]の[[聖人]]を家族で祝う慣習である。
スラバ([[セルビア]]:Слава)は[[セルビア人]]の[[聖人]]を家族で祝う慣習である。


すべての[[東方正教]]徒や[[スラブ人|スラブ]]民族の中で、スラバの慣習があるのは現在は[[セルビア人]]だけである。過去は[[クロアチア人]]や[[ロシア人]]など、[[アルバニア]]系[[セルビア人]]を起源をとする民族で見られた慣習であったが、[[セルビア人]]以外は20世紀中に行わなくなった。
すべての[[東方正教]]徒や[[スラブ人|スラブ]]民族の中で、スラバの慣習があるのは現在は[[セルビア人]]だけである。過去は[[クロアチア人]]や[[ロシア人]]など、[[アルバニア]]系[[セルビア人]]を起源をとする民族で見られた慣習であったが、[[セルビア人]]以外は20世紀中に行わなくなった。
7行目: 7行目:
スラバは[[守護聖人]]を称えるため、就いている職業によって称える聖人が違う。そのため、各々の家族が別々に自分の職の聖人を祝う(もちろん、複数の職業が同一の聖人と重なることもある)。スラバは父から息子へ受け継がれ、それぞれの家族が一同に集まってスラバを祝う。また、一部の家族は自分の聖人とは別の聖人を限られた範囲で祝うことがある(例えば、妻が唯一の直系家族で、彼女がスラバを祝わないとその家族のスラバが絶えてしまうときなど)。そのスラバを小スラバ、もしくは前スラバと呼ぶ。息子家族が遠く離れた土地に住んでいる場合、父親の許可を得て父親家族と同じ日にスラバを祝うが、家長である父親が生きている間は父親の家でスラバを祝うのが普通である。
スラバは[[守護聖人]]を称えるため、就いている職業によって称える聖人が違う。そのため、各々の家族が別々に自分の職の聖人を祝う(もちろん、複数の職業が同一の聖人と重なることもある)。スラバは父から息子へ受け継がれ、それぞれの家族が一同に集まってスラバを祝う。また、一部の家族は自分の聖人とは別の聖人を限られた範囲で祝うことがある(例えば、妻が唯一の直系家族で、彼女がスラバを祝わないとその家族のスラバが絶えてしまうときなど)。そのスラバを小スラバ、もしくは前スラバと呼ぶ。息子家族が遠く離れた土地に住んでいる場合、父親の許可を得て父親家族と同じ日にスラバを祝うが、家長である父親が生きている間は父親の家でスラバを祝うのが普通である。


スラバの前の1週間は、スラバの日に[[聖餐]]を受けるため家族で[[断食]]をする。その間にスラバのための豪華な食事が用意される。その食事の中にはスラブスキ・コラック(スラブ語:slavski kolač)と[[コルジボ]](スラブ語:koljivo)がある。スラブスキ・コラックは翻訳すると、スラバ・ケーキである。[[ケーキ]]とあるがほとんど[[パン]]である。スラブスキ・コラックの上には十字と平和の鳩と一家の聖人に関係があるシンボルを描くのが普通である。
スラバの前の1週間は、スラバの日に[[聖餐]]を受けるため家族で[[断食]]をする。その間にスラバのための豪華な食事が用意される。その食事の中にはスラブスキ・コラック(セルビア語:slavski kolač)と[[コルジボ]](セルビア語:koljivo)がある。スラブスキ・コラックは翻訳すると、スラバ・ケーキである。[[ケーキ]]とあるがほとんど[[パン]]である。スラブスキ・コラックの上には十字と平和の鳩と一家の聖人に関係があるシンボルを描くのが普通である。コルジボはジト(セルビア語:žito)とも呼ばれ、ゆでた[[小麦]]で作られる。小麦以外の部分はバラエティに富んでおり、しばしば[[クルミ]]が入っていたり、[[香辛料]]や[[ハチミツ]]で味付けされたりする。小麦は[[キリストの復活]]と死んだ家族の象徴である。あと、断食の期間がスラバにもつれこむかこまないかによって、残りのメニューに動物性のものが含まれるか含まれないか影響する。





2006年2月19日 (日) 07:00時点における版

スラバ(セルビア語:Слава)はセルビア人聖人を家族で祝う慣習である。

すべての東方正教徒やスラブ民族の中で、スラバの慣習があるのは現在はセルビア人だけである。過去はクロアチア人ロシア人など、アルバニアセルビア人を起源をとする民族で見られた慣習であったが、セルビア人以外は20世紀中に行わなくなった。

スラバは翻訳すると”称賛”という意味である。

スラバは守護聖人を称えるため、就いている職業によって称える聖人が違う。そのため、各々の家族が別々に自分の職の聖人を祝う(もちろん、複数の職業が同一の聖人と重なることもある)。スラバは父から息子へ受け継がれ、それぞれの家族が一同に集まってスラバを祝う。また、一部の家族は自分の聖人とは別の聖人を限られた範囲で祝うことがある(例えば、妻が唯一の直系家族で、彼女がスラバを祝わないとその家族のスラバが絶えてしまうときなど)。そのスラバを小スラバ、もしくは前スラバと呼ぶ。息子家族が遠く離れた土地に住んでいる場合、父親の許可を得て父親家族と同じ日にスラバを祝うが、家長である父親が生きている間は父親の家でスラバを祝うのが普通である。

スラバの前の1週間は、スラバの日に聖餐を受けるため家族で断食をする。その間にスラバのための豪華な食事が用意される。その食事の中にはスラブスキ・コラック(セルビア語:slavski kolač)とコルジボ(セルビア語:koljivo)がある。スラブスキ・コラックは翻訳すると、スラバ・ケーキである。ケーキとあるがほとんどパンである。スラブスキ・コラックの上には十字と平和の鳩と一家の聖人に関係があるシンボルを描くのが普通である。コルジボはジト(セルビア語:žito)とも呼ばれ、ゆでた小麦で作られる。小麦以外の部分はバラエティに富んでおり、しばしばクルミが入っていたり、香辛料ハチミツで味付けされたりする。小麦はキリストの復活と死んだ家族の象徴である。あと、断食の期間がスラバにもつれこむかこまないかによって、残りのメニューに動物性のものが含まれるか含まれないか影響する。