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'''遺伝子オントロジー'''(いでんしオントロジー、''Gene Ontology''; ''GO'')とは、[[生物学]]的概念を記述するための、共通の語彙を策定しようとするプロジェクトである。
'''遺伝子オントロジー'''(いでんしオントロジー、{{lang-en-short|gene ontology}}、''GO'')とは、[[生物学]]的概念を記述するための、共通の語彙を策定しようとするプロジェクトである。


1990年代後半から、生物学における実験手法の革新([[DNAシーケンサー]]や[[DNAマイクロアレイ]]など)や、[[バイオインフォマティクス]]的手法の発達により、様々な[[種 (分類学)|種]]の遺伝子関連情報が[[データベース]]化されている。これらに蓄積された情報を有効に活用するためには、統一された語彙を用いて、機能情報などを記述する必要がある。統一された語彙を用いることで、異なった機関によって作成されたデータベース、更に異なった生物種のデータベース間で、データの結合や、横断比較を行うことが可能になる。データベースは無料で公開されている。
1990年代後半から、生物学における実験手法の革新([[DNAシーケンサー]]や[[DNAマイクロアレイ]]など)や、[[バイオインフォマティクス]]的手法の発達により、様々な[[種 (分類学)|種]]の遺伝子関連情報が[[データベース]]化されている。これらに蓄積された情報を有効に活用するためには、統一された語彙を用いて、機能情報などを記述する必要がある。統一された語彙を用いることで、異なった機関によって作成されたデータベース、更に異なった生物種のデータベース間で、データの結合や、横断比較を行うことが可能になる。データベースは無料で公開されている。
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== 実際のデータ ==
== 実際のデータ ==
[[画像:Amigo.png|thumb|250px|図1:[http://www.godatabase.org/cgi-bin/amigo/go.cgi AmiGO]によるトップレベルGO Tremのグラフ化。]]
[[画像:Amigo.png|thumb|250px|図1:[http://www.godatabase.org/cgi-bin/amigo/go.cgi AmiGO]によるトップレベルGO Tremのグラフ化。]]
GOで定義された用語は、GO Termと呼ばれる。Go Termは三つのカテゴリーに分かれる。
GOで定義された用語は、{{lang|en|GO term}} と呼ばれる。{{lang|en|GO term}} は三つのカテゴリーに分かれる。
* biological process (生物学的プロセス)
*{{lang|en|biological process}}(生物学的プロセス)
* cellular component (細胞の構成要素)
*{{lang|en|cellular component}}(細胞の構成要素)
* molecular function (分子機能)
*{{lang|en|molecular function}}(分子機能)


計算機上でGOのデータは、非循環有向グラフ (Directed Acyclic Graph: DAG) と呼ばれる[[データ構造]]を用いて記述することができる。DAGの性質上、非常に[[Extensible Markup Language|XML]]との親和性が高いため、[[アノテーション]]と共に[[Resource Description Framework|XML-RDF]]フォーマットでも提供されている。
計算機上でGOのデータは、非循環有向グラフ ({{lang-en-short|directed acyclic graph}}、DAG) と呼ばれる[[データ構造]]を用いて記述することができる。DAGの性質上、非常に[[Extensible Markup Language|XML]]との親和性が高いため、[[アノテーション]]と共に[[Resource Description Framework|XML-RDF]]フォーマットでも提供されている。


==外部リンク==
==外部リンク==

2011年9月16日 (金) 12:43時点における版

遺伝子オントロジー(いでんしオントロジー、: gene ontologyGO)とは、生物学的概念を記述するための、共通の語彙を策定しようとするプロジェクトである。

1990年代後半から、生物学における実験手法の革新(DNAシーケンサーDNAマイクロアレイなど)や、バイオインフォマティクス的手法の発達により、様々なの遺伝子関連情報がデータベース化されている。これらに蓄積された情報を有効に活用するためには、統一された語彙を用いて、機能情報などを記述する必要がある。統一された語彙を用いることで、異なった機関によって作成されたデータベース、更に異なった生物種のデータベース間で、データの結合や、横断比較を行うことが可能になる。データベースは無料で公開されている。

実際のデータ

図1:AmiGOによるトップレベルGO Tremのグラフ化。

GOで定義された用語は、GO term と呼ばれる。GO term は三つのカテゴリーに分かれる。

  • biological process(生物学的プロセス)
  • cellular component(細胞の構成要素)
  • molecular function(分子機能)

計算機上でGOのデータは、非循環有向グラフ (: directed acyclic graph、DAG) と呼ばれるデータ構造を用いて記述することができる。DAGの性質上、非常にXMLとの親和性が高いため、アノテーションと共にXML-RDFフォーマットでも提供されている。

外部リンク

関連項目