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2011年8月30日 (火) 15:17時点における版

報復(ほうふく)、仕返し(しかえし)、復讐(ふくしゅう)とは、一般にひどい仕打ちを受けた者が相手に対して行うやり返しの総称である。

概説

原始社会においては、報復は権益を侵害する者に対して、一般的に行われた。報復された側が報復をやり返し、結果止めどなく報復の連鎖を招くこともあった。

「目には目を、歯には歯を」で有名な、古代メソポタミアの、『ハンムラビ法典』は報復を奨励したものではなく、無制限報復が一般的だった原始社会で報復行為を制限する目的があった。中世ヨーロッパでは動物に対しても復讐が行われ、「動物裁判」の名前で知られている。

イスラム教では「目には目を、歯には歯を」に続きがあり、報復を行わないことを善行として推奨している。これはディーヤという形でイスラム法の制度になっている。

  • クルアーン第5章45節
  • 命には命を,目には目を,鼻には鼻を,耳には耳を,歯には歯を,全ての傷害に同じ報復を。
  • しかし報復せず許すならば,それは自分の罪の償いとなる。

現在では報復行為を国が代行するかわりに国民から報復権を取り上げている(応報刑論)。 そのため、もし死刑がなくなったとき、被害者遺族の報復権が不当に制限されるという、死刑存廃問題における存続派の有力な意見がある。

報復合法化の議論

殺人などの凶悪犯罪加害者が、国家により保護されるのに、被害者側には報復が認められないのはおかしいと考え、近代以前のように報復を法で認め、合法化すべきという意見がある[1]

近代法制度では、「私刑」は認められておらず、相手を誤認して無関係の第三者を殺傷したり、報復の連鎖を招く危険から反対意見が多く、現在では広い論議には至っていない。

報復事件

日本でもしばしば報復殺人が起こる。例えば、人前で自慰を強制させられその報復殺人事件として起こった、1984年の大阪産業大学付属高校同級生殺害事件などがある。1968年の尊属殺法定刑違憲事件も、一種の報復殺人であった。

2006年の山形一家3人殺傷事件では、少年時代に服を脱がされた男性が加害男性の一家を襲撃するという報復殺人を行うに至った。暴力団の名が絡んだ、2006年の東大阪集団暴行殺人事件では報復に報復が行われ最終的に集団リンチに至った。

1985年豊田商事会長刺殺事件では、詐欺事件の被害者に依頼された犯人が永野一男を刺殺した。

近年では、インターネットアンダーグラウンド内においても、復讐を請け負う専門サイトが存在し、復讐を請け負った人間による対象の人間への報復事件が多発している。

1999年には、アメリカコロンバイン高校銃乱射事件が発生した。

スペインでは娘を強姦した男に娘の母親が男にガソリンをかけて焼き殺す事件が発生している。[1]

脚注

  1. ^ たとえば、死刑廃止論者を自認する呉智英は、一方で仇討ちの復活を求めている(『ホントの話』小学館文庫、p.26以下)。

関連項目