パームボール

パームボールの握りの例

パームボール (Palm ball)とは、野球で投手が投げる変化球の一つ。単にパームとも呼ばれる。

「パーム」とは「手のひら」の意味で、指を伸ばした状態で手の平と親指、小指でボールを支えて、手の平で押し出すように投げる。球速はあまり出ず、リリースの直後から落ち始め、縦に大きく落ちる。回転が少なくナックルボールのように揺れて落ちるパームや横回転してスライダー気味に変化するパームもある。また、投げる際の指の形がほかの球種と大きく違うため、打者にも判別されやすい。また、ボール自体の勢いが弱いため、風や湿度といった天候状態により変化の度合いが大きく左右される。早いストレートや変化球の後に、緩急を付ける役割で使用される事が多い（だが、タイミングを合わせられると確実に強打されてしまうので、投げ分ける技術が必要である）。また、投げ手としては手のひらの柔らかい人、指が短い人などに向いている。 リリースの瞬間は手のひらを転がるため、高めに投げ出されるような錯覚を覚える。

パームボールの投げ方は大きな力が集中し、肘に負担がかかりやすい。

考案者については幾つかの説があるものの、近藤貞雄が独特の3本指で投げた当時に言う「疑似チェンジアップ」であるという説が近藤亡き後も未だに高い。ちなみに、近藤のそれは右手中指の神経の損傷がきっかけで生まれたものである。その後、小山正明が1964年にパームボールを駆使して30勝を挙げ注目されるようになった。パームボールを決め球として使用する投手は多くないが、2009年現在で決め球として使用する投手としては帆足和幸が有名である。