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ボーモルは、通常の企業が標準的なミクロ経済理論どおりに行動していないという現実の観察から、企業行動の原理として利潤最大化に代わる[[売上高極大仮説]]を提唱した。また、[[経営学]]と[[経済学]]とを結びつけることにも力を入れ、[[1961年]]に出版した著書『''Economics Theory and Operations Analysis''』は版を重ねロング・セラーとなった。他にも多くの教科書を執筆した。さらに、[[ジョン・メイナード・ケインズ|ケインズ]]の[[流動性選好説]]において、取引需要が利子弾力的になることを在庫利用を応用して説明した。不均衡成長についても業績を挙げている。1966年に出したウィリアム・ボーエンとの共著『舞台芸術:芸術と経済のジレンマ』によって、[[文化経済学]]の創始者として知られる。
ボーモルは、通常の企業が標準的なミクロ経済理論どおりに行動していないという現実の観察から、企業行動の原理として利潤最大化に代わる[[売上高極大仮説]]を提唱した。また、[[経営学]]と[[経済学]]とを結びつけることにも力を入れ、[[1961年]]に出版した著書『''Economics Theory and Operations Analysis''』は版を重ねロング・セラーとなった。他にも多くの教科書を執筆した。さらに、[[ジョン・メイナード・ケインズ|ケインズ]]の[[流動性選好説]]において、取引需要が利子弾力的になることを在庫利用を応用して説明した。不均衡成長についても業績を挙げている。1966年に出したウィリアム・ボーエンとの共著『舞台芸術:芸術と経済のジレンマ』によって、[[文化経済学]]の創始者として知られる。

[[1971]]年に、[[ウォーレス・オーツ]]とともに、[[環境税]]の一つである[[ボーモル・オーツ税]]を提唱した。


[[1982年]]にはニューヨーク市立大学の同僚らと[[コンテスタビリティ理論]]を提唱し、[[1980年代]]以後の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の航空輸送産業やトラック輸送産業における[[規制緩和]]の流れを作り出した。
[[1982年]]にはニューヨーク市立大学の同僚らと[[コンテスタビリティ理論]]を提唱し、[[1980年代]]以後の[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の航空輸送産業やトラック輸送産業における[[規制緩和]]の流れを作り出した。

2008年10月24日 (金) 03:03時点における版

ウィリアム・ボーモルWilliam Baumol1922年2月26日 - )は、アメリカ経済学者である。ニューヨークに生まれ、ニューヨーク市立大学で学び、ロンドン大学より博士号を取得した。ミクロ経済学からマクロ経済学まで、活躍の範囲は広い。

ボーモルは、通常の企業が標準的なミクロ経済理論どおりに行動していないという現実の観察から、企業行動の原理として利潤最大化に代わる売上高極大仮説を提唱した。また、経営学経済学とを結びつけることにも力を入れ、1961年に出版した著書『Economics Theory and Operations Analysis』は版を重ねロング・セラーとなった。他にも多くの教科書を執筆した。さらに、ケインズ流動性選好説において、取引需要が利子弾力的になることを在庫利用を応用して説明した。不均衡成長についても業績を挙げている。1966年に出したウィリアム・ボーエンとの共著『舞台芸術:芸術と経済のジレンマ』によって、文化経済学の創始者として知られる。

1971年に、ウォーレス・オーツとともに、環境税の一つであるボーモル・オーツ税を提唱した。

1982年にはニューヨーク市立大学の同僚らとコンテスタビリティ理論を提唱し、1980年代以後のアメリカの航空輸送産業やトラック輸送産業における規制緩和の流れを作り出した。