「捻挫」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
2行目: 2行目:


== 形態学的観察 ==
== 形態学的観察 ==
 捻挫(ネンザ)とは文字通り[[関節]]を「捻り挫く(ねじりくじく)」事をいい、[[骨]]と骨を繋ぐ可動部[[関節]]周辺部位の損傷、関節を包む[[関節包]]や骨と骨を繋ぐ[[靭帯]]及び軟部組織(関節包)を損傷した状態を指し、関節がある部位なら場所を限定せず全身に起こりうる。多くは損傷に連動して患部に痛みや腫脹、熱感等の[[炎症]]を引き起こす。[[ぎっくり腰]]や[[頸椎捻挫|ムチウチ]]は、それぞれ腰椎・頚椎捻挫を起こした状態である。
捻挫とは文字通り[[関節]]を「捻り挫く(ねじりくじく)」事をいい、[[骨]]と骨を繋ぐ可動部[[関節]]周辺部位の損傷、関節を包む[[関節包]]や骨と骨を繋ぐ[[靭帯]]及び軟部組織(関節包)を損傷した状態を指し、関節がある部位なら場所を限定せず全身に起こりうる。多くは損傷に連動して患部に痛みや腫脹、熱感等の[[炎症]]を引き起こす。[[ぎっくり腰]]や[[頸椎捻挫|ムチウチ]]は、それぞれ腰椎・頚椎捻挫を起こした状態である。


膝の捻挫は、関節を構成する靱帯損傷を伴うことから、特に「[[〇〇靭帯損傷]]」と言う。
膝の捻挫は、関節を構成する靱帯損傷を伴うことから、特に「[[靭帯損傷]]」と言う。


[[突き指]]は指における捻挫の一種である。
[[突き指]]は指における捻挫の一種である。


 また、同じ関節で起こる症状として[[脱臼]]があり、捻挫同様に関節の傷害により[[関節包]]の破包や靭帯の損傷を引き起こし、加えてそれら関節を繋ぐ骨の位置関係が変更された状態を言い、患部に痛みや腫脹を伴う。捻挫の症状に加え、骨の位置関係の異常がおきている。
また、同じ関節で起こる症状として[[脱臼]]があり、捻挫同様に関節の傷害により[[関節包]]の破包や靭帯の損傷を引き起こし、加えてそれら関節を繋ぐ骨の位置関係が変更された状態を言い、患部に痛みや腫脹を伴う。捻挫の症状に加え、骨の位置関係の異常がおきている。

脱臼を整復した後の症状は、重度の捻挫と変わりない為、交通事故や労働災害など金銭が絡む補償の問題から、しばしば次診察医療機関と次診察医療機関の間で論争を引き起こしている。
脱臼を整復した後の症状は、重度の捻挫と変わりない為、交通事故や労働災害など金銭が絡む補償の問題から、しばしば1次診察医療機関と2次診察医療機関の間で論争を引き起こしている。


== 医学的観察 ==
== 医学的観察 ==

2008年7月11日 (金) 08:11時点における版

捻挫(ねんざ)或いはくじきとは関節に関節の許容範囲を超えた動きが与えられた為におきる損傷の事を言う。多くは患部に痛みと腫脹、熱感を伴う。

形態学的観察

捻挫とは文字通り関節を「捻り挫く(ねじりくじく)」事をいい、と骨を繋ぐ可動部関節周辺部位の損傷、関節を包む関節包や骨と骨を繋ぐ靭帯及び軟部組織(関節包)を損傷した状態を指し、関節がある部位なら場所を限定せず全身に起こりうる。多くは損傷に連動して患部に痛みや腫脹、熱感等の炎症を引き起こす。ぎっくり腰ムチウチは、それぞれ腰椎・頚椎捻挫を起こした状態である。

膝の捻挫は、関節を構成する靱帯損傷を伴うことから、特に「〜靭帯損傷」と言う。

突き指は指における捻挫の一種である。

また、同じ関節で起こる症状として脱臼があり、捻挫同様に関節の傷害により関節包の破包や靭帯の損傷を引き起こし、加えてそれら関節を繋ぐ骨の位置関係が変更された状態を言い、患部に痛みや腫脹を伴う。捻挫の症状に加え、骨の位置関係の異常がおきている。

脱臼を整復した後の症状は、重度の捻挫と変わりない為、交通事故や労働災害など金銭が絡む補償の問題から、しばしば1次診察医療機関と2次診察医療機関の間で論争を引き起こしている。

医学的観察

捻挫に陥る場所は多用される関節に限らず、頚椎腰椎など、骨と骨を繋ぐ場所ならば何処でも起こり得る。骨は元来硬いものであるから、それらを繋ぎ支える関節部に衝撃が集まりやすく傷害を受けやすい。また関節自体動かせる範囲が決まっており、加えて継続して力のかかる動きには弱く、運動時に限らず日常生活でも捻挫はよく引き起こされる。ぎっくり腰やムチウチ症などは日常生活で起こりうる捻挫の代表例である。

捻挫は関節を包む関節包及び軟部組織や関節を補強する靭帯の損傷により起こり、患部に熱感や腫脹、痛みなど炎症症状が発生する。骨折靭帯断裂を伴う事があり、観察には注意が必要であり、放置すると運動障害や関節の軸変形に繋がる。

発生場所が日常使う部位で起きる為に痛みが軽快した途端治療を中止してしまう事がままある。そんな時に起こる後遺症として、関節を構成する靱帯・軟部組織が弛緩した状態で、関節を補強すべき各筋肉が弱体化している場合には、何度も同じ部分の捻挫を引き起こす、俗に言う「捻挫ぐせ」等に繋がる事もある。

捻挫治療には包帯絆創膏テーピングで固定し炎症症状がおさまり関節補強の為の筋力がつくまでの間、生理的関節稼動域以上の動揺を抑える事が必要である。 靱帯の断裂を伴う場合には、ギプス固定治療もあるが、運動選手には手術によって靱帯形成術・靱帯縫合術が行われる事が多い。 治療後暫くの間は、過負荷を抑え保温の為、サポーターや矯正具等を用いて再発抑止に努めるのが良いとされる。自己治癒判定後も、患部の炎症症状が強い場合には、適度(粗熱を取る程度、冷やし過ぎは禁物である。関節は通常、関節周囲の筋肉部分より熱感が少ないのが正常である。)な冷却を行うのが良い。

自分で処置した場合でも専門家や医療機関での受診を勧める。骨折や靭帯断裂を引き起こしている事もあり、損傷状況により固定及びリハビリによる加療が必要となる。 特に、靱帯断裂など重篤な損傷を引き起こしていた場合、関節が今後同じように動かなくなる恐れがある為、自己判断には注意が必要である。

外部リンク

関連項目