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'''社会的費用'''(しゃかいてきひよう、social cost)とは、[[経済学]]における[[費用]]概念の一つ。[[市場経済]]において[[内部化]]されていない[[公害]]、[[環境破壊]]等により[[社会]]全体あるいは第三者が被る損失=負担させられる費用([[外部不経済]])のことをいう。 |
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市場経済は企業の利潤最大化と個人の効用最大化を共に達成しようとする経済であるが、この各経済主体の行動によって、大気汚染や交通渋滞など、経済にとってマイナスの要因( |
市場経済は企業の利潤最大化と個人の効用最大化を共に達成しようとする経済であるが、この各経済主体の行動によって、[[大気汚染]]や[[交通渋滞]]など、経済にとってマイナスの要因(外部不経済)を生ぜしめることがある。[[市場の失敗]]と呼ばれるものの一つであり、これによって社会が負担する費用が社会的費用である。 |
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この概念は1920年代にすでに<!--ラウシュマンによれば、[[ジョン・モーリス・クラーク]]、[[フランク・ナイト]]によって-->注目されていた<ref name="4-641-08504-8">植田和弘ほか『環境経済学』、有斐閣、1991年、ISBN 4-641-08504-8、85ページ。</ref>が、この概念を明確化したのは[[ウィリアム・カップ]]である<ref name="4-00-000929-X">K.W.Kapp『私的企業と社会的費用—現代資本主義における公害の問題』、岩波書店、1985年、ISBN 4-00-000929-X。</ref>。 |
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<!-- カップの費用概念とミハルスキーの説、カップ批判などの記述も必要 --> |
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==社会的費用に関する文献== |
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*[[宇沢弘文]]『[[自動車の社会的費用]]』([[岩波新書]]、1974年 |
*[[宇沢弘文]]『[[自動車の社会的費用]]』([[岩波新書]]、1974年、ISBN 4-00-411047-5) |
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*村田喜代治『地域開発と社会的費用』([[東洋経済新報社]]、1975年、ISBN 4-492-39004-9) |
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*宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波新書、2000年、ISBN 4-00-430696-5) |
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*上岡直見『自動車にいくらかかっているか』(コモンズ、2002年、ISBN 4-906640-52-4) |
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==参考文献== |
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==関連項目== |
==関連項目== |
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*[[外部性]]、[[フリーライダー]]、[[市場の失敗]] |
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*[[ピグー税]] |
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*[[汚染者負担原則]]、[[受益者負担の原則]] |
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*[[ピグー税]]、[[環境税]]、[[炭素税]]、[[ガソリン税]] |
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*[[厚生経済学]] |
*[[厚生経済学]] |
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*[[環境経済学]] |
*[[環境経済学]] |
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2008年3月20日 (木) 15:38時点における版
社会的費用(しゃかいてきひよう、social cost)とは、経済学における費用概念の一つ。市場経済において内部化されていない公害、環境破壊等により社会全体あるいは第三者が被る損失=負担させられる費用(外部不経済)のことをいう。
概要
市場経済は企業の利潤最大化と個人の効用最大化を共に達成しようとする経済であるが、この各経済主体の行動によって、大気汚染や交通渋滞など、経済にとってマイナスの要因(外部不経済)を生ぜしめることがある。市場の失敗と呼ばれるものの一つであり、これによって社会が負担する費用が社会的費用である。
この概念は1920年代にすでに注目されていた[1]が、この概念を明確化したのはウィリアム・カップである[2]。
社会的費用に関する文献
- 宇沢弘文『自動車の社会的費用』(岩波新書、1974年、ISBN 4-00-411047-5)
- 村田喜代治『地域開発と社会的費用』(東洋経済新報社、1975年、ISBN 4-492-39004-9)
- 宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波新書、2000年、ISBN 4-00-430696-5)
- 上岡直見『自動車にいくらかかっているか』(コモンズ、2002年、ISBN 4-906640-52-4)
参考文献
- ^ 植田和弘ほか『環境経済学』、有斐閣、1991年、ISBN 4-641-08504-8、85ページ。
- ^ K.W.Kapp『私的企業と社会的費用—現代資本主義における公害の問題』、岩波書店、1985年、ISBN 4-00-000929-X。