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マーケティングの世界(ミクロ)では、具体的な販売に結びつく水準での需要という意味から[[顕在需要]]と表現されることがある。また具体的な購買力にもとづかない需要、たとえば賃金がもう少し増えれば(あるいは所得がもう少しあれば)購入できる、<!--今は失業しているがすぐに雇用されれば購入できる、金利がもう少し低ければ購入できる、-->価格がもう少し安ければ購入できる、などといった需要を[[潜在需要]]と<!--し、有効需要に比較-->することがある<!--<ref>ここでいう潜在需要は売れ残りを解消する水準での需要を意味していると解釈できる。この潜在需要に顕在需要(これが有効需要にあたる)が達しない場合、売れ残りが発生する。</ref>-->。 |
[[マーケティング]]の世界(ミクロ)では、具体的な販売に結びつく水準での需要という意味から[[顕在需要]]と表現されることがある。また具体的な購買力にもとづかない需要、たとえば賃金がもう少し増えれば(あるいは所得がもう少しあれば)購入できる、<!--今は失業しているがすぐに雇用されれば購入できる、金利がもう少し低ければ購入できる、-->価格がもう少し安ければ購入できる、などといった需要を[[潜在需要]]と<!--し、有効需要に比較-->することがある<!--<ref>ここでいう潜在需要は売れ残りを解消する水準での需要を意味していると解釈できる。この潜在需要に顕在需要(これが有効需要にあたる)が達しない場合、売れ残りが発生する。</ref>-->。[[アンケート]]のサンプル調査で新商品を提示し購入意欲を調査する場合、調査結果と現実の購買行動はかならずしも一致しない。この場合、対象商品を複数の従来商品と比較してどちらに購買上の魅力を感じるか聴取する手法が潜在需要の把握に有効である。より規模の大きな事例、たとえば代替交通機関の導入や新技術の導入などの公共・産業政策においても潜在・顕在需要の概念は利用される。堆肥やウエスなど自家生産・自家消費の傾向がある商材の潜在需要は顕在需要(有効需要)と大幅に乖離している可能性がある。 |
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(事例) |
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*[http://www.mlit.go.jp/crd/tosiko/case/pdf/plan_6.pdf 路線バスの需要実態] |
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*[http://research.goo.ne.jp/database/data/000153/ ディーゼル乗用車の潜在需要調査] |
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*[http://leio.lin.go.jp/taihi/tjk/taihi_riyou.html 堆肥の潜在需要] |
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*[http://www.meti.go.jp/policy/recycle/main/data/research/h16fy/model16-6_2.pdf ウエスの需要実態] |
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*[http://www.j-reform.com/pdf/opinionaire.pdf 住宅リフォームの需要実態] |
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==脚注== |
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2007年10月30日 (火) 01:35時点における版
有効需要(ゆうこうじゅよう:Effective demand)とは、ものを買うための貨幣支出のことをいい、金銭的な支出を伴った欲望として、単なる欲望とは区別される。「有効」という言葉は、貨幣支出(購買力)に基づいていることを示している。
経済学では、有効需要とはマクロ経済全体で見た需要のことを指し、消費、投資、政府支出および純輸出(輸出マイナス輸入)の和で定義される。総需要と同義である。
ジョン・メイナード・ケインズによって提唱され、後に形成されたケインズ経済学(ケインジアン)の考え方の根幹となっている。
セイの法則との関係
ケインズ以前に主流であった古典派の経済学では、セイの法則(Say's Law)を中心として自由放任主義を展開していた。セイの法則は「供給は需要を生む」と要約される理論で、どのような供給規模であっても価格が柔軟に変動するなら、かならず需給は一致しすべてが需要される(販路法則)という考え方に立つ。経済は突きつめればすべては物々交換であり、貨幣はその仲介のために仮の穴埋めをしているにすぎない(ヴェール)。それゆえ追加的な生産物のみが新たな交換と支払い(需要)をうみ出す事が出来る、とする。ピグーら新古典派経済学は、このような均衡は財の価格が十分に調整しうるほどの長期において成立すると解釈する。一方、ケインズは「長期的にはわれわれはすべて死んでいる(In the long run, we are all dead.)」と呼び、このような長期的均衡は実現しないと批判した[1]。
これに対して有効需要の原理では、有効需要に一致するように供給量が調整されるとしており[2]、貯蓄(供給)に等しいだけの投資(需要)がなされない場合、国民所得が変化(減少)することによって総需要と総供給とが等しくなるとした(貯蓄・投資の所得決定理論)。このようにケインズ経済学では、マクロ的に働く数量調整を重視する。これは、価格や賃金が調整されないほどの短期においては、財の数量を調整することしかできないという考えに基づいていると解釈されることもある。
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総需要管理政策
政府による有効需要の調整は総需要管理政策と呼ばれるもので、財政政策と金融政策とに分けられる。また、財政政策と金融政策を併用することをポリシーミックスという。
財政政策との関係
均衡GDPが完全雇用の下で達成されるGDPの水準(完全雇用GDP)を下回ることを不完全雇用均衡(デフレ・ギャップ)というが、この場合には有効需要の不足に基づく非自発的失業が発生する。このとき、政府が公共事業あるいは減税を通じて有効需要を発生させ、完全雇用GDPを達成することが考えられる。このような政策を財政政策と呼ぶ。また、政府支出の増加分よりも多くGDPが増加する現象を乗数効果と呼ぶ。不完全雇用の下で、意図的に需要を発生させて雇用を改善させる考え方はケインズ経済学(ケインジアン)の大きな主張点であり、世界恐慌に悩むアメリカで行われたニューディール政策はこの考え方に沿うものである。有効需要の理論は、レッセフェール(自由放任主義)で経済が行き詰っても、意図的に政府が経済に介入することで改善を図ることができることを示すことになった。
インフレ・ギャップがある場合、これを解消するためには、公共サービスの削減あるいは増税などの黒字財政によって有効需要を削減することが必要となるが、これが政治的に不人気な政策となることが、ハーベイロードの前提(賢明な政府という仮説)との関わりで問題とされている。
金融政策との関係
金融政策により金利を操作することで、民間投資を誘導し有効需要を調整することができる。例えば貯蓄を上回るほどの投資がある場合は、金利を引き上げることで貯蓄の増加と投資の減少を誘導し、有効需要(国民所得)を調整する。
投資は、追加投資によって得ることが期待できる利潤率(資本の限界効率)が利子率と一致するまで行なわれる(ケインズによる)。そこで投資を増加させるためには、金融緩和政策によって利子率を引き下げればよい。しかし、債券よりも現金を選好する流動性選好(価値保蔵手段としての貨幣に対する需要)次第では、貨幣量を増やしても利子率を下げることができない[3]。また景気の見通しが暗い時期には期待利潤率がマイナスになる場合もある。このような場合には、金融政策の有効性が失われる。
現代では、財政政策の弊害への反省などから、金融政策により有効需要を調整することが多い。しかしグローバル化(開放経済化)が進展した現在では、金利の操作は投資よりも経常収支に早く変化をもたらすため、貯蓄・投資の均衡が達成されない場合もある。
比較概念
マーケティングの世界(ミクロ)では、具体的な販売に結びつく水準での需要という意味から顕在需要と表現されることがある。また具体的な購買力にもとづかない需要、たとえば賃金がもう少し増えれば(あるいは所得がもう少しあれば)購入できる、価格がもう少し安ければ購入できる、などといった需要を潜在需要とすることがある。アンケートのサンプル調査で新商品を提示し購入意欲を調査する場合、調査結果と現実の購買行動はかならずしも一致しない。この場合、対象商品を複数の従来商品と比較してどちらに購買上の魅力を感じるか聴取する手法が潜在需要の把握に有効である。より規模の大きな事例、たとえば代替交通機関の導入や新技術の導入などの公共・産業政策においても潜在・顕在需要の概念は利用される。堆肥やウエスなど自家生産・自家消費の傾向がある商材の潜在需要は顕在需要(有効需要)と大幅に乖離している可能性がある。
(事例)