「Web写真」の版間の差分

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'''web写真'''とは[[World Wide Web|web]]をメインの発表の場とした[[写真]]のジャンル。
'''web写真'''とは[[web]]をメインの発表の場とした[[写真]]のジャンル。


== 概略 ==
==概略==
[[インターネット]]環境と[[デジタルカメラ]]が普及した2000年頃から自然発生的に誕生した。デジタルカメラや[[カメラ付き携帯電話]]が小型化し、日常生活の中で常にカメラを携帯することが出来るようになったため、それまでの写真表現では注目されなかった日常の風景を切り取ったものが多い。
[[インターネット]]環境と[[デジタルカメラ]]が普及した2000年頃から自然発生的に誕生した。デジタルカメラや[[カメラ付き携帯電話]]が小型化し、日常生活の中で常にカメラを携帯することが出来るようになったため、それまでの写真表現では注目されなかった日常の風景を切り取ったものが多い。


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[[トーマス・ルフ]]の「ヌードシリーズ」のように[[アダルトサイト]]の画像を[[画像処理]]したものなど、元来の撮影行為の意味を越えて、web上の画像を自身の作品として扱う表現手段などもある。
[[トーマス・ルフ]]の「ヌードシリーズ」のように[[アダルトサイト]]の画像を[[画像処理]]したものなど、元来の撮影行為の意味を越えて、web上の画像を自身の作品として扱う表現手段などもある。


一方で[[小林のりお]]は「なぜヤフオク図鑑か」というシリーズで、商品の写真を撮り、その画像を[[Yahoo! オークション]]に掲載することで、その場をweb写真展の空間にしてしまった。(→ 『[[なぜ、植物図鑑か]]』)
一方で[[小林のりお]]は「なぜヤフオク図鑑か」というシリーズで、商品の写真を撮り、その画像を[[ヤフーオークション]]に掲載することで、その場をweb写真展の空間にしてしまった。


これらの多様性そのものが「'''web写真'''」であると言える。
これらの多様性そのものが「'''web写真'''」であると言える。
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「インターネットとデジカメが[[ジョージ・マロリー#「そこに山があるから」|そこにあったから]]」という消極的な見方もあるが、それまでの写真展、[[写真集]]などでの写真の発表に対して、時間や空間などの制約を受けずに写真を表現する場を得たいという積極的な姿勢も見るべきである。
「インターネットとデジカメが[[ジョージ・マロリー#「そこに山があるから」|そこにあったから]]」という消極的な見方もあるが、それまでの写真展、[[写真集]]などでの写真の発表に対して、時間や空間などの制約を受けずに写真を表現する場を得たいという積極的な姿勢も見るべきである。


web写真家として発表する上で気を付けなければいけないのは(web写真に限らず、ホームページ制作上、当然考えなければならない問題であるが)閲覧者の環境(マシンスペック、[[オペレーティングシステム|OS]]、[[ウェブブラウザ]]、[[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]の[[キャリブレーション]]や画面サイズ、通信速度)の問題など、制作者の意図通りに表現出来ない部分があるということである。
web写真家として発表する上で気を付けなければいけないのは(web写真に限らず、ホームページ制作上、当然考えなければならない問題であるが)閲覧者の環境(マシンスペック、[[オペレーティングシステム|OS]]、[[webブラウザ]]、[[ディスプレイ (コンピュータ)|ディスプレイ]]の[[キャリブレーション]]や画面サイズ、通信速度)の問題など、制作者の意図通りに表現出来ない部分があるということである。



==Web写真家の例==
==代表的なweb写真家==
<!--乱立を避けるためwikipedia上に項目のある人物に限定しましょう。 -->
wikipedia上に項目のある人物
*[[小林のりお]]
*[[内原恭彦]]
*[[内原恭彦]]([http://uchihara.info/ Son of a BIT])
*[[大西みつぐ]]([http://www8.plala.or.jp/newcoast/ Wonderland])
*[[小林のりお]]([http://www.artbow.com/ artbow])


==関連項目==
==関連項目==
*[[ガーリーフォト]]
*[[ガーリーフォト]]
*[[Flickr]]
*[[中平卓馬]]



==関連書籍==
==関連書籍==
* 「デジグラフィ デジタルは写真を殺すのか?」([[飯沢耕太郎]]、[[中央公論社]]、2004年)ISBN 4120034887
* 「デジグラフィ デジタルは写真を殺すのか?」([[飯沢耕太郎]]、[[中央公論社]]、2004年)ISBN 4120034887
*「photonwork」([[武蔵野美術大学]]映像学科写真表現コースの写真研究誌、第2号にて上記の小林のりお「なぜヤフオク図鑑か」が掲載されており右記アドレスよりpdf版がダウンロード可能[http://www.photonwork.org/pdf/photonwork_02.pdf])
*「photonwork」([[武蔵野美術大学]]映像学科写真表現コースの写真研究誌、第2号にて上記の小林のりお「なぜヤフオク図鑑か」が掲載されており右記アドレスよりpdf版がダウンロード可能[http://www.photonwork.org/pdf/photonwork_02.pdf])



==外部リンク==
==外部リンク==
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*[http://dc.watch.impress.co.jp/cda/webphoto_backnumber/ web写真界隈] 
*[http://dc.watch.impress.co.jp/cda/webphoto_backnumber/ web写真界隈] 


[[Category:写真のジャンル|うえしやしん]]
[[Category:写真のジャンル|うえしやしん]]
[[Category:World Wide Web|うえしやしん]]
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[[Category:インターネットの文化|うえしやしん]]
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[[Category:デジタルカメラ|うえしやしん]]
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2007年8月29日 (水) 23:20時点における版

web写真とはwebをメインの発表の場とした写真のジャンル。

概略

インターネット環境とデジタルカメラが普及した2000年頃から自然発生的に誕生した。デジタルカメラやカメラ付き携帯電話が小型化し、日常生活の中で常にカメラを携帯することが出来るようになったため、それまでの写真表現では注目されなかった日常の風景を切り取ったものが多い。

写真だけを並べたような比較的簡単なウェブページからflashを駆使したもの、写真共有サイトFlickrブログを利用したものなど発表方法は様々である。

上書き更新していくように一過性の発表をするものや、反対にサーバの限界まで貯め込むものなど、「webで写真を発表する」という以外に共通点がない。デジタルカメラの発展による高画質の画像をアップするサイトがある一方で、低画質の画像を大量にアップするサイトもある。

またデジタルカメラを使わずフィルムカメラで撮った写真をスキャナなどで読み込んで発表する方法もある。

トーマス・ルフの「ヌードシリーズ」のようにアダルトサイトの画像を画像処理したものなど、元来の撮影行為の意味を越えて、web上の画像を自身の作品として扱う表現手段などもある。

一方で小林のりおは「なぜヤフオク図鑑か」というシリーズで、商品の写真を撮り、その画像をヤフーオークションに掲載することで、その場をweb写真展の空間にしてしまった。

これらの多様性そのものが「web写真」であると言える。

被写体としては写真に撮ることの出来るもの全てがこの対象になると思われるが、肖像権の問題などからポートレートや町中で人物を撮ったスナップ写真は少なめである。

「インターネットとデジカメがそこにあったから」という消極的な見方もあるが、それまでの写真展、写真集などでの写真の発表に対して、時間や空間などの制約を受けずに写真を表現する場を得たいという積極的な姿勢も見るべきである。

web写真家として発表する上で気を付けなければいけないのは(web写真に限らず、ホームページ制作上、当然考えなければならない問題であるが)閲覧者の環境(マシンスペック、OSwebブラウザディスプレイキャリブレーションや画面サイズ、通信速度)の問題など、制作者の意図通りに表現出来ない部分があるということである。


代表的なweb写真家

wikipedia上に項目のある人物

関連項目


関連書籍

  • 「デジグラフィ デジタルは写真を殺すのか?」(飯沢耕太郎中央公論社、2004年)ISBN 4120034887
  • 「photonwork」(武蔵野美術大学映像学科写真表現コースの写真研究誌、第2号にて上記の小林のりお「なぜヤフオク図鑑か」が掲載されており右記アドレスよりpdf版がダウンロード可能[1])


外部リンク