奥野一成

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おくの かずしげ

奥野 一成
国籍 日本の旗 日本
出身校 京都大学法学部
ロンドン・ビジネス・スクールファイナンス学修士 (Master in Finance)
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奥野 一成(おくの かずしげ)は日本の投資家(ファンドマネージャー)。農林中金バリューインベストメンツ株式会社の常務取締役・最高投資責任者 (CIO)。日本では数少ない「長期厳選投資」を掲げるファンドマネージャーの一人。現在、農林中金バリューインベストメンツで主に機関投資家向けの日本株と米国株の集中ファンド運用と、公募設定された「農林中金<パートナーズ>おおぶね」シリーズの運用を行っている[1]。趣味は釣り麻雀。著書『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』はベストセラーであり、高校生のための金融教育教材[2]を無償提供するなど若年層向けの投資教育[3]にも携わっている。

経歴[編集]

投資哲学とファンド評価[編集]

投資哲学[編集]

  • 安く買って高く売る株券の売買が投資ではなく、投資とは企業のオーナーになることという基本的な考え方を日本でも広めたいと思っている。
  • 投資の役割は、社会に価値を提供し続ける企業にお金を供給することであり、その企業の価値が向上し続けることで、投資家はその一部をリターンとして受け取ることができると考えている。
  • 企業が社会に価値を提供し続けられるのは、その企業が社会の問題を解決し、世の中を豊かにしているからである。そういういいビジネスを一生懸命選び、お金を供給しオーナーになるのが投資家の役割。
  • 長期投資できる会社には3つの条件をあげており「構造的に強靭な企業®」と呼ぶ。これら放っておいても儲かってしまう「売らなくていい会社」を厳選することで、危機に強く長期的に伸びる企業を選定している。
    1. 優れた商品・サービスで高い収益をあげているか=「高付加価値」
    2. 他社が真似できない圧倒的な競争優位性があるか=「競争優位性」
    3. 不可逆的で長期的な潮流にのっているか=「長期潮流」
  • 投資先を選定する際に、第一に重要なのはビジネスの構造、次いで経営者。会社の10年後を見て、その「儲かる構造」のタネを植えるのが経営者の役割。そういう意味で経営者には「投資家」の視点が求められると考えている。
  • 投資先の現場を見ることをとても重要視している。企業文化は経営者ではなく「現場」をみることで初めて分かる。長期投資家のいいところは、毎年継続的に現場を見ていくことができるので投資先企業がどう変化しているか分かるところである。
  • 企業訪問時は、過去の数字ではなく事業のことや競争環境や戦略など大きな話を聞く。企業との対話は「仮説と検証」を重要視しており、企業訪問時は、必ず農林中金バリューインベストメンツなりに、その企業についての仮説をチームで議論し資料にまとめ、経営者にプレゼンする。これは投資先選定時だけでなく投資を実施した後も徹底している。
  • ファンドマネージャーとしてパフォーマンスは大事だが、投資家は長く株を保有するほど「何に投資しているのか」を知りたくなるため、顧客(投資家)と対話し、運用の考え方や企業について説明することも重要な責任だと考えており、投資先企業について定期的に顧客にできるだけ詳しく説明している[4]
  • 自身も運用している「おおぶね」ファンドに投資をしており、その積立の実績を毎月公開している。

「おおぶね」ファンド受賞歴[編集]

金融教育の活動実績[編集]

著書[編集]

メディア出演[編集]

テレビ番組[編集]

雑誌[編集]

  • 日経マネー2019年6月号 目利きに聞く2 農林中金バリューインベストメンツ 奥野一成さん米国の好調は今後も続く 規模と独自性が成長の鍵(2019年4月24日、日経BP
  • 日経トレンディ2019年7月号 森岡毅氏(日本“最強”マーケター)奥野一成氏(先駆的ファンドマネジャー)特別対談 投資マインドが日本を強くする(2019年5月2日、日経BP)
  • 日経WOMAN2020年6月号 幸せになるお金の哲学 お金を貯めるのは何のため? NHKEテレで話題の哲学者×哲学のある運用が人気の投資家が答える!(2020年5月7日、日経BP)
  • 週刊エコノミスト2020年5月11日号 プロに学ぶコロナを乗り切る投資術&ファンド(2020年5月11日、毎日新聞出版)
  • 婦人画報 2022年3月1日発売 投資家、ファンドマネージャー、ファイナンシャルプランナーが語る、明るくわかりやすい株式投資の話 賢者の鼎談

WEBメディア[編集]

対談[編集]

インタビュー[編集]

外部リンク[編集]

出典[編集]