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台湾通史

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台湾通史(たいわんつうし)は、連横中国語版英語版(連雅堂)が執筆した台湾の通史。

概要

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連横は日本による台湾統治が開始されたことに刺激を受け、1908年から1918年の10年間をかけて『台湾通史』を著した。内容は、から台湾民主国までの1,300年間にわたり、司馬遷の『史記』の紀伝体にならっている。内容は紀4、志24、伝60の88篇36巻に分かれ、さらに附表101項目が付属している。1920年台湾通史社より出版された。

台湾民主国を扱う巻名は当初「独立紀」としていたものを、政治情勢を考慮し「過渡紀」に改名するなど内容変更はあったが、出版後は各方面より高い評価を受け、当時の台湾総督府民政長官であった下村宏も高く評価し序文を寄せている。一方、歴史学者である楊雲萍はその内容を高く評価しつつも、下記の問題点を指摘している。

  • 連横が採用した史料が限定的である
  • 他人の作品を極端に引用している
  • 史料批判が不十分であり、一部は創作が含まれる
  • 地名及び人物に誤りが多い

『台湾通史』は、台湾人による初めての通史である。しかし、「大中国主義」の観点から執筆されたものである[1]。台湾人の立場からの通史は、史明の『台湾人四百年史』(1962年)を待つことになる。

刊本

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  • 連横 『台湾通史』(台湾通史社出版、1920年)

目次一覧

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  1. 巻一、開闢紀(隋大業元年 - 明永暦15年)
  2. 巻二、建国紀(明永暦15年 - 於37年)
  3. 巻三、経営紀(清康熙22年 - 光緒20年)
  4. 巻四、過渡紀(清光緒21年 - 同年9月)
  5. 巻五、疆域志
  6. 巻六、職官志
  7. 巻七、戸役志
  8. 巻八、田賦志
  9. 巻九、度支志
  10. 巻十、典礼志
  11. 巻十一、教育志
  12. 巻十二、刑法志
  13. 巻十三、軍備志
  14. 巻十四、外交志
  15. 巻十五、撫墾志
  16. 巻十六、城池志
  17. 巻十七、関征志
  18. 巻十八、榷売志
  19. 巻十九、郵伝志
  20. 巻二十、糧運志
  21. 巻二十一、郷治志
  22. 巻二十二、宗教志
  23. 巻二十三、風俗志
  24. 巻二十四、芸文志
  25. 巻二十五、商務志
  26. 巻二十六、工芸志
  27. 巻二十七、農業志
  28. 巻二十八、虞衡志
  29. 巻二十九、列伝一:顔、鄭、寧靖王、諸臣、諸老、陳永華、林圯、林鳳、劉国軒
  30. 巻三十、列伝二:施琅、呉球、劉卻、朱一貴、欧陽凱、藍廷珍、楊、殷、阮、王
  31. 巻三十一、列伝三:王世杰、呉鳳、施、楊、呉、張、林、胡、張、郭、台東拓殖、呉福生、黄教、林爽文、孫景燧、福康安、楊廷理、鄭其仁、李安善、陳周全、高夔
  32. 巻三十二、列伝四:海寇,王得禄,謝、鄭,呉沙、姜、周、許尚、楊良斌、姚、徐、張丙、方振声、李石、林恭、鄭勒先、郭光侯、施九緞
  33. 巻三十三、列伝五:戴潮春、林文察、丁曰健、林奠国、林占梅、羅、陳、沈葆楨、袁聞柝、劉銘伝、劉、林平侯
  34. 巻三十四、列伝六:循吏、流寓、郷賢、文苑
  35. 巻三十五、列伝七:孝義、勇士、貨殖、列女
  36. 巻三十六、列伝八:邱逢甲、呉、徐、姜、林、呉彭年、唐、劉
  • 附表目
  1. 延平郡王世系表(建国紀)
  2. 鄭氏中央職官表(職官志)
  3. 鄭氏台湾職官表(職官志)
  4. 清代職官表(職官志)
  5. 民主国職官表(職官志)
  6. 清代台湾戸口表一(戸役志)
  7. 清代台湾戸口表二(戸役志)
  8. 清代徴収丁税表一(戸役志)
  9. 清代徴収丁税表二(戸役志)
  10. 清代徴収丁税表三(戸役志)
  11. 清代徴収番餉表一(戸役志)
  12. 清代徴収番餉表二(戸役志)
  13. 荷蘭王田租率表(田賦志)
  14. 鄭氏官田租率表(田賦志)
  15. 鄭氏文武官田租率表(田賦志)
  16. 鄭氏文武官田税率表(田賦志)
  17. 氏田園徴賦表(田賦志)
  18. 清代民田租率表一(田賦志)
  19. 清代民田租率表二(田賦志)
  20. 清代民田租率表三(田賦志)
  21. 清代民田租率表四(田賦志)
  22. 清代民田租率表五(田賦志)
  23. 清代屯田租率表(田賦志)
  24. 清代番大租率表(田賦志)
  25. 阿里山番租率表(田賦志)
  26. 清代田園甲數表(田賦志)
  27. 清代田園徴賦表(田賦志)
  28. 台湾県歳入表(度支志)
  29. 台湾県歳出表(度支志)
  30. 鳳山県歳入表(度支志)
  31. 鳳山県歳出表(度支志)
  32. 諸羅県歳入表(度支志)
  33. 諸羅県歳出表(度支志)
  34. 彰化県歳入表(度支志)
  35. 彰化県歳出表(度支志)
  36. 淡水庁歳入表(度支志)
  37. 淡水庁歳出表(度支志)
  38. 澎湖庁歳入表(度支志)
  39. 澎湖庁歳出表(度支志)
  40. 瑪蘭庁歳入表(度支志)
  41. 瑪蘭庁歳出表(度支志)
  42. 台湾文官養廉表(度支志)
  43. 台湾武官養廉表(度支志)
  44. 台湾武官俸薪表(度支志)
  45. 台湾兵餉支給表(度支志)
  46. 瑪蘭営兵餉表(度支志)
  47. 台湾勇営月餉表(度支志)
  48. 建省以後歳入総表(度支志)
  49. 各府庁県壇廟表(典禮志)
  50. 台湾儒学表(教育志)
  51. 台湾書院表(教育志)
  52. 鄭氏武官表(軍備志)
  53. 鄭氏各将軍表(軍備志)
  54. 鄭氏陸軍各鎮表(軍備志)
  55. 鄭氏水師各鎮表(軍備志)
  56. 鄭氏台湾及各島守将表(軍備志)
  57. 清代台湾水陸営制表(軍備志)
  58. 清代台湾水陸汛防表(軍備志)
  59. 台東勇営駐防表(軍備志)
  60. 南北屯弁分給埔地表(軍備志)
  61. 南北屯丁分給埔地表(軍備志)
  62. 鳳山県轄隘寮沿革表(軍備志)
  63. 淡水庁轄隘寮沿革表(軍備志)
  64. 瑪蘭庁轄隘寮沿革表(軍備志)
  65. 鄭氏澎湖砲台表(軍備志)
  66. 清代台湾砲台表(軍備志)
  67. 鄭氏各鎮屯田表(撫墾志)
  68. 台湾撫墾局管轄表(撫墾志)
  69. 台湾撫墾局局制表(撫墾志)
  70. 鄭氏徴収雜税表(関征志)
  71. 清代陸餉徴収表(関征志)
  72. 清代水餉徴収表(関征志)
  73. 台湾海関徴収税鈔表(関征志)
  74. 台湾海関徴収船鈔表(関征志)
  75. 台湾阿片進口表(榷売志)
  76. 台湾徴収阿片釐金表(榷売志)
  77. 前山道里表(郵伝志)
  78. 後山道里表(郵伝志)
  79. 前山至後山道里表(一)(郵伝志)
  80. 前山至後山道里表(二)(郵伝志)
  81. 前山至後山道里表(三)(郵伝志)
  82. 前山至後山道里表(四)(郵伝志)
  83. 中路道里表(郵伝志)
  84. 鹿耳門応運兵眷米穀表(糧運志)
  85. 鹿港応運兵眷米穀表(糧運志)
  86. 八里坌応運兵眷米穀表(糧運志)
  87. 台湾官倉表(糧運志)
  88. 台湾社倉表(糧運志)
  89. 台湾番社倉表(糧運志)
  90. 台湾善堂表(郷治志)
  91. 台湾義塚表(郷治表)
  92. 台湾廟宇表(宗教志)
  93. 芸文表一(芸文志)
  94. 芸文表二(芸文志)
  95. 芸文表三(芸文志)
  96. 各国立約通商表(商務志)
  97. 対話外国貿易表(商務志)
  98. 台湾糖出産表(商務志)
  99. 台湾産糖推算表(商務志)
  100. 台湾糖出口表(商務志)
  101. 台湾各属陂圳表(農業志)
  • 付録
  1. 連雅堂先生家伝,連震東
  2. 連雅堂先生年表,連震東

脚注

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  1. ^ 関口勝 「中国国民党の研究―連戦について」 『アジア研究所・アジア研究シリーズ No.55 アジアの文化、特に思想・宗教・言語の多様性の研究Ⅱ』、亜細亜大学アジア研究所、2005年。

外部リンク

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