リン酸ホウ素
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リン酸ホウ素 | |
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リン酸ホウ素 | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 13308-51-5 |
PubChem | 16726750 |
ChemSpider | 20558515 |
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特性 | |
化学式 | BPO4 |
モル質量 | 105.782 g/mol |
密度 | 2.52 g/cm3 |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
リン酸ホウ素は化学式PBO4で表わされる無機化合物である。白色の粉末であり水や鉱酸には溶解しない[1][2]。相対比重は25度において2.52 g/mL[3]。単純な方法としてはホウ酸とリン酸の反応によって合成される[4]。
合成
[編集]リン酸ホウ素はホウ酸とリン酸を80度から1200度の温度範囲で加熱することによって合成される。低温で処理するとアモルファスの粉末が得られ、およそ1000度で2時間加熱することで結晶質に転移する[5]。
主な反応は以下の通りである。
- H3BO3 + H3PO4 → BPO4 + 3 H2O
水熱合成やマイクロウェーブ合成のような新しい合成方法も報告されている[6]。
リン酸ホウ素は特定の産業において、他の方法が同様に用いられる[6]。
有機合成反応などの触媒用途に用いる場合比表面積の大きさが重要になるため、ホウ酸トリ-n-プロピルとオルトリン酸との反応によって比表面積の大きな触媒用のリン酸ホウ素が合成される[4]。
構造
[編集]リン酸ホウ素はBO4とPO4の繰り返し構造を取る[4]。常圧で合成した物はβ-クリストバライトと同型の構造が得られ、高圧下で合成するとα-石英と同型の構造を持つ化合物が得られる[7] 。
用途
[編集]リン酸ホウ素は脱水反応や他の有機合成反応のための触媒として用いられる。また、金属リン酸塩を得るための固体状態における交換反応でのリン酸塩源としても用いられる[8]。その他、特殊ガラスの原料や水ガラスの硬化剤としても利用される[1]。
危険性
[編集]目や呼吸器、皮膚への刺激性が警告されている[3]。
出典
[編集]- ^ a b “リン酸ホウ素”. 米山化学工業株式会社. 2014年5月4日閲覧。
- ^ “Boron Phosphate Anhydrous”. Bass Tech int.. 2014年5月4日閲覧。
- ^ a b “Boron phosphate MSDS”. Sigma-Aldrich. 2014年5月4日閲覧。
- ^ a b c 丸内祐子『実験化学講座 23 無機化合物』日本化学会 編、丸善、2005年、102-103頁。ISBN 4-621-07322-2。
- ^ Mylius, F.; Meusser, A. (1904). “Ueber die Bestimmung der Borsäure als Phosphat”. Berichte der deutschen chemischen Gesellschaft 37: 397. doi:10.1002/cber.19040370171.
- ^ a b Baykal, A, Kizilyalli, M, Toprak, Muhammet S. & Kniep, R (2001). “Hydrothermal and microwave synthesis of boron phosphate, BPO4”. Turkish Journal of Chemistry 25 (4): 425–432.
- ^ MacKenzie, J. D.; Roth, W. L.; Wentorf, R. H. (1959). “New high pressure modifications of BPO4 and BAsO4”. Acta Crystallographica 12: 79. doi:10.1107/S0365110X5900024X.
- ^ Moffat, J. B.; Goltz, H. L. (1965). “Surface Chemistry and Catalytic Properties of Boron Phosphate: 1. Surface Area and Acidity”. Canadian Journal of Chemistry 43 (6): 1680. doi:10.1139/v65-222.