ミス・ポピーシードのメルヘン横丁
ミス・ポピーシードのメルヘン横丁 | |
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漫画 | |
作者 | 山本ルンルン |
出版社 | 芳文社 |
掲載誌 | まんがタイムラブリー |
レーベル | まんがタイムコミックス フラワーコミックス(復刻版) |
発表号 | 2006年5月号 - 2008年8月号 |
巻数 | 全2巻 |
話数 | 全20話 |
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『ミス・ポピーシードのメルヘン横丁』(ミス・ポピーシードのメルヘンよこちょう)は、山本ルンルンの漫画作品。
概要
[編集]芳文社の漫画雑誌『まんがタイムラブリー』において、2006年5月号より2008年8月号まで、ほぼ隔月で連載された。同誌は4コマ漫画専門雑誌だが、この作品は例外的に4コマ漫画ではない。単行本は全2巻。
同作者のいくつかの他作品と同様、架空の国家「シトラス公国」が物語の舞台。『シトラス学園』や『マシュマロ通信』のキャラクターが登場する話も一部存在する。ただし『マシュマロ通信』などの児童向け作品と違い、いくらかのブラックユーモア的要素が取り入れられている。登場する通貨は他作品同様「ピコ」であり、1ピコ=約6円となっている。
また、この芳文社版より以前に講談社の『K-DASH』SPRING2003#2に、同名の読みきり短編が2本掲載された。これらは太田出版から発売された『シトラス学園 完全版』に掲載されている。主な登場人物はポピーシードのみで、サイレント映画のように台詞が無いなど、芳文社版とは違った作品となっている。
2010年に小学館『フラワーコミックス』レーベルで復刻版単行本(全2巻)が発売され、前述の読みきり短編2本も収録された。
あらすじ
[編集]ヨーロッパの端にある小国・シトラス公国に住むマーガレットは、春から服飾学校に通うために、メルヘン横丁にある「アパートの雑務をこなしてくれるなら家賃は無料」という奇妙な条件のアパートに下宿を取った。そこで出会ったのは、アパートの女性オーナーポピーシードと、彼女の執事でネズミそっくりのベルガモット。浮世離れした雰囲気の2人に加えて、そこには若い男の幽霊ユーレイまでもが住み着いていた。しかもユーレイの話によると、実はポピーシードは本物の魔女だというのだ。
登場人物
[編集]- ポピーシード
- アパートの大家であり魔女。由緒正しき魔女の家柄の出身らしいが、なんらかの過去の事情で家を出て、現在は自分の魔力を生かして「よろず相談所」を開き生計を立てている。少し冷めた態度を見せているが、怒りっぽい人物でもある。喫煙者でいつもタバコをふかしている。
- マーガレット
- 実家の田舎からポピーシードのアパートに越してきた、18歳の服飾学校生の女の子。本作は彼女の視点で描かれることが多い。童顔小柄な見た目のせいで、すぐに子供に間違えられる。お人よしの性格に加えて、なまじ家事ができるせいか、何かといいように使われている苦労人。しかし、ポピーシードの飼い犬のウルシに似ており、彼女からは可愛がられている様子。
- ベルガモット
- ポピーシードの執事で、彼女を「おじょうさま」と呼んでいる。プライドがやたら高く金銭感覚に乏しい。ポピーシードには頭が上がらないが他人には慇懃無礼な態度をとる。実は73歳の人間男性だが、すぐに金を持ち出しては女性に貢ぐ悪癖のため(ポピーシード曰く「色ボケジジイ」)、ポピーシードの魔法で2頭身のネズミのような姿に変えられている。しかし彼はそれにもめげず、今日も人間に戻れる薬や惚れ薬をポピーシードの薬倉庫からこっそり持ち出しては、街で女性を口説いている。貧乏人には冷たいが不幸な身の上には弱く、すぐに同情する。
- ユーレイ
- アパートに住み着いている、軽い性格の若い男の幽霊。幽霊なので壁なども自由自在に通り抜けることができるが、生きている人間のように食事をしたり、喫煙することもできる。いつも空腹状態で、よく食べ物を求めている。彼が死んだ理由は、悪友たちとの一時の悪ノリで、アパートの屋上の花壇に生き埋めにされてしまったからであった。
- アラム
- 服飾学校で初めてできたマーガレットの友達。陽気な性格の女の子で、口調になまりがある。観光エリアにある学生アパートに住んでいる。
- ウルシ
- かつてポピーシードが実家で飼っていたプードル。彼女を慕いメルヘン横丁までやってきたが、途中で力尽きて死んでしまった。だが、魔法の種で「花」になってアパートの屋上の花壇で生き返ることができた。高級犬で国産牛肉しか食べない。
- プレイグ
- 家から家へと渡り歩いている疫病神の少女。名前は英語で「災い」を意味する。存在しているだけで災いを呼び寄せるため、正体を知らずに家に招き入れたマーガレットとベルガモットは災難に遭うことになる。
- ルミエル
- ポポという名前のぬいぐるみで腹話術をする少女。母親が亡くなって以来心を閉ざし、自分の言葉ではしゃべらなくなっている。父親が連れてきた継母を一方的に嫌い、ポピーシードに彼女を消してほしいと頼む。
- ルーシー
- 魔女として修行中の少女。人々の幸福を願って活動しており、魔法を使った商売をしているが、腕が未熟なため失敗ばかりしている。同作者の漫画『シトラス学園』にも登場する。
所収
[編集]- 芳文社〈まんがタイムコミックス〉
- 2007年8月22日発行 ISBN 978-4-8322-6564-6
- 2008年10月22日発行 ISBN 978-4-8322-6682-7
- 小学館〈フラワーコミックススペシャル〉
- 2010年12月15日発行 ISBN 978-4-09-133688-0
- 2010年12月15日発行 ISBN 978-4-09-133689-7
エピソード一覧
[編集]第1巻収録
- 01. メルヘン横丁へようこそ
- 02. ポピーシードのよろず相談所
- 03. マーガレットは悩んでいる
- 04. ベルガモットの春
- 05. たばこすわせろ / 春の公園でめぐるもの[1]
- 06. 屋上菜園
- 07. 人気者になりたい
- 08. 孤独な少女
- 09. ユーレイになったわけ
- 10. ミス・ウェンディ
- おまけ さよなら子供時代[2]
第2巻収録
- 11. キラキラナイトチョーク
- 12. 夢見るレストラン
- 13. 春の公園でめぐるもの / たばこすわせろ[1]
- 14. ポポとルミエル
- 15. 彼女が知ってるちょっといいこと
- 16. 魔女ルーシーは修行中
- 17. 口笛は風にのって
- 18. エキゾチック・バザール
- 19. ねじれてつながる
- 20. おかえりマーガレット[3]
- おまけ 寒さと空腹と[2]