マリー・ヨバノビッチ
マリー・ヨバノビッチ(英語: Marie Yovanovitch、1958年11月11日 - )は、アメリカ合衆国の外交官。2019年12月から始まったドナルド・トランプ アメリカ合衆国大統領の弾劾裁判をめぐるキーパーソンの一人。
経歴
[編集]アメリカ合衆国の外交官として駐キルギス大使(2005年-2008年)、駐アルメニア大使(2008-2011年)、駐ウクライナ大使(2016年-2019年)などを歴任。2019年3月に駐ウクライナ大使の任期延長を打診されていたが、同年4月末に「次の航空便」でアメリカ本国へ戻るよう突然指示を受ける。マリー・ヨバノビッチは、同年5月にウクライナを離れた。この事実上の更迭の理由について、ジョン・J・サリバン国務副長官は「トランプ大統領の信頼を失ったからだ」と説明している[1]。
後に、2018年4月の時点でトランプ大統領が支持者からの意見を聞き、マリー・ヨバノビッチの解任を指示していたビデオが公開されている[2]。
大統領弾劾裁判との関係
[編集]2019年7月、トランプ大統領はウォロディミル・ゼレンスキー大統領との間で電話会談を行い、元アメリカ合衆国副大統領で2020年アメリカ合衆国大統領選挙への立候補を目指すジョー・バイデン周辺を調査するように圧力をかけたとされる(ドナルド・トランプとウクライナ論争参照)[3]。
2019年11月15日、ドナルド・トランプの弾劾調査が進む中で下院公聴会に出席。同年7月に行われていた、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との電話会談(前述)にて、自分が批判されていたことに触れ「衝撃を受け、打ちのめされた」と述べた[4]。この証言に先立ちトランプ大統領は「(ヨバノビッチが)赴任した場所はどこも状況が悪化した」としてツイッターにて批判を行った[5]。
脚注
[編集]- ^ “トランプ氏、駐ウクライナ大使の召還指示か 議会証言”. 日本経済新聞 (2019年10月12日). 2020年1月26日閲覧。
- ^ “「やれ!」トランプ氏が前ウクライナ大使の解任命じた動画、米メディアに公開”. AFP (2020年1月26日). 2020年1月26日閲覧。
- ^ “米民主党、トランプ大統領への弾劾調査を正式開始 ウクライナとの関係めぐり”. BBC (2019年9月25日). 2020年1月26日閲覧。
- ^ “前ウクライナ米大使、トランプ氏の電話会談に「衝撃受け打ちのめされた」”. CNN (2019年11月16日). 2020年1月26日閲覧。
- ^ “トランプ氏、弾劾調査の公聴会中に「証人脅迫」 ツイッターで攻撃”. AFP (2019年11月16日). 2020年1月26日閲覧。