ホワイトナイトツー
ホワイトナイトツー
スケールド・コンボジッツ モデル348 ホワイトナイトツー (Scaled Composites Model 348 WhiteKnightTwo, WK2) は、スペースシップツー宇宙船を発射するために使用される、輸送用のジェット航空機である。これはスケールド・コンポジッツによって、二段階の有人弾道飛行発射システムであるTier 1bの第一段階として開発された。ホワイトナイトツーは、スペースシップワンの母艦であるホワイトナイト(これはプロテウスに基づいて開発された)の成功に基づいている。
ヴァージン・ギャラクティックは2機のホワイトナイトツーを発注済みである[2]。ホワイトナイトツーとスペースシップツーは、ヴァージン・ギャラクティックが行う弾道飛行で使用されるスペースプレーンのベースとなっている。
最初のホワイトナイトツーはリチャード・ブランソンの母に因んでVMS Eveと名づけられた。これは2008年7月28日に公式に公開され、2008年12月21日に初飛行を行った。二番目のホワイトナイトツーは、ブランソンの親しい友人であるスティーヴ・フォセットに因んでVMS Spirit of Steve Fossettと名づけられる予定である。[3][4]
設計
[編集]ホワイトナイトツーは、大型のスペースシップツー宇宙船を輸送するために開発され、ホワイトナイトに比べておよそ3倍の大きさがある。[5] また、フライトコントロールケーブルでさえ、カーボンファイバー製の、新しく特許を受けた設計となっている。[6] ホワイトナイトツーの翼幅は、B-29 スーパーフォートレスと同程度の翼幅になる。
実際の弾道飛行の前に、ホワイトナイトツーは数秒間の無重力状態を体験できるプレビュー飛行を行う。ホワイトナイトツーは、およそ60,000フィート(18km)の実用上限高度を持つことを意図しており、乗客にダークブルーの空を提供する。これにより、乗客は本当の飛行の前に訓練を行うことが出来る。[7]
ホワイトナイトツーは双胴機であり、それぞれの胴体に2つずつのジェットエンジンを持つ。[8]ひとつの胴体は乗客の訓練などを行うためのスペースシップツーの正確なレプリカで、もうひとつの胴体は、割引料金の日帰り旅行客を成層圏へ運ぶためのものとなっている。[9]
ホワイトナイトツーの設計は、サイズ・尾翼・エンジンの構成・コクピットの配置など、ホワイトナイトと完全に異なる。ホワイトナイトは2つのT字尾翼であったが、ホワイトナイトツーは2つの十字尾翼である。エンジンの構成も大きく異なっている。ホワイトナイトツーではエンジンを翼の下に吊り下げているが、ホワイトナイトでは唯一のコクピットの両側に配置していた。
仕様
[編集]諸元
- ペイロード: 17,000 kg [12]
- 全長: 24m (79ft)
- 全高: m (ft)
- 翼幅: 43m(141ft)
- 翼面積: m2 (ft2)
- 空虚重量: kg (lb)
- 運用時重量: kg (lb)
- 有効搭載量: kg (lb)
- 最大離陸重量: kg (lb)
- 動力: プラット・アンド・ホイットニー・カナダ PW308 ターボファン、30.69kN (6,900lbf) × 4
性能
- 超過禁止速度: km/h (kt)
- 最大速度: km/h (kt)
- 巡航速度: km/h (kt)
- 失速速度: km/h (kt)
- フェリー飛行時航続距離: km (海里)
- 航続距離: km (海里)
- 実用上昇限度: 21.3 km (70,000 ft)
- 上昇率: m/min (ft/s)
- 翼面荷重: kg/m2 (lb/ft2)
画像
[編集]-
2008年12月21日に行われたVMS Eveの初飛行
-
VMS Eveの機首のデザイン
-
ホワイトナイトツーで使用されたPW308
参照
[編集]- ^ “WK2 Rollout Audio Clips (parts 4 & 6)”. Movaje Skies (2008年7月30日). 2009年3月10日閲覧。
- ^ Malik, Tariq (2008年1月23日). “Virgin Galactic Unveils Suborbital Spaceliner Design”. SPACE.com. 2008年1月25日閲覧。
- ^ Burack, Ari (2007年10月10日). “Sir Richard Branson...”. San Francisco Sentinel. 2008年2月28日閲覧。
- ^ “Spaceship Company unveils design of SpaceShipTwo”. Pravda Online (2008年1月23日). 2008年1月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年1月25日閲覧。
- ^ “Something dangerous and new”. thespacereview.com (2007年8月28日). 2007年8月28日閲覧。
- ^ David, Leonard. "Virgin Galactic Spaceline: Mega-Mothership Set for Rollout Debut". Space.com 2008年6月6日
- ^ Leonard David (2006年8月11日). “Burt Rutan on Civilian Spaceflight, Breakthroughs, and Inside SpaceShipTwo”. Space.com. 2007年8月25日閲覧。
- ^ Kenny Kemp (March 2007). Destination Space. Virgin Books
- ^ Spencer Reiss (2007年5月22日). “Burt Rutan and Richard Branson Want You to Hit Space in High Style”. Wired.com. 2007年8月25日閲覧。
- ^ “Pratt & Whitney Canada PW308 Engine to Power Virgin Galactic's Suborbital Spaceship Launcher”. Pratt & Whitney Canada (2007年7月11日). 2007年8月25日閲覧。
- ^ Will Whitehorn and Alex Tai (2007年7月22日). “Virgin Galactic presentation Oshkosh Theater in the Woods 2007”. BrightCove.TV. 2007年12月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年9月22日閲覧。
- ^ Rob Coppinger (2008年12月9日). “Virgin Galactic in SpaceShipThree talks”. Flightglobal. 2008年12月9日閲覧。