フィスカー・オーシャン
フィスカー・オーシャン | |
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フロント | |
概要 | |
製造国 | オーストリア |
販売期間 | 2022年 - 2024年 |
ボディ | |
ボディタイプ | 5ドア SUV |
駆動方式 | 前輪駆動・四輪駆動 |
パワートレイン | |
モーター | 同期電動機 |
最高出力 |
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車両寸法 | |
ホイールベース | 2,921 mm |
全長 | 4,775 mm |
全幅 | 1,995 mm |
全高 | 1,631 mm |
オーシャン(OCEAN)は、アメリカのフィスカー (Fisker Inc.) が販売していたSUVタイプの電気自動車である。
概要
[編集]フィスカー初の電気自動車のSUVとなる[1]。マグナ・シュタイヤーが新開発したFM29と呼ばれるプラットフォームを採用し、マグナ・シュタイヤーのオーストリアにあるグラーツ工場で製造される[2]。
グレードにはシングルモーターのスポーツや、ツインモーターのウルトラ、エクストリーム、また発売記念限定モデルのワンなどが設定される[1]。スポーツは1回の充電で、最大およそ250マイルを走行可能。
ウルトラ及びエクストリームの航続距離は、最大340マイルとなる見通し。シングルモーターのスポーツの場合、最大出力は275 hpを発生する。0-96 km/h加速は6.9秒。
ツインモーターでAWDのウルトラは、最大出力が540 hpで0-96 km/h加速は3.9秒である。
ツインモーターでAWDのエクストリームは、最大出力が550 hpとなり、0-96 km/h加速を3.6秒で走る。また、新開発のセンタースクリーンとユーザーインターフェイスを採用し、ダッシュボード中央には、17.1インチのRevolve4ディスプレイを配置。通常走行時にはポートレートコントロールモード表示となり、停止時にはランドスケープハリウッドモード表示に変更可能。
スポーツには、アースドライブモードとファンドライブモードがある。
ウルトラとエクストリームには、ハイパーモードが追加。エクストリームとワンには、オフロードモードが用意される。パフォーマンスと安全性を強化するため、スマートトラクショントルクベクタリングシステムが搭載される。
また、カリフォルニアモードを設定する。カリフォルニアモードはSUVとしては初めて、ソフトトップを使用せずに、ルーフをフルオープンにできるシステムで、フィスカーの特許技術でスイッチひとつで、9枚の窓ガラスを下げることが可能になるというものになる。
フロントサイドガラスが左右2枚、リアサイドガラスが左右2枚、リアクォーターガラスが左右2枚、リアハッチガラスが1枚、ルーフガラスが2枚の合計9枚の窓ガラスを、スイッチ操作ひとつで下げることが可能。ルーフ全長にわたってソーラースカイルーフが採用。モーターのパワーをサポートし、電費効率を高めている。
品質問題
[編集]オーシャンの発売後、走行中の電源喪失やブレーキの制動力喪失など複数の不具合が報告され、2024年2月時点で少なくとも6名のオーナーから訴訟を受けた。フィスカーの内部文章から、フィスカーの役員であるウェンディ・グリューエルと、CFO兼COOのヘンリック・フィスカーの妻ギータ・グプタ・フィスカーに納車されたオーシャンが、走行中に電源を喪失する不具合を起こしたことが判明した。[4]
2024年1月から制動力の喪失に対して、同年2月からパワートレインの不具合に対して、それぞれ国家幹線道路交通安全局(NHTSA)が調査を開始した。[5]
オーシャンの品質問題は、マグナ・シュタイヤーに生産を委託したことで品質管理のレベルが低下したことが原因だとされている[6]。
2度目の経営破綻と生産終了
[編集]前述の品質問題に加え、2024年からアメリカにおいてEV市場全体で販売ペースが鈍化したことが、フィスカーの経営状況に深刻な影響を与えた[6]。2024年3月18日、フィスカーは在庫調整と資金調達のためにオーシャンの生産を6週間停止させる声明を発表した[7]。
同年3月、資金調達のために大手自動車メーカーとの提携に向けた交渉を始めたと報道された。交渉先は日産自動車とされていたが、最終的に提携は実現しなかった[6]。
同年6月17日、フィスカーは連邦倒産法第11章の適用を申請し、フィスカーは二度目の経営破綻を迎えた。負債は1億ドル(約155億円)から5億ドル(約790億円)と見積もられている[8]。フィスカーの破産に伴い、オーシャンの生産も無期限で停止されることが発表された[9]。
歴史
[編集]- 2020年 - CESでコンセプトモデルが発表[10]。
- 2021年11月17日 - 製品版が発表[10]。
- 2022年10月31日 - モバイルワールドコングレスで欧州で正式デビュー[3]。
- 2022年10月17日 - パリモーターショー2022への出展[11]。
- 2022年11月17日 - オーストリアのマグナ・シュタイヤーの工場にて量産開始[12]。
- 2023年05月05日 - デンマークにて欧州第1号車が納車[13]。
- 2024年03月18日 - オーシャンの生産を6週間に渡り停止すると発表された[6]。
- 2024年06月17日 - フィスカーの破綻により生産終了[9]。
脚注
[編集]- ^ a b “フィスカーの新型EV『オーシャン』、ツインモーターは550馬力 11月から生産”. レスポンス(Response.jp) (2022年2月18日). 2022年10月3日閲覧。
- ^ “高級EVに注力の「フィスカー」、400億円以上の受注獲得を発表”. Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン) (2022年8月5日). 2022年10月3日閲覧。
- ^ a b “携帯電話見本市で新型EVを披露 フィスカー・オーシャン、欧州正式デビュー”. AUTOCAR JAPAN (2022年3月1日). 2022年10月3日閲覧。
- ^ “Fisker Ocean owners flagged sudden power loss and brake problems for months, internal documents show” (英語). TechCrunch (2024年2月9日). 2024年3月20日閲覧。
- ^ “2023 FISKER OCEAN - Investigations” (英語). National Highway Traffic Safety Administration (NHTSA). 2024年3月20日閲覧。
- ^ a b c d “新興EVメーカーのフィスカーが生産停止、大手との提携を模索も漂う暗雲”. WIRED.jp (2024年3月19日). 2024年10月18日閲覧。
- ^ “Fisker Announces Receipt of Financing Commitment of Up to $150 Million and Provides Business Update” (英語). Fisker, Inc. (2024年3月18日). 2024年10月18日閲覧。
- ^ “失敗した資金調達、品質問題の数々。破産申請したフィスカーの波乱に満ちた歴史”. WIRED.jp (2024年6月19日). 2024年10月18日閲覧。
- ^ a b "FISKER GROUP INC. FILES FOR CHAPTER 11" (pdf) (Press release) (英語). Fisker, Inc. 17 June 2024. 2024年10月18日閲覧。
- ^ a b “フィスカー、最初のSUV「オーシャン」の量産版を発表…ソーラールーフや回転スクリーンを装備”. BUSINESS INSIDER JAPAN (2021年11月25日). 2022年10月3日閲覧。
- ^ “フィスカーの新型EV『オーシャン』、550馬力ツインモーター搭載…パリモーターショー2022出展へ”. レスポンス(Response.jp) (2022年10月3日). 2022年10月3日閲覧。
- ^ “フィスカーの電動SUV、『オーシャン』生産開始…予約は全世界で6万3000台以上”. レスポンス(Response.jp) (2022年11月21日). 2024年3月20日閲覧。
- ^ “フィスカーの電動SUV『オーシャン』、最初の1台を納車…航続707km”. レスポンス(Response.jp) (2023年5月8日). 2024年3月20日閲覧。
外部リンク
[編集]- Fisker Ocean - Fisker Inc.