チンクェトッリ

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チンクェトッリ
西側からの眺め
標高 2,361m m
所在地 イタリアの旗 イタリアベッルーノ県
位置 北緯46度30分37秒 東経12度03分07秒 / 北緯46.510160度 東経12.052065度 / 46.510160; 12.052065座標: 北緯46度30分37秒 東経12度03分07秒 / 北緯46.510160度 東経12.052065度 / 46.510160; 12.052065
山系 ドロミーティ
チンクェトッリの位置(アルプス山脈内)
チンクェトッリ
チンクェトッリ (アルプス山脈)
プロジェクト 山
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チンクェトッリ(イタリア語: Cinque Torri、5 Torriとも書く)はイタリアの山岳地帯ドロミーティ東部のヌヴォラーウ山群(イタリア語: Gruppo del Nuvolau)北東部にある岩山群である。アヴェラーウの一部としてアヴェラーウのチンクェトッリ(イタリア語: Cinque Torri di Averau)とも呼ばれる。カタカナではチンクエトッリ、チンクエトーリ、チンクェ・トッリ、チンクエ・トッリなどの表記のバリエーションがある。

構成[編集]

チンクェトッリ概略図

チンクェトッリはイタリア語で5つの塔という意味である。最も高いトッレ・グランデ(イタリア語: Torre Grande)の標高は2,361m。他の岩山はトッレ・セコンダ(イタリア語: Torre Seconda)、テルツァ・トッレ(イタリア語: Terza Torre)、クワルタ・トッレ(イタリア語: Quarta Torre)、クゥインタ・トッレ(イタリア語: Quinta Torre)のように第2から第5の塔という名称を持つ。それぞれの岩山は、固有の呼び方のある複数の頂上を持つ。

  1. トッレ・グランデ(Torre Grande、大きい塔という意味):北側のシーマ・ノルド(Cima Nord), 南側のシーマ・スッド(Cima Sud)、西側のシーマ・オーベスト(Cima Ovest)の3つの頂上を持つ。
  2. トッレ・セコンダ(Torre Seconda、第2の塔):東側からトッレ・ルージ(Torre Lusy)、トッレ・デル・バランチオ(Torre del Barancio)、トッレ・ロマーナ(Torre Romana)の3つの頂上がある。
  3. テルツァ・トッレ(Terza Torre、第3の塔):トッレ・ラティーナ(Torre Latina)とも呼ばれる。
  4. クワルタ・トッレ(Quarta Torre、第4の塔):背の高いトッレ・クワルタ・アルタ(Torre Quarta Alta)、その北東にある背の低いトッレ・クワルタ・バッサ(Torre Quarta Bassa)を持つ。南の頂上をトッレ・ディ・メッツォ(Torre di Mezzo)と呼ぶ。
  5. クゥインタ・トッレ(Quinta Torre、第5の塔):西側の頂上はトッレ・イングレーゼ(Torre Inglese)と呼ばれる。

歴史[編集]

この地域は第一次世界大戦中にイタリア王国とオーストリア=ハンガリー帝国の戦場となった。チンクェトッリはコルティーナ・ダンペッツォ(イタリア語: Cortina d'Ampezzo)、ファルツァーレゴ峠(イタリア語: Passo di Falzarego)間の要衝として、1915年6月にイタリア軍が陣地を構えた。岩山には銃眼、周囲に塹壕が掘られ、艦載用の30cm砲も設置された[1]

周辺[編集]

チンクェトッリ(Cinque Torri)アヴェラーウ(Averau)ヌヴォラーウ(Nuvolau)グセラ(La Gusela)スコアットリ小屋(Rifugio Scoiattoli)
ヌヴォラーウ山群(Gruppo del Nuvolau)

チンクェトッリが属するヌヴォラーウ山群(Gruppo del Nuvolau)は、北西のファルツァーレゴ峠(Passo Falzarego)、南東にジアウ峠(Passo Giau)で挟まれた領域にあるドロミーティの山群である。写真の左下にチンクェトッリ(Cinque Torri、2,361m)がある。右はアヴェラーウ(Averau、2,647m)、奥中央の建物のあるところがヌヴォラーウ(Nuvolau、2,575m)、奥左側はグセラ(Gusela、2,595m)である。

脚注[編集]

出典[編集]

関連項目[編集]