セリオン (セレマ)
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セリオン(Therion)は、ギリシア語で獣を意味する θηρίον (テーリオン)の英字転写であり、アレイスター・クロウリーが創始したセレマの体系における神格である。
神名としてのセリオン
[編集]セリオンは奔放な自然の力や、人間の内なる野性の力を象徴するセレマの神格であり、自然の力の源である太陽に関連付けられる[1]。セレマの根本的な典拠である『法の書』にはセリオンの名は見えないが、「獣」として言及されている。トート・タロットの「欲望」(Lust)のカードではババロンが乗る光輝く多頭の獣として描かれている。(「欲望」のカードは獅子宮に対応し、その支配星は太陽である。)
セレマ的魔術体系では、セリオンは太陽が昇る方角である東[2]に配当され、地の元素に対応する。セレマ的五芒星追儺儀式である「スター・ルビー」では、東に向かって「セリオン」という「力の言葉」を発する。
マスター・セリオン
[編集]アレイスター・クロウリー自身、しばしば「大いなる獣666」(the Great Beast 666)を自称し、A∴A∴文書の中ではマスター・セリオン(Master Therion)と名乗っていた。
ゲマトリア
[編集]以下に示されるように、ゲマトリア的にはセリオンの数価は666であり、また、666は太陽と救世主に関連付けられる数でもある。
- セリオン(Therion)を以下のようにヘブライ文字に転写すると、
- Tav, Resh, Yod, Vav, Nun : 400+200+10+6+50 = 666
- 300+70+40+5+3+1+9+8+100+10+70+50 = 666
- 太陽の惑星霊ソラト(Sorath)
- Samech, Vav, Resh, Tav : 60+6+200+400 = 666
- 太陽の魔方陣の神秘数
- 1+2+…+35+36 = 666
- イエスの御名(Shem Yehoshuah)
- Shin, Mem, Yod, He, Shin, Vav, He : 300+40+10+5+300+6+5 = 666
脚注
[編集]- ^ Orpheus, Rodney. ABRAHADABRA - Understanding Aleister Crowley's Thelemic Magick. Weiser Books, 2005.
- ^ セレマ的東は、セレマの流れが発した聖地である、スコットランドのネス湖近辺のボレスキン館の方角でもある。
参考文献
[編集]- Orpheus, Rodney. ABRAHADABRA - Understanding Aleister Crowley's Thelemic Magick. Weiser Books, 2005.
- DuQuette, Lon Milo. The Magick of Aleister Crowley - A Handbook of Rituals of Thelema. Weiser Books, 2003.
- Godwin, David. Godwin's Cabalistic Encyclopedia. Llewellyn Publications, 1994.
- Crowley, Aleister. Sepher Sephiroth
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- ヌイトの天球の儀式 at the Wayback Machine (archived 2008-10-12)