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クロボウズギス科

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クロボウズギス科
オニボウズギス Chiasmodon niger
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : 棘鰭上目 Acanthopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ワニギス亜目 Trachinoidei
: クロボウズギス科 Chiasmodontidae
英名
Swallowers
下位分類
本文参照

クロボウズギス科学名Chiasmodontidae)は、スズキ目ワニギス亜目に所属する魚類の分類群の一つ。オニボウズギスクロボウズギスなど、中層遊泳性の深海魚を中心に4属15種が所属する[1]。科名の由来は、ギリシア語の「chiasma(交叉)」と「odous()」から[2]

分布

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クロボウズギス科の魚類はすべて海水魚で、大陸から遠く距離を置いた外洋の深海に幅広く分布する。海底から離れた中層を遊泳して生活する種類が多く、主に中深層から漸深層(水深200-3,000m)にかけて報告されている。

形態

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クロボウズギス科の魚類は一般にやや細長く、体長は20cm前後の種類が多い。口腔からにかけて、消化管の伸縮性は著しく高い。このため、自らの大きさをはるかに上回る獲物を捕食し、飲み込むことが可能となっている。同様の特徴はフウセンウナギ科フウセンウナギ目)・ミズウオ科ヒメ目)および多くのチョウチンアンコウ類(アンコウ目)にも認められる[3]

クロボウズギス属の仲間は、発光器による生物発光を行う。発光器を口の中にもつ種類もあり、獲物の誘引に使用されている可能性がある[4]

背鰭は2つあり、7-8本の棘条からなる前半部と18-29本の軟条部に分かれる。臀鰭は1棘17-29軟条。前上顎骨・主上顎骨は細長く、後方で硬く結合する[1]。前上顎骨の先端は背側に拡張するとともに側方に分岐する[1]椎骨の数は33-48個。

分類

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クロボウズギス科にはNelson(2006)の体系において4属15種が認められている一方で[1]、分類の見直しや新種の報告も相次いでいる。本稿では、FishBase[2]に記載される32種についてリストする。

本科はかつてスズキ亜目に含められたこともあるが[5]、現在ではワニギス亜目に位置付けられるのが一般的となっている。

  • オニボウズギス属 Chiasmodon
    • オニボウズギス Chiasmodon niger
    • ザラボウズギス[6] Chiasmodon lavenbergi
    • Chiasmodon bolangeri
    • オクバオニボウズギス Chiasmodon braueri
    • Chiasmodon subniger
クロボウズギス属の1種(Pseudoscopelus scriptus)。太平洋・大西洋から報告のある種で、体長は最大で15cmほどになる
  • クロボウズギス属 Pseudoscopelus
    • ウロコクロボウズギス Pseudoscopelus scutatus
    • クロボウズギス Pseudoscopelus sagamianus
    • Pseudoscopelus albeolus
    • Pseudoscopelus altipinnis
    • Pseudoscopelus aphos
    • Pseudoscopelus astronesthidens
    • Pseudoscopelus australis
    • Pseudoscopelus bothrorrhinos
    • Pseudoscopelus cephalus
    • Pseudoscopelus lavenbergi
    • Pseudoscopelus microps
    • トウマルクロボウズギス Pseudoscopelus obtusifrons
    • シタバクロボウズギス Pseudoscopelus odontoglossum
    • Pseudoscopelus parini
    • Pseudoscopelus pierbartus
    • Pseudoscopelus scriptus
    • Pseudoscopelus stellatus
    • Pseudoscopelus vityazi
  • トゲボウズギス属 Dysalotus
    • トゲボウズギス Dysalotus alcocki
    • カクシトゲボウズギス Dysalotus oligoscolus
  • ワニグチボウズギス属 Kali
    • ワニグチボウズギス Kali indica
    • Kali caribbaea
    • ジャグチボウズギス Kali colubrina
    • Kali falx
    • Kali macrodon
    • コワモテワニグチボウズギス Kali macrura
    • Kali normani
    • Kali parri

出典・脚注

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  1. ^ a b c d 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.403-404
  2. ^ a b Chiasmodontidae”. FishBase. 2010年2月14日閲覧。
  3. ^ 『Deep-Sea Fishes』 p.152
  4. ^ 『深海の生物学』 p.306
  5. ^ Gosline WA (1971). Functional morphology and classification of teleostean fishes. Honolulu: University Press of Hawaii 
  6. ^ 日本産魚類の追加種リスト”. 日本魚類学会. 2010年2月14日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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