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カービスベイ・ホテル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カービスベイ・ホテル
Carbis Bay Hotel
海浜から見たホテル
海浜から見たホテル
ホテル概要
設計 シルバヌス・トレベイル英語版
所有者 ステファン・バーカー
部屋数 47室
開業 1894年
所在地 イングランドの旗 イングランドコーンウォール州セント・アイヴス行政教区カービスベイ村
位置 北緯50度11分53秒 西経5度28分0秒 / 北緯50.19806度 西経5.46667度 / 50.19806; -5.46667座標: 北緯50度11分53秒 西経5度28分0秒 / 北緯50.19806度 西経5.46667度 / 50.19806; -5.46667
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カービスベイ・ホテル(Carbis Bay Hotel)は、イギリスイングランドコーンウォール州セント・アイヴス近郊にあるホテル[1]砂浜を見下ろすように建ち、カービスベイで最も目立つ建築物である[2]

歴史

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1894年シルバヌス・トレベイル英語版という、19世紀のコーンウォールで最も特筆すべき建築家によって建てられた[3]2003年よりモンク一族からステファン・バーカー(Stephen Baker)一家の所有に変わった[3][4]小説家ヴァージニア・ウルフ1914年の春に3週間ほど、精神的な病気の療養を兼ねて宿泊した[5][6]。後にウルフは、カービスベイの近くにあるゴッドレビー灯台英語版を舞台にした小説『灯台へ』を1927年に発表した。映画監督デヴィッド・リーンも1度宿泊した[6]

作家のロザムンド・ピルチャー英語版は、このホテルを舞台として『シェルシーカーズ英語版』(1988年)と『冬至』(Winter Solstice 、2000年)の2篇の小説を執筆した(作中では「サンズ・ホテル」〔The Sands Hotel〕としている)[7]

建築

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ホテルは3階建てで、伝統的なクリーム色をしており、2つの大きなベイを持つ。煙突が6基あり、2基は両側のベイに、2基は中間にある。数度の拡張工事が行われ、2015年に砂浜を見下ろす、正面の大きなサンルームを改修した[8]

サミット

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サミット開催を控えた開発(2021年3月)

2021年1月に、同年6月の第47回先進国首脳会議(G7)をカービスベイで開催することが発表された[9]。議長を務めるボリス・ジョンソンの曽祖父がカービスベイに暮らしていたという、ジョンソンのゆかりの地であることから、会場に選ばれた[10]。3月には、サミットに向けた開発を行っていたホテルに建築許可違反の疑いがあるとして地元の計画機関が調査を開始した。ホテル側は何らの規制に違反していないと疑惑を否定した[11][12][13]。この工事期間中にホテルを利用した客の評価は二分され、サミットに向けた準備が賑いを与えていると高評価を付けた人もいれば、スパの閉鎖や工事の騒音に苦言を呈する人もいた[14]

サミット開催によるコーンウォールの経済効果は、5000万ポンド(≒77億円)と計算されている[15]。なお、ホテルはサミットの会議場としてのみ利用され、首脳陣はトレゲンナ城英語版に宿泊した[14]

脚注

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  1. ^ The Garden. Royal Horticultural Society.. (2003). p. 230. https://books.google.com/books?id=AF9MAAAAYAAJ 
  2. ^ Dillon, Paddy (September 2003). The South West Coast Path. Cicerone Press Limited. p. 112. ISBN 978-1-85284-379-3 
  3. ^ a b Long, Peter (January 2003). The Hidden Places of Cornwall. Travel Publishing Ltd. p. 168. ISBN 978-1-902007-86-1 
  4. ^ McMinnies, William Gordon (1988). Signpost. Signpost Ltd.. p. 44. ISBN 978-0-901249-18-0. https://books.google.com/books?id=3U4qAQAAIAAJ 
  5. ^ Hill-Miller, Katherine (2001). From the Lighthouse to Monk's House: a guide to Virginia Woolf's literary landscapes. Duckworth. ISBN 978-0-7156-2995-6. https://books.google.com/books?id=6oFbAAAAMAAJ 
  6. ^ a b Brownlow, Kevin (1996). David Lean: a biography. Richard Cohen. https://books.google.com/books?id=hn1ZAAAAMAAJ 
  7. ^ About Us”. Carbis Bay Hotel. 23 November 2010時点のオリジナルよりアーカイブ。26 March 2011閲覧。
  8. ^ “Carbis Bay all set for busy season”. Business Cornwall. (8 July 2015). https://businesscornwall.co.uk/news-by-industry/tourism-sector-business-news-cornwall/2015/07/carbis-bay-all-set-for-busy-season/ 5 June 2021閲覧。 
  9. ^ “World leaders to meet in Cornwall for G7 Summit” (英語). ITV News. (18 January 2021). https://www.itv.com/news/westcountry/2021-01-16/cornwall-to-host-g7-summit-this-summer 18 March 2021閲覧。 
  10. ^ 国末憲人 (2021年6月10日). “G7会場は英首相のゆかりの地 曽祖父が住んだ海辺の村”. 朝日新聞. 2021年12月5日閲覧。
  11. ^ “G7 Cornwall: Carbis Bay Hotel under planning investigation”. BBC News. (10 March 2021). https://www.bbc.co.uk/news/uk-england-cornwall-56354217 18 March 2021閲覧。 
  12. ^ “Anger at Carbis Bay G7 summit hotel's tree clearance” (英語). ITV News. (15 March 2021). https://www.itv.com/news/westcountry/2021-03-15/carbis-bay-g7-summit-hotels-tree-clearance-criticised-by-residents 18 March 2021閲覧。 
  13. ^ Frost, Rosie (11 March 2021). “Eco-hotel hosting G7 summit criticised for clearing ‘ancient trees'” (英語). living. https://www.euronews.com/living/2021/03/11/eco-hotel-hosting-g7-summit-criticised-for-cutting-down-ancient-trees 18 March 2021閲覧。 
  14. ^ a b Mia Jankowicz(Toshihiko Inoue訳) (2021年6月11日). “G7サミットが行われるホテルの評価は今ひとつ…会議室の建築で苦情も”. ビジネスインサイダー. 2021年12月9日閲覧。
  15. ^ 藤沢有哉 (2021年6月12日). “G7の舞台、脱炭素の象徴”. 中日新聞. 2021年12月5日閲覧。

外部リンク

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