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ウグイ属

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ウグイ属
ウグイ Pseudaspius hakonensis
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: コイ目 Cypriniformes
: コイ科/ウグイ科 Cyprinidae/Leuciscidae
亜科 : ウグイ亜科 Leuciscinae/Pseudaspininae
: ウグイ属 Pseudaspius
学名
Pseudaspius Dybowski1869[1]
タイプ種
Cyprinus leptocephalus Pallas1776[1]
シノニム[1]

Tribolodon Sauvage1883

和名
ウグイ属[2]

ウグイ属(ウグイぞく、学名:Pseudaspius)は、コイ目コイ科(ウグイ科とする説もあり)に分類されるサハリン、ロシア沿海地方朝鮮半島東岸部、日本に生息する。

分類

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模式種はPseudaspius leptocephalus[1]。そのほかに日本産として4種(2亜種)が含まれ、日本産の種はTribolodon属として長らく分類されていた[1][2][3]。ジュウサンウグイ・マルタウグイ・ウグイは降河回遊を行うが、他2種は行わない。

系統

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Tribolodon属に最も近縁な種は、シベリアから中国の淡水域に分布するPseudaspius属のマンシュウウオ[5] Pseudaspius leptocephalus とされていた。この種と旧Tribolodon属の間には、咽頭歯などの形態的共通点が多く、2020年に同属とする説が提唱された[1]。旧Tribolodon属内ではウグイの分岐が最も早く、他の3種は相互に近縁であるとする結果もあるが[6]、その他の解析では異なる結果も得られている[1]

分子時計によると、本属が他のコイ科魚類から分岐したのは鮮新世前期であると考えられる。これは日本海が形成された時期に当たり、日本海の海水化に伴って、海水への耐性が獲得されていったと推測される。

ウグイ科Leuciscidae(=コイ科ウグイ亜科Leuciscinae)のうちOreoleuciscus属やアブラハヤ属Rhynchocyprisと単系統群を形成するとされ、これらの属とともにPseudaspininae亜科を構成する説もある[1]


脚注

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  1. ^ a b c d e f g h Harumi Sakai, Katsutoshi Watanabe & Akira Goto, “A revised generic taxonomy for Far East Asian minnow Rhynchocypris and dace Pseudaspius,” Ichthyological Research, Volume 67, No. 2, Ichthyological Society of Japan, 2020, Pages 330–334.
  2. ^ a b 本村浩之『日本産魚類全種目録 これまでに記録された日本産魚類全種の現在の標準和名と学名』鹿児島大学総合研究博物館、2020年、27-28頁。
  3. ^ Froese, Rainer, and Daniel Pauly, eds. (2011). Species of Tribolodon in FishBase. October 2011 version.
  4. ^ a b c d e f 藤田朝彦「ウグイ」ほか、細谷和海 編・監修『山溪ハンディ図鑑 15 増補改訂 日本の淡水魚』山と溪谷社、2015年、112-119頁。
  5. ^ 満鉄調査部 編『原色満州有用淡水魚類図説』南満州鉄道、1939年、14‐15頁https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1137610/26 
  6. ^ Sasaki T, Kartavtsev YP, Chiba SN, Uematsu T, Sviridov VV, Hanzawa N (2007). “Genetic divergence and phylogenetic independence of Far Eastern species in subfamily Leuciscinae (Pisces: Cyprinidae) inferred from mitochondrial DNA analyses”. Genes Genet. Syst. 82 (4): 329-340. doi:10.1266/ggs.82.329. 

外部リンク

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