アメリカの鱒釣り
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アメリカの鱒釣り Trout Fishing in America | |
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作者 | リチャード・ブローティガン |
国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
ジャンル | 短編小説集 |
刊本情報 | |
出版元 | フォー・シーズンズ・ファウンデーション |
出版年月日 | 1967年10月12日 |
日本語訳 | |
訳者 | 藤本和子 |
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『アメリカの鱒釣り』(アメリカのますづり、原題:Trout Fishing in America)は、アメリカの作家リチャード・ブローティガンの短編小説集。
1967年10月12日、フォー・シーズンズ・ファウンデーションから刊行された。本書に収められた作品の多くは1961年、62年頃に書かれた[1]。表紙の写真はブローティガン自身と友人の Michaela Le Grand。サンフランシスコのワシントン広場のベンジャミン・フランクリンの銅像の前で撮られている。
2003年、アリオン・プレスから豪華版が出版された[2]。本書はブローティガンの代表作であり、翻訳をあわせ、これまでに全世界で400万部以上売れている。
日本語版
[編集]『アメリカの鱒釣り』
- 晶文社 / 1975年1月20日 / 藤本和子訳 / 平野甲賀・装丁 / ISBN 4-7949-2285-X
- 新潮文庫 / 2005年8月1日 / 藤本和子訳 / 平野甲賀・装丁 / ISBN 978-4-10-214702-3
新潮文庫版の解説で、柴田元幸は次のように述べている。
「『アメリカの鱒釣り』邦訳刊行は、(中略) 翻訳史ということで考えるなら、僕一人の問題ではなく、翻訳史上の革命的事件だったと言ってよいと思う。この後に登場するアメリカ文学の名翻訳者村上春樹の翻訳にしても――そして個々の言葉や比喩の使い方といった次元で考えれば、作家村上春樹の作品でさえ――『アメリカの鱒釣り』をはじめとする藤本和子の訳業抜きでは考えられない」[3]
内容
[編集]タイトル | 原題 |
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『アメリカの鱒釣り』の表紙 | The Cover for Trout Fishing in America |
木を叩いて その1 | Knock on Wood (Part One) |
木を叩いて その2 | Knock on Wood (Part Two) |
赤い唇 | Red Lip |
クールエイド中毒者 | The Kool-Aid Wino |
胡桃ケチャップのいっぷう変ったつくりかた | Another Method of Making Walnut Catsup |
グライダー・クリーク プロローグ | Prologue to Grider Creek |
グライダー・クリーク | Grider Creek |
<アメリカの鱒釣り>のためのバレエ | The Ballet for Trout Fishing in America |
アル中たちのウォルデン池 | A Walden Pond for Winos |
トム・マーティン・クリーク | Tom Martin Creek |
墓場の鱒釣り | Trout Fishing on the Bevel |
Sea, Sea Rider | Sea, Sea Rider |
ヘイマン・クリークに鱒がのぼってきた最後の年のこと | The Last Year the Trout Came up Hayman Creek |
ポルトワインによる鱒死 | Trout Death by Port Wine |
<アメリカの鱒釣り>検屍解剖報告 | The Autopsy of Trout Fishing in America |
メッセージ | The Message |
アメリカの鱒釣りテロリスト | Trout Fishing in America Terrorists |
FBIと<アメリカの鱒釣り> | Trout Fishing in America with the FBI |
ワースウィック温泉 | Worsewick |
ネルソン・オルグレン宛<アメリカの鱒釣りちんちくりん>を送ること | The Shipping of Trout Fishing in America Shorty to Nelson Algren |
二十世紀の市長 | The Mayor of the Twentieth Century |
パラダイス | On Paradise |
カリガリ博士の実験室 | The Cabinet of Dr. Caligari |
ソルト・クリークのコヨーテ | The Salt Creek Coyotes |
せむし鱒 | The Hunchback Trout |
テディ・ルーズヴェルト悪ふざけ | The Teddy Roosevelt Chingader' |
「ネルソン・オルグレン宛<アメリカの鱒釣りちんちくりん>を送ること」に補足して | Footnote Chapter to "The Shipping of Trout Fishing in America Shorty to Nelson Algren" |
スタンレー盆地ではプディングで勝負 | The Pudding Master fo Stanley Basin |
<アメリカの鱒釣りホテル>二〇八号室 | Room 208, Hotel Trout Fishing in America |
外科医 | The Surgeon |
目下アメリカ全土で大流行のキャンプ熱について一言 | A Note on the Camping Craze that is Currently Sweeping America |
本書の表紙への帰還 | A Return to the Cover of This Book |
ジョセファス湖の日々 | The Lake Josephus Days |
永劫通りの鱒釣り | Trout Fishing on the Street of Eternity |
タオル | The Towel |
砂場からジョン・ディリンジャーを引くとなにが残る? | Sandbox Minus John Dillinger Equals What? |
<アメリカの鱒釣り>と最後に会ったときのこと | The Last Ime I Saw Trout Fishing in America |
カリフォルニアの未開地で | In the California Bush |
<アメリカの鱒釣りちんちくりん>に関する最終記述 | The Last Mention of Trout Fishing in America Shorty |
アメリカの鱒釣り平和行進に関する証言 | Witness for Trout Fishing in America Peace |
<赤い唇>への脚注章 | Footnote Chater to "Red Lip" |
クリーヴランド建造物取壊し会社 | The Cleveland Wrecking Yard |
レオナルド・ダ・ヴィンチ讃歌うたう日曜日の半日 | A Half-Sunday Homage to a Whole Leonardo da Vinci |
アメリカの鱒釣りペン先 | Trout Fishing in America Nib |
マヨネーズの章へのプレリュード | Prelude to the Mayonnaise Chapter |
マヨネーズの章 | The Mayonnaise Chapter |
脚注
[編集]- ^ リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』新潮文庫、253頁。藤本和子「鯨が生んだ鱒――訳者あとがき」より。
- ^ Arion Press | "Trout Fishing in America"
- ^ リチャード・ブローティガン『アメリカの鱒釣り』新潮文庫、266-267頁。柴田元幸の解説「『アメリカの鱒釣り』革命」より。