アヌログナトゥス科
アヌログナトゥス科 Anurognathidae | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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シノマクロプスの生体想像復元図
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保全状況評価 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
絶滅(化石) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地質時代 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
中期ジュラ紀 - 前期白亜紀 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Anurognathidae Nopcsa, 1928 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アヌログナトゥス科 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
下位分類群 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アヌログナトゥス科(学名: Anurognathidae)は、ジュラ紀から白亜紀にかけてヨーロッパ・アジアに生息した、尾の短い小型の翼竜の科。北アメリカにも生息した可能性がある。本科に属する属は5属が知られている。具体的にはドイツの上部ジュラ系から産出したアヌログナトゥス、中国の中部ジュラ系から上部ジュラ系のジェホロプテルス[1]、中国の中部ジュラ系のデンドロリンコイデス[2]、カザフスタンの上部ジュラ系のバトラコグナトゥス、中国の下部白亜系のヴェスペロプテリルスがいる[3]。Bennett (2007) は、メサダクティルスのホロタイプ標本 BYU 2024 に指定された複合仙骨がアヌログナトゥス科に属することを提唱したが、この分類は他の研究者から疑問視されている[4][5]。メサダクティルスはアメリカ合衆国の上部ジュラ系のモリソン層から産出している。またモンゴルの中部ジュラ系の Bakhar Svita[6][7]、北朝鮮の下部白亜系[8]からも未同定のアヌログナトゥス科の化石が報告されている。
生態
[編集]アヌログナトゥス科はコウモリと同様の夜行性あるいは薄明薄暮性であったと考えられている。数多くのアヌログナトゥス科翼竜が大型の眼窩を持つ事実からは、彼らが低照度環境に適応していたという仮説が支持されている。アヌログナトゥス科の歯からは彼らが主に昆虫食者であったことが示唆されるが、バトラコグナトゥスやジェホロプテルスといった属はより大型の獲物を選択していた可能性があり、魚食性であったとする仮説が提唱されている[9]。少なくともヴェスペロプテリルスといったいくつかの属は樹上性であり、鉤爪は木の枝を握ることに適していた[3]。
羽毛
[編集]中国の内モンゴル自治区から産出した2個体のジュラ紀の小型翼竜の化石(2022年にカスコカウダ属として命名[10])を対象とした2018年の研究では、従来皮膚を被覆したと考えられていた同質の構造ではなく、様々な形状や構造のピクノファイバーが存在したことが判明した。これらの中には、恐竜や鳥類では知られていたものの翼竜では先行研究でほぼ例を見なかった、異なる4種類の羽毛と非常に類似した構造のほつれた末端があり、相同性が示唆される[11][12]。この研究を受けて発表された2020年の研究では、アヌログナトゥス科に見られたこれらの構造は、翼の強度や硬度を増すために用いられる一種の線維であるアクチノフィブリスが分解を受けた結果であると提唱された[13]。しかし、さらにこれを受けて、2018年の論文の著者らはジェホロプテルス[14]とソルデスにおいて飛膜、そして線維およびアクチノフィブリスが共に存在する事実を発表した[15]。また、2018年の研究においてアヌログナトゥス科に様々な形態の繊維構造が存在したことは、2020年の解釈に則れば異なる線維形態の形成を引き起こす分解過程を必要とする。この蓋然性を加味し、彼らは繊維状の原始的な羽毛としての解釈が最節約的であると結論した[16]。ただし、リリンダ・D・アルバは2個体のアヌログナトゥス科翼竜の表皮の記載について、肉眼による形態観察に準拠していることを指摘している。また彼女は、羽毛を持つものとして記載されたプテロリンクスについて複数の論文著者から反論があることも言及した。羽毛の相同性を検証する方法は走査型電子顕微鏡を用いる他に無い[17]。
分類
[編集]アヌログナトゥス科は1928年にフランツ・ノプシャがアヌログナトゥス亜科として命名され、同時にアヌログナトゥスがタイプ属に指定された。アヌログナトゥス科が科として命名されたのは1967年で、オスカー・クーンが命名した。
アヌログナトゥス科の系統関係は議論が続いている。アレクサンダー・ケルナーとデイヴィッド・アンウィンは、2003年に本科を節ベースの系統群として、アヌログナトゥスとバトラコグナトゥスの最近接共通祖先とその全ての子孫と定義した。Kellner (2003) といった解析では、アヌログナトゥス科は翼竜の系統樹の最も基盤的な位置に置かれている[18]。また、アンウィンも本科を非常に基盤的な位置に復元し、ディモルフォドン科とカンピログナトゥス科の間に置いた[18]。しかし、アヌログナトゥス科は癒合した短い尾をはじめ、派生的な翼指竜亜目と共通する形質が複数認められる。より多くの化石と分類群を含めた新しい系統解析では、翼指竜亜目の最基盤ではあるものの従来の見解よりも大いに派生的な位置に置かれている。ブライアン・アンドレスによる2010年の解析では、アヌログナトゥス科と翼指竜亜目は姉妹群であることが示されている。当時初期のアヌログナトゥス科が知られていなかったことと、また翼竜の最基盤になるためには6000万年を超えるゴースト・リネージが必要になることから、この結果は化石記録との整合性が高い[19]。以下は2018年のLongrich、Martill及びAndresの研究によるもの[20]。
Caelidracones |
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しかし、"Dimorphodon weintraubi"がアヌログナトゥス科の基盤的位置に再分類されたことにより、このグループのギャップは埋まり、アヌログナトゥス科は従来考えられていたよりも早く前期ジュラ紀に出現していた可能性が浮上している[21][22]。アヌログナトゥス科を翼竜類のどの位置に置くかにもよるが、"Dimorphodon weintraubi" の存在は翼竜の主要な系統群の進化の時期について重要な示唆を与える可能性があり、本標本のさらなる研究は今後の翼竜研究において重要である[22]。
2022年にはカスコカウダの記載に伴って系統解析が行われ、アヌログナトゥス科はBreviquartossaの姉妹群に置かれている[10]。
アヌログナトゥス科 |
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出典
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