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アエロティタン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アエロティタン
生息年代: マーストリヒチアン
~70 Ma
復元図
保全状況評価
絶滅(化石
地質時代
マーストリヒチアン
中生代後期白亜紀末期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜形下綱 Archosauromorpha
階級なし : 主竜類 Archosauria
階級なし : 鳥頸類 Ornithodira
: 翼竜目 Pterosauria
亜目 : 翼指竜亜目 Pterodactyloidea
上科 : アズダルコ上科 Azhdarchoidea
: アズダルコ科 Azhdarchidae
: アエロティタン属 Aerotitan
学名
Aerotitan
Novas et al., 2012
和名
アエロティタン
  • Aerotitan sudamericanus Novas et al., 2012 (模式種)

アエロティタン学名Aerotitan)は、アルゼンチンパタゴニア北部・Neuquén盆地Allen累層後期白亜紀マーストリヒト期)から知られる大型アズダルコ科翼竜の1[1]

発見と命名

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模式種 Aerotitan sudamericanus は2012年にフェルナンド・ノバス (Fernando Novas) 等によって記載・命名された。属名は、本種が空を飛ぶ大型動物だったことに因んだもので、古代ギリシャ語の ἀήρ, aer(風)と "Titan"(ティターン、巨人)の組み合わせで「風の巨人」を意味する。種小名はその出所が南アメリカ大陸であることから来ている[1]

ホロタイプ MPCN-PV 0054は、パタゴニアのバホ・デ・アリアガーダ (Bajo de Arriagada) 近くの上部Allen累層で発見された。元記載によるとこれは吻部の一部で、保存されていた部分の長さは264 mm である。この口先は縦に長く横に薄く、顎には歯が無かった。翼開長は少なくとも5 m はあったと推測されている[1]

2021年の研究では、この標本は上顎ではなく下顎であると断定された[2]

分類

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アエロティタンはアズダルコ科に属すると考えられ、もしこれが正しければ、南アメリカで発見された初めての確実なアズダルコ科である[1]。 Nicholas Longrich等によって2018年に発表された研究では、この属はタラッソドロメウス科に帰属させられアランカ(これもアズダルコ科とされる翼竜の一つ)の姉妹群とされたが、この分類はあまり支持を得ていない[3] 。彼らの分析によるクラドグラムを以下に示す:

Dsungaripteromorpha

Dsungaripteridae

Thalassodromidae

Tupuxuara longicristatus

Tupuxuara leonardii

Thalassodromeus sethi

Alanqa saharica

Aerotitan sudamericanus

一方で、Rodrigo Pêgas等による2021年の研究ではタラッソドロメウス類との相違点を指摘し、アズダルコ科に属するとの意見を支持した[2]

出典

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  1. ^ a b c d Novas, F. E.; Kundrát, M.; Agnolín, F. L.; Ezcurra, M. D.; Ahlberg, P. E.; Iasi, M. P.; Arriagada, A.; Chafrat, P. (2012). “A New Large Pterosaur from the Late Cretaceous of Patagonia”. Journal of Vertebrate Paleontology 32 (6): 1447–1452. doi:10.1080/02724634.2012.703979. JSTOR 23361061. https://www.researchgate.net/publication/233844251. 
  2. ^ a b Pêgas, R.V.; Holgado, B.; Ortiz David, L.D.; Baiano, M.A.; Costa, F.R. (August 21, 2021). “On the pterosaur Aerotitan sudamericanus (Neuquén Basin, Upper Cretaceous of Argentina), with comments on azhdarchoid phylogeny and jaw anatomy”. Cretaceous Research 129: Article 104998. doi:10.1016/j.cretres.2021.104998. ISSN 0195-6671. https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0195667121002469. 
  3. ^ Longrich, Nicholas R.; Martill, David M.; Andres, Brian (2018). “Late Maastrichtian pterosaurs from North Africa and mass extinction of Pterosauria at the Cretaceous-Paleogene boundary”. PLOS Biology 16 (3): e2001663. doi:10.1371/journal.pbio.2001663. PMC 5849296. PMID 29534059. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5849296/.