Zボーイズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

Zボーイズ(ゼット・ボーイズ、Z BOYS)とは、カルロス・サラテアルフォンソ・サモラの2人のメキシコプロボクサーのニックネーム。共に名伯楽アルトゥーロ・エルナンデス門下で ボクシングを学び、軽量級とは思えぬ高いKO率で絶大なる人気を博し、Zarate(サラテ)、Zamora(サモラ)の頭文字を取ってZボーイズと呼ばれた。同時期にバンタム級世界王座を獲得し、1970年代の黄金のバンタム級に一時代を築いた。

のちにサモラは、父のサモラ・シニアとエルナンデスとの間での金銭的トラブルからエルナンデス門下を離れることとなり、闘わざるライバルの2人の対戦が実現することとなる。

略歴[編集]

Zボーイズ対決[編集]

1977年4月23日、アメリカカリフォルニア州のイングルウッドフォーラムにて、WBA世界バンタム級王者サモラと、WBC世界バンタム級王者サラテが対戦。「The Battle of the Z Boys」と銘打たれたこの試合はWBAもWBCも特別な理由を告知することなく統一戦とは認めなかったためノンタイトル10回戦で行われた。サモラのここまでの戦績は29戦全KO勝利というパーフェクトレコード。対するサラテも45戦全勝44KOと遜色のないレコード。高いKO率を誇る無敗の同級世界王者同士のライバル対決に世界の注目が集まった。

試合開始から激しくパンチを交換し、1R、2Rと互角の打ち合いを展開していたが、パンチの的確さとディフェンスで上回るサラテが次第に試合を支配。3R終了間際にコンビネーションを浴びたサモラが最初のダウンを喫すると、立ち上がったところを連打に晒されダメージを追加される。ここは辛くもゴングに救われたが4R開始早々に再びダウンを奪われると試合は一方的な展開に。さらに連打を浴び3度目のダウンを喫したところでセコンドのサモラ・シニアがタオルを投入し、30戦目でWBA王者のパーフェクトレコードが破られた。