Wikipedia:秀逸な記事の選考/陪審制 20081113

陪審制[編集]

賛成/条件付賛成/保留/反対 4/0/0/0 この項目の選考は賛成のみ3票以上を満たしています。2009年1月31日 (土) 12:41 (UTC)(2009年1月31日 (土) 21:41 (JST))までに反対意見がなければ、この項目は秀逸な記事となります。

(ノート) 《推薦理由》自薦です。歴史と各国の陪審制についてかなり広く網羅できたのではないかと思います。出典については、日本語・英語文献のほか、判例や制定法にもできるだけ言及するようにしました。記述のバランスについては、現在最も多くの(90%とも)陪審審理が行われているアメリカを厚く、次いで陪審制発祥の地であるイギリスについて触れ、日本語版であることから日本の陪審制について関心を持つ読者も多いのではないかと考え、日本(戦後沖縄も)の陪審制についてもやや詳しく触れました。「秀逸な記事の目安」の各条件を一応満たすレベルではないかと考え、自薦させていただきます。--ゴーヤーズ 2008年11月13日 (木) 23:21 (UTC)[返信]

条件付賛成2008-11-25 01:31:13 (UTC)版に対しコメントします。タイムリーなテーマについて見通しがよく、分かりやすい記事となっており大変よい記事と思いました。

私自身は専門家でもなく、大学等で法学の専門教育を受けたわけでもないため、百科事典において必ず説明されるべきことが全て説明されているか否か完全に判断できるわけではありませんが、説明されるべき事柄が何であるか、明確な構想のもとに書かれた記事であることはよく分かりました。その意味で、論述の筋道がはっきりしていおり、私のように詳しくない読者にもその主題について理解できるための配慮につながっています。「統計」の節で、数字を可視化(グラフ化)している工夫も良いです。

制度の歴史的起源から今日における評価まで、陪審制をめぐるトピックが幅広くカバーされており、内容が充実していると言ってよいと思います。また、いずれのトピックでも出典・参考文献がきちんと挙げられており、特に「陪審制をめぐる議論」のような現在進行形のトピックに触れる場合でも同様である点は、高く評価できる点と考えます。また、陪審制をめぐる批判のような論争的でスキャンダラスなトピックでも、出典・参考文献による裏付けのある記述により中立的観点を維持できていると考えます。

陪審制は地域(法域、というべきでしょうか)によって歴史的展開や内情が異なるであろうことは想像に難くありませんが、どの法域でのことを記述しているのか常に明確にし、曖昧にしないよう配慮されています。また、「概説」冒頭で、記事内の各節での記述と対応付けながら、主題の全体像を簡潔に示している点は特に高く評価したい点です。これらの点から、完成度の上でも問題ないものと考えます。

「条件付」としたのは、以下のような疑問点/問題点があるためです。

チェック (1) 「概説」冒頭部および「一般的な陪審審理の手続」での陪審制の構成および手続きについて記述したくだりについて。概説なのですから、一般論なのは当然ですが、陪審制が営まれている主要な法域であるイギリスでもアメリカでも、“この記述の水準であれば共通である”という理解でよろしいのでしょうか。

チェック (2) 「陪審制に対する批判」の節。興味深く読んだところですが、主としてアメリカでの事情を記したものと理解しました。そこで「イギリスではどうなのだろうか?」という疑問を抱いたのですが、いかがでしょうか。

チェック (3) 「統計」の節。この節のみ、「(陪審)トライアル」とカタカナのままになっているのは何故でしょうか。「(陪審)裁判」等ではだめなのだろうか、と思ったのですが。

チェック (4) 「日本の陪審制」の節。別記事(陪審法)との連携・分担ということなのかも知れませんが、もっと出典を示してもよいかも知れません(連携・分担ということであれば、必ずしも改善必須とはしません)。

チェック (5) 出典の示し方。「著者名(刊行年)ページ数」(hoge(2008)123頁)という書式ですが、「著者名(刊行年: ページ数)」(hoge(2008: 123))という書式のほうが見易いように思います。ただし、専門分野で定着した仕方である、ということであれば構いません。

チェック (6) 脚注。注9のU.S.Courts、注14のABA、注163の佐藤(2001)のように、繰り返し参照し・かつ・略号で示すような文献について、略号が何に対応するのかが脚注の中でしか分からないのに、脚注の全体が見えないようになっているのは問題と考えます。そうした文献は参考文献一覧に必ず記載してください。また、「前掲」「後掲」も廃するようつとめていただきたく思います。

チェック (7) 脚注。全体が一覧できず、スクロール方式(?)になっているのは感心しません。特に、(6)で指摘したような点があることを考えると非常によくない。どうしても現在の方式を採るのであれば、(6)のような・全体が一覧できないことによるデメリットが生じない/極力少なくなるようにしてください。

以上7点指摘いたします。最後の(7)については多分に個人的な嗜好による部分がありますので、(6)のようなデメリットさえ生じないのであれば、維持しても構いません。よろしくお願いいたします。--ikedat76 2008年12月2日 (火) 15:33 (UTC)賛成票に投票内容を変更--ikedat76 2008年12月7日 (日) 01:52 (UTC)[返信]

(執筆者コメント)ご指摘ありがとうございました。順不同ですが、まず脚注関係。(6)はそのとおりと思いましたので改善しました。なお、これに伴い、全参考文献を五十音順・アルファベット順に並び替えたのは、複数の地域をまたがる文献が多く、「アメリカの陪審制について」の文献といった枠で区切ると、この欄の掲載文献数が増えた時に逆に一覧性がなくなると思ったからです(ご意見あれば再度検討します)。(7)禁断の地エウレカさんの好みによるところかと思いますが、私にはこだわりはありません。(4)は改善できたはずです。(5)について、いつでもご指摘の形式に変更する用意はあるのですが、Wikipedia内の文書(Wikipedia:出典を明記するなど)を参照しても、こういった場合の引用の仕方についての指針が見当たりませんでした(本当は人文科学系、自然科学系など分野ごとのサイテーションルールをWikipedia文書で確立した方がよいのかもしれませんね)。なお法学の分野(日本の文献)ではサイテーションのルールが未熟なようで、はっきりしたルールは確立していないと思います。いったん全部の脚注を変更してしまうと再度変更するのが面倒なので、ほかの方のご意見も待ってからikedat76さんご指摘の引用方法で異論なければそちらに改めたいと思います。
内容面。(1)については、そのとおりです。その旨を明言した方がいいかと思いますが、イギリスについて文献的裏付けを若干したいと思いますのでお待ちください。(2)について、余り文献の心当たりがなく苦しいのですが、これもできる範囲で補強したいと思います。
(3)について、「裁判」は訴訟が始まってから(起訴されてから/原告から訴えが提起されてから)の全手続経過をいい、トライアル前手続とトライアルの双方を含みますので、「裁判」の件数と言ってしまうと、トライアル前に和解や有罪答弁、取下げ等で解決した事件数を含んでしまい、特に統計的文脈では不正確になってしまうと思います。トライアルは、日本の法律用語では公判が一番近いのですが、日本法の「公判」は刑事事件にしか使いませんので誤解を生じやすい訳語です。「事実審理」は、内容的には一番正確な気がするのですが、言葉としてやや熟していないというか、「トライアル」という、形式のかっちり決まった手続を指すにはやや漠然としている憾みがあります。他の部分ではできるだけ「陪審審理」という語を使っているつもりですが、陪審審理(ジュリー・トライアル)と裁判官によるトライアル(ベンチ・トライアル)の双方を併せた「トライアル」の件数、というのを正確に言い表す語が他に見当たらず、この項では「トライアル」という語を多用している次第です。英米法の教科書では「トライアル」、「陪審トライアル」といった語は頻出しますので、そこまで変な言葉ではないだろうという考えです(本当はトライアル (裁判)という項目を新規執筆したいのですが、進捗していません)。いかがでしょうか。--ゴーヤーズ 2008年12月4日 (木) 03:54 (UTC)[返信]
(6)に対応していただいたことを確認しました。(7)については特にこだわらないとのことでしたので、私のほうで解除しました。(5)については、他に異論がなければで構いませんし、異論があるようであれば強くは主張しません。
確認ですが、(4)についてはどのように対応をされるお考えでしょうか。ちょっとよく分かりませんでした。
(3)については、新記事を作成されるとのことでぜひお願いします。詳細は別記事(トライアル (裁判))を参照とするとして、脚注で簡単に記述しておくとよいのではないでしょうか。(1)(2)については引き続き対応をお願いします。--ikedat76 2008年12月5日 (金) 04:47 (UTC)[返信]
(1)及び(2)につき、イギリス関係を加筆しました。(3)につき、トライアル (裁判)を新規執筆するとともに、初出時に脚注を付しました。また統計以外の箇所で「審理」に言い換え可能なところは適宜言い換えました。(4)について、最初のご指摘の趣旨を私が誤解しているかもしれません。日本の陪審制の項で脚注がなかったところに脚注を補ったつもりでしたが(ただし陪審法の条文を括弧書きで示しているところは脚注を付していません)、なお出典を補充すべきとすれば、どのような点についてか、ご教示いただけないでしょうか。--ゴーヤーズ 2008年12月7日 (日) 00:07 (UTC)[返信]
2008-12-07 00:09:14 (UTC)(選考開始時からの差分を基準とします。
(1)~(4)とも対応いただいたことを確認いたしました。御礼申し上げます。前回(4)を未対応としましたが、私の確認不十分によるもので、失礼しました。指摘点が全て対応済みであることを確認いたしましたので、賛成票に切り替えます。お疲れ様でした。--ikedat76 2008年12月7日 (日) 01:52 (UTC)基準版を追記。--ikedat76 2008年12月7日 (日) 05:20 (UTC)[返信]

(賛成)イギリス、アメリカ合衆国、日本を中心に主要各国まで眼が行き届いた充実した記事だと思います。カナダ、オーストラリア、ニュージーランドといったかつてのイギリス領であった地域に関しても言及がなされており、冗長でもないところが好感をもてました。仮に、カナダやオーストラリアを組み込むのであれば、別記事にしたほうがいいかもしれませんね。--Tantal 2008年12月7日 (日) 03:48 (UTC)[返信]

(賛成)米英を中心に陪審制成立の歴史的背景から現在の統計情報、陪審制の問題点に至るまで丹念に追っておられます。賛成票を投じます。--Wushi 2009年1月24日 (土) 12:41 (UTC)[返信]

(賛成)陪審制がもっとも盛んに利用されている米国の記述を中心に置き、いわば陪審制のルーツである英国をもうひとつの核として、現在の制度を説明するとともに歴史と問題点についても充実した記述のある素晴らしい記事だと考えます。また、日本については、裁判員制度に触れながら歴史を中心にした記述であり、質量ともに適切なものです。また、参考文献・出典についても過不足なく適切なものを選んで丁寧に押さえておられるという印象を受けました。特に、「陪審制をめぐる議論」のところについては、この分野に造詣の深い方であればあるほど自らのPOVを記述する誘惑に駆られるのではないかと思いますが、出典に基づく淡々とした記述に止められている点に感服しました。さらに、用語の邦訳についても細かい配慮がなされていると感じました。

また、米国についてですが、現行の制度の解説については、連邦規則に基づく記述を中心にされております。このときに、必ず「連邦裁判所では」という断り書きをつけた上で、各州については「州によって異なる」ことを明記されています。米国の司法制度を紹介する日本の記事(学者・実務家によるものを問わず)には、調べやすい連邦規則に基づく説明をあたかも米国全てに通じるように書いているものが多いのですが、この点についても、大袈裟な言い方をすれば主執筆者の方の良心が感じられました。なお、この点、州の制度を詳しく論ずる必要は全く感じませんが、州の制度には用語の面を含め歴史の「尻尾」を残している部分が多くあり、今後の記事の発展という意味でひとつのポイントになるかも知れません。

以上、既に必要な賛成票は投じられておりますが、私からも賛成させていただくとともに、ゴーヤーズさんに敬意を表します。--Gewurz55 2009年1月26日 (月) 16:12 (UTC)[返信]


秀逸に必要な票のみ、4票投じられ、反対票がないため、通過とします。--Tantal 2009年1月31日 (土) 12:45 (UTC)[返信]