Wikipedia:査読依頼/人文地理学の歴史 20231007

人文地理学の歴史 - ノート[編集]

2023年9月25日に良質な記事となった項目です。秀逸な記事への選定にむけ、現行の記事の問題点を洗い出したく思い、査読を依頼いたします。 --Nux-vomica 1007会話2023年10月7日 (土) 10:45 (UTC)[返信]

【査読】 ──専門家の方による審査結果。
【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価。
  • まず、記事全体としてはウィキペディア日本語版の人文地理学関係記事群の中でも一二を争う良質なものかと思います。ただ、将来的にFA選考を目指しているとのことですので、相当厳しめのコメントも入れています。指摘事項への対応が完了すれば、将来的にFA選考も通りやすくなるように思います。
  1. #人文地理学成立以前の地理学 - この記事ではなく地理学の歴史に転記するべきと考えます。記事にもある通り「人文地理学」の概念自体が成立したのは近代になってからで、それまでは人文地理学と自然地理学が分化していなかったかと思います。記事に書かれている内容も、『自然地理学事典』pp.2-5や『地理学事典』pp.2, 8-10などで記載されている内容と関連したり(特に探検関係で)、人文地理学に限った話ではないとは思います。人文地理学的な営為の存在について軽く記載したうえで、残りは地理学の歴史に転記・一部修正し、地理学の歴史の記事内容の品質向上も同時に行うのはいかがでしょうか。この記事で特に重要なのは近現代の話なので、前置きが多いと途中で読むのを止めてしまい重要なところを読まない読者がでてくるおそれを懸念しています。 //指摘取り下げ。--郊外生活会話2023年12月2日 (土) 18:00 (UTC)[返信]
  2. #近代の人文地理学 - ドイツ地理学の他にもフランス地理学についても一定の記載が必要ではないでしょうか。近代フランス人文地理学で重要なのはヴィダルの環境可能論だけではないはずで、参考文献に挙げられている野澤(2013)にも他の記載があります。野間ほか(2017: 213, 216)からも、近代人文地理学におけるフランスの重要性が読み取れ、1つのセクションがあってもおかしくないように思いました。
  3. #20世紀前半のドイツ地理学 - (1)第1段落でヘットナーとシュリーターの主要な業績を簡単に書いていただけるとセクションの内容がわかりやすくなると思います。現状の内容では、特にシュリーターの業績が何なのかキーワードがが一目ではわかりにくいように思いました。「ヘットナーは地域論を、シュリーターは景観論を提唱した」くらいの文があれば十分だと思います。「環境論」に限らず、「地域論」や「景観論」も重要用語ですので、記事で言及されるべきように思います。(2)ヘットナーの主張として、「個別の現象は地理学の対象となりえない」とありながら、「個別記述的な学問分野として規定されるべき」とあり、一見矛盾しているようにもみえます。ここでは、要は「地域を総合的・統合的に捉えることを重要視した」ということなのかと思いますが、表現の修正をご検討いただければと思います。
  4. #近代日本における人文地理学の展開 - 大きな修正が必要そうに思います。(1)近代(に限らず現代でも)日本の人文地理学に関して学校教育は非常に重要な役割をもち、この記載がないのには違和感を覚えます。(2)戦前の日本の人文地理学は主に東京帝国大学、京都帝国大学、東京文理科大学が中心になっていたかと思いますが、東京文理科大学関連の記載(例えば地誌学派など)がほとんどないことも気になりました(『人文地理学事典』pp.74-79や野間ほか(2017)でも記載はあります)。ただ、これらの内容を足すと既存のドイツやアメリカの動向の内容との関連性が弱そうで、記事内での一貫性が弱くなりそうな気さえします。後述しますが、国際的な動向を整理することを主目的とするなら、日本の動向が与えた影響は独仏・英語圏と比べて小さいので、このセクション自体の除去も選択肢としてあると思います。
  5. #シェーファーの例外主義批判と計量革命 - 記事本文の内容と画像の内容が明確に対応づけられていないことが気になりました。計量革命に触れるならベリーは重要人物になるかと思いますので、地理行列に限らず、本文で触れていただいたほうがよさそうに思います。画像自体は多変量解析というよりはBerry(1964)で提示された系統地理学的・地誌学的な見方を説明するために作成したものなので、キャプションの内容の説明にはあまり沿わないような気もしました。画像がなくても問題ないような気もします。
  6. #人間主体的な理論の発展 - 画像について再考をお願いしたいです。レジナルド・ゴリッジの画像がないからなのでしょうが、トゥアンとレルフの画像だと、このセクションの内容は行動地理学と人文主義地理学なのに、人文主義地理学についてのみ触れているように誤認しかねないように思います。掲載位置を第3段落に移すか、人物の顔写真があったところで学史の理解が深まるわけでもないので(それよりは各人物の主張と批評のほうが有用)、他セクション含めて除去するのも一手段のようには思いました。(個人的には記事全体を通じて画像過剰なようにも思いました)
  7. #ポストモダニズムの受容と差異の地理学 - (1)第1段落でポストモダン地理学について扱っていますが、これがいつ頃の話なのか記載すると明確化するように思います。1980年代のことで問題なかったかと思いますが。(2)『人文地理学事典』には記載がありませんが、ポスト構造主義地理学についての記載は必要でしょうか?ハバードほか(2018)には独立したセクションがありますし、Geography and Geographersでもポストモダン地理学と同様に一定量触れられています。
  8. #ポストヒューマニズムと関係論的地理学 - 文化地理学の中でこのような動向があることは承知しましたが、人文地理学の包括的な文献での言及が伴っていないため人文地理学全体の中での位置づけがよくわからず、この章の存在意義・重要性がよくわかりませんでした。森(2021)でも触れられていますし、文化地理学の潮流として文化地理学#文化地理学の再物質化と「新しい唯物論」で言及するのは問題ないかと思いますが、この流れは文化地理学にとどまらず人文地理学全体に共通する傾向なのでしょうか。文化地理学POVのような記載にもみえました。
  9. 導入部かどこかで、「近代人文地理学は主にドイツ・フランスで、現代人文地理学は主に英語圏で発展していった」といった記述を追加することは可能でしょうか。野間ほか(2017:216)が典拠になると思います。そうすると現在の記述内容(国際的な動向)の重要性がより明確化する(人文地理学の歴史#現代の人文地理学でドイツやフランス、日本の動向なども書かれるべきといった突っ込みにも対応できそう)と思います。
  10. 記事中に「批判地理学」や「空間論的転回」という用語がありませんが、問題ないでしょうか?重要用語の1つだと思います。空間論的転回に関しては主執筆者がこちらで言及されているので加筆待ちかもしれませんが。
  11. 個人的には、1990年代以降のGISの発展と人文地理学への影響が書かれていないことにも気にはなりました。一方、Geography and Geographersでもこのような章はなかったと思いますし、『人文地理学事典』第1部(学史と理論の系譜)でも取りあげられていないので、ウィキペディア的には特筆されないようにも思います。ただ、主執筆者が「計量革命の結果として生まれた地理情報科学の展開とその影響について……加筆の余地があるかもしれません。」ともおっしゃっていますので、可能であれば#シェーファーの例外主義批判と計量革命の末尾にでも簡単に書いていただければとも思います。
  12. あと、Yapparinaさんのコメントにも関わるのですが、「ポストモダン地理学は主に都市地理学に影響を与えた」など、人文地理学のどの領域で特に影響があったかを記載すると、具体的な内容も書けるようにも思いました(記事自体が人文地理学全体を扱う関係で抽象的になりやすいので)。
  13. 既にYapparinaさんから指摘されていますが、FA選考の前にページ数の明記をお願いします。このままだと{{要ページ番号}}が貼られると思います。また、複数ページの場合は|p=ではなく|pp=なので、そちらもご確認ください。--郊外生活会話2023年10月29日 (日) 12:25 (UTC)[返信]
取り急ぎコメントいたします。
  1. おっしゃることは理解できるのですが、やはり学問分野としての「人文地理学」を語る上で、この部分を削ってしまうことには抵抗があります。現状のこの節の記述は「地理学の歴史」の記述を大きく端折ったものということができ、(「人文地理学の歴史」が「地理学の歴史」の小記事であることを鑑みても)転記にはあまり賛成できません。また、現代の多くの人文地理学者もラッツェル以前に人文地理学が存在しなかったとは考えていないのではないかと存じます。Warf (2010)にしろ、Gibson (2020)にしろ、ラッツェル以前の人文地理学の存在を無視してはいませんし、ラッツェルが人文地理学を成立させたという立場も取っていません。
  2. 検討いたします。現状の記述だとブラーシュの歴史的立ち位置がかなり浮いているため、そのあたりを修正するとこの問題もおのずと修正されるのではないかと考えています。
  3. そのとおりだと思います。修正を試みます。
  4. おっしゃるとおり、この節の処遇はかなり難しいなと考えています。人文地理学の歴史において日本の動向は特に重要ではないため、あまり節の記述を肥大化させたくはなく、近代日本において西洋地理学がどのように受容されたかを簡単に記しておく以上のことはあまりしたくないんですよね(ただ、ご指摘の2点については加筆の必要があると思います)……「日本における人文地理学の歴史」といった記事を新たに立てるほうがよいのかもしれないな……と考えました。
  5. 私もベリーについて触れていないのは問題だと思います。加筆を検討いたします。地理行列の画像については取り急ぎ除去しました(ベリーの記述を加えることができたなら、また復帰させるかもしれません)。
  6. おっしゃるとおりだと思いますので、画像を除去しました。
  7. 人文科学にポストモダンの潮流が発生したのが1980年代頃で、「ポストモダン地理学」という語の実質的な初出はソジャが『ポストモダン地理学』を上梓した1989年なのではないかと思います。松尾(2015)を典拠にある程度細かい加筆ができると考えています。「ポスト構造主義地理学」の語を使うかどうかは悩む点ですね。同節および続く「ポストヒューマニズムと関係論的地理学」は事実上ポスト構造主義地理学の説明になっていると思いますが…
  8. おっしゃるとおり、必要な記述だと思います。野間ほか(2017)がいま手元にないため、確保でき次第加筆したいと思います。
  9. これに関しては、どちらかといえば「文化論的転回」の記述が不明瞭であることが疑問の原因となっているのではないかと思いました。文化論的転回以降、人文学の動向が一気に人文地理学に流入してきた関係で、こうした「文化地理学的」な思潮は人文地理学全体(すくなくとも社会地理学・都市地理学)に少なからない影響を与えているのではないかと考えています(このあたりについては、私が文化地理学畑出身なことによるバイアスがかかっているかもしれません)。
  10. (批判地理学について)「ラディカル地理学」が批判地理学の歴史的な呼び名となるため、不要なのではないかと考えていましたが、ご指摘の通りあったほうが親切かもしれませんね。(空間論的転回について)空間論的転回については地理学の動向というよりはむしろ地理学の外の動向なので、特に記述を加えなかったのですが、人文地理学の影響について加筆する上では間違いなく必要な記述であると思います。記述を加えたいと考えています。
  11. 地理情報科学に関するについてですが、適切な資料を見つけることが出来なかったこと、私がこのあたりの動向についてまったく専門外であるということもあり、あまり記述を加えることが出来なかったのですが、可能な限りこころみたいと考えています。この分野については私よりも郊外生活さんのほうが遥かに浩瀚な知識を持っていると存じますから、お時間がありましたら加筆をご検討いただきますと幸いです。
  12. 問題意識は理解できるのですが、出典の関係上、記事全体にこうした記述を加えるのはやや難しいかもしれません……なるべく試みたいと思います。
--Nux-vomica 1007会話2023年10月30日 (月) 06:49 (UTC)[返信]
  • 返信 返信ありがとうございます。すぐコメントできるものを返信します。(1.と8.についてはもうしばらくお待ちください)
4. 日本に関して別記事を立てても良いのではないかとも思っています。私自身、過去に日本の地理学の記事を作成しようと考えたことがありました(Category:日本の地理学は作成したものの記事はまだ作成できていませんが)。
7. 確かにコメントを受けて読み返してみたのですが、 #ポストヒューマニズムと関係論的地理学 で「ポスト構造主義地理学」の用語があったら読んでの印象が違った(人文地理学全体の中での流れとして理解しやすく、このような疑問をもたなかったかもしれない)ように思いました。現時点では改めて本文を精査し切れていないのですが、ざっと思ったこととして、ハバードほか(2018)のポスト構造主義地理学の項も参考文献に入ると一本の筋にまとまりやすくなるかもしれないようにも思いました。私は逆に現代文化地理学にあまり詳しくないので的を射たコメントができているかわかりませんが。
10 批判地理学について独立のセクションを作るべきといった話ではなく、ラディカル地理学などの記述のあたりで批判地理学という用語が何らかの形で1箇所でも出てくれば良さそうにも思っていました。空間論的転回も、独立したセクションは不要で、ポストモダン地理学に関する記述箇所で「空間論的転回に影響を及ぼた」くらいの記述が簡単にあれば十分かなと思っています。
11 #シェーファーの例外主義批判と計量革命 でCGISの話でとどまっているのも微妙なので、「計量地理学は1990年代以降の地理情報科学の発展の基礎となった」くらいの文があるだけでも変わるかな(具体的な事項は他記事に委ねたとしても)とも思っています。今週末以降になるとは思いますが、私もこの記事か関連記事かで加筆等を試みたいとは思います。郊外生活会話2023年10月30日 (月) 15:53 (UTC)[返信]
  • コメント
1.の指摘は取り下げます。依頼者コメントの他にも、『人文地理学事典』や野間ほか(2017)などでも前近代のことに触れているので、除去するほうが不自然そうに思いました。
9.に関して、依頼者コメントも踏まえて特別:差分/98288791で追記しました。
5.に関して、11.の依頼者コメントもありましたので、関連項目として計量地理学を独立記事化し計量革命の加筆改稿を進めているのですが、 ワシントン大学の箇所で特別:差分/98288566の内容あたりを整理して加筆して、具体的にどのような研究があったかを少し書いても良いのかなと思いました(スウェーデンに関しては空間的拡散の話もありますし)。ベリーの件を本文に書き加えることも考えたのですが、他記事の改稿時に改めて文献レビューをしていた限りでは、総説記事に書くのは文章量の配分などの関係で難しそうにも思ったので、今後さらに計量革命計量地理学を加筆すればそれでよしとしても良かったかもしれないようにも思いました。一方、計量地理学の参考文献にも挙げた石川(1993:382)を読んでいると、イギリスの箇所でアラン・G・ウィルソン英語版の話が出てこないことは気になったのですが、『人文地理学事典』の計量革命の項には出てきませんし、この記事に記載するべきか否か(計量革命の記事に委ねるか)は悩みます。--郊外生活会話2023年12月2日 (土) 18:00 (UTC)[返信]
  • コメント 4.に関して。日本の地理学を作成しました。2023年10月29日 (日) 12:25 (UTC)コメントで指摘した(1)学校教育、(2)東京文理科大学についても入れています。#近代日本における人文地理学の展開を転記・除去しようとも考えながら記事執筆に入ったものの、本当に転記すれば良いかというと悩みます。日本の地理学の記事内容自体が既に人文地理学に大分偏ってしまっているからです。そうなってしまう理由としては、そもそも文献で「地理学では~」と解説している箇所でも実質的に人文地理学のことしか言っていないことが多いこと、また自然地理学全体でのまとまりがなく(各領域別に細分化されている)、「自然地理学では~」といった記述は「人文地理学では~」ほど十分に得られないことが挙げられ、ウィキペディア利用者がどうにかできることではないようにも思えます。とはいえ#近代日本における人文地理学の展開を単純に除去・整理というのも違うなというところで悩んでいますが、悩んでいる旨を共有します。--郊外生活会話2024年1月1日 (月) 15:42 (UTC)[返信]
【書評】 ──専門外の方による評価および助言。
【感想】 ──専門外の方による感想。
【その他】 ──表記・文体など
  • まず、記事導入部はもっと加筆し、記事の要点ないし要約も書いたほうが良いでしょう(WP:LEAD)。
  • 形式的な面ですが、せっかく{{Sfn}}を使うならば、論文の出典であっても記事記述に対応するページを記してもらえると利便でありがたいです。例えば、松尾 2015 は30ページの論文ですが、「ナイジェル・スリフトは……を主張した」の説明と対応するのは30ページ全体ではないですよね。
  • 記事全体の内容は、ある考え方・思想による「……学」が提唱されて、それに対する反発・批判が生まれ、また別の視点からの「……学」が提唱され…、という流れで形成されているようですが、素人疑問としては、人文地理学の発展や提唱されたそれぞれの「……学」が、土地開発・都市開発、各種の統計調査、政治などに与えた具体的な結果や影響というのものはないのかな?と思いました。文字どおり人文学的分野のようなので、そういうものを求めるのは野暮なのかもしれませんが。--Yapparina会話2023年10月19日 (木) 12:31 (UTC)[返信]
    丁寧なコメントありがとうございます。取り急ぎ「概要」節を新たに設けました。論文のページ数付記については今後の課題として、(少なくとも秀逸な記事の選考を提出するまでの間には)ゆっくりやっていきたいと考えています。人文地理学が「土地開発・都市開発、各種の統計調査、政治などに与えた具体的な結果や影響」についてですが、個人的な意見として、概説記事に記述を加えられるほど大きなものは存在しないのではないかと考えています。ただ、計量革命の結果として生まれた地理情報科学の展開とその影響について、あるいは社会学などにおいて盛んになった空間論的転回と、隣接諸学問におけるハーヴェイやソジャがもたらした影響などについては加筆の余地があるかもしれません。これについても今後の課題とさせていただきたいです。--Nux-vomica 1007会話2023年10月20日 (金) 05:22 (UTC)[返信]
    加えて、現実の政治に少なからない影響を与えた人文地理学の一分野としての地政学についての記述は必要かもしれません。--Nux-vomica 1007会話2023年10月20日 (金) 07:58 (UTC)[返信]
  • コメント 「人文地理学」の何たるかも知らないのですが、「§古代から近世の地理学」に関して、重箱の隅をつつくような感想を述べます。「§古代から近世の地理学」の第2パラグラフの「中世ヨーロッパ」「ギリシャ」「アラブ世界」「ラテン世界」「イスラム世界」「ヨーロッパ」と順に出てくる、<地域>ないし<世界>を表すことばの使い方に居心地の悪さを感じました。「アラブ世界」と対置されているのが「ラテン世界」で、「イスラム世界」と対置されているのが「ヨーロッパ」、「アラブ世界」と「イスラム世界」はイコールなのかイコールでないのか?イドリースィーが地図を制作したのはロゲリウス2世という中世シチリア王国のキリスト教徒君主の宮廷なので、ここでいう「アラブ世界」に該当するのかな?地理学の分野でアラブを出自とする学者は8世紀ごろにはむしろ少なくなり以後はペルシャ人やユダヤ人が主体になるので、そもそも「アラブ世界」というワーディングは適切なのかな(たぶん本来「アラビア語世界」と訳すべき Arabic world の訳語の誤り)? 「十字軍を契機とするイスラム世界との交流」とありますが(ここではたぶんシチリア島やマヨルカ島が政治的にキリスト教圏に回収されることによって、これらの島々に蓄積されていた学知がラテン語へ翻訳、ラテン語を学術言語とする地域に流通したということを指すのだと思います)、マヨルカ島の地図製作学派のことも念頭に置いて言っているのだとしたら、彼らの主体はユダヤ教徒だったので「イスラム世界」というワーディングは適当なのかな?などなど。人文地理学の歴史の理解に必ずしも必要な情報でもないですが、どうせ書くんなら、もうちょっと専門的な出典を使ったほうがいいような気がしました。たぶん『ジオ・パルNEO』(2017) や『ブリタニカ国際大百科事典』オンライン版などの記述をつぎはぎするより、 Warf (2010) Encyclopedia of Geography の“Human Geography, History of”の項だけに依拠するほうが、このような違和感が生じにくい、かもしれません。--ねをなふみそね会話2023年12月7日 (木) 09:18 (UTC)[返信]
    ありがとうございます。地理学史におけるこのあたりの時代の説明というのは割とおざなりであることが多く、この記事に関してもあまりよい記述にはなっていないだろうなと思っています…。ご指摘の箇所については、Warf (2010)のみを出典とする記述に差し替えました。--Nux-vomica 1007会話2023年12月14日 (木) 12:01 (UTC)[返信]