v6プラス
v6プラスとは、株式会社JPIX(旧JPNE)をVNE事業者とする、IPv4/IPv6インターネット接続サービスの総称である[1]。 日本のNTT東西のフレッツ網で提供されるIPv6接続サービスの一方式である「インターネット (IPv6 IPoE) 接続」に対応している。
特徴
[編集]2022年1月現在、本サービスに対応している機器は、NTT東西の提供する「v6プラス」対応ホームゲートウェイ(ひかり電話対応ルーターの一部機種)や「v6プラス」対応ブロードバンドルーター(ヤマハ、BUFFALO、IO DATA、NECプラットフォームズ等の一部機種)などがある[1][2]。
仕組み
[編集]IPoE方式によるIPv6インターネット接続とともに、MAP-E[3]方式によるトンネリング (IPv4 over IPv6) を使用して、IPv6接続を介したIPv4接続を提供する[4]。
ひかり電話対応ホームゲートウェイ(ルータ機能内蔵)利用ユーザーの場合、NTT東西が事業者向けに提供しているソフトウェア配信サービス「フレッツ・ジョイント」を使用して[5]、対応ホームゲートウェイ(HGW)上のソフトウェアをリモートアップデートすることで、HGWがMAP-E対応CPEとして機能するようにする必要がある[6]。
注意点
[編集]多くのISPは、v6プラスでは一部のサービスが利用できない場合があると注意喚起している[7]。以下は、利用できないサービスの例である。
- IP電話 (050) サービス
- 技術的な仕様で利用できないのではなく、電話サーバーとの通信がIPv4で行われること、050電話サービス上でPPPoEを必須とすること[8]やネットワーク管理面でアドレス空間や事業者をまたがないようにするための制限等による。
- 固定IPサービス
- v6プラスにも固定IPサービスがあるが[9]、ISPが従来提供していたPPPoEの固定IPアドレスは共用できないISPも存在する。ただし、アンバンドルであれば共存できる。
- 一部通信型ゲームなど、特定ポートを使用するサービス[10]や複数のユーザでIPアドレスを共有すると利用できないサービス。
- アプリケーションの実装がアドレス共有に対応していないための制限で、v6プラスやMAP-Eの仕様上の制限ではない。
- 特定のプロトコル(PPTP、SCTP)を利用するサービス[11]
- ポート番号に相当する共有識別子がないプロトコルが利用できないMAP-Eの仕様上の制限。
- その他、IPv4グローバルアドレスを共有するネットワークでは利用できないサービス
- アプリケーションの実装がアドレス共有に対応していないための制限。
- IPv4アドレスの割当は実質半固定IP
- IPv6とのマッピングで連動するためIPv6の制限事項である半固定的割当となり[12]、ユーザーによるONU、HGW、ルーターを再起動しても変更できない。
今現在、従来のIDとパスワードを利用したPPPoE接続とは併用できないISPがほとんどである。また、利用できる場合でも別途料金が発生するISPがある。
IPv4アドレスを複数人が共有する仕組みであるため、一人が犯罪を犯して家宅捜索の対象になった場合、共有しているアドレス総当たりで家宅捜索の対象になってしまう可能性がある[要出典]。
対応プロバイダ
[編集]- Tigers-net.com (アイテック阪急阪神)
- MAGMA光 (インターネットMAGMA)
- @nifty (ニフティ)
- GMOとくとくBB (GMOとくとくBB)
- 21Company (21Company)
- アピオン (アピオン)
- HAL (ウイル)
- 晴れの国ネット (シックス)
- JANIS (長野県協同電算)
- KISNET (創風システム)
- Gaming+ (ゲーミングプラス) (ネットフォレスト)
- DMM光 (DMM.com)
- So-net (So-net)
- オープンサーキット (オープンサーキット)
- タムネット (tam.ne.jp)
- (BIGLOBEは2017年7月に「v6プラス」の新規受付を終了し「IPv6オプション」に移行した[13])
脚注
[編集]- ^ a b “v6プラス(IPv6/IPv4インターネットサービス)”. 2017年4月18日閲覧。
- ^ 小川 & 久保田 2020, pp. 86–87.
- ^ “IPv6 Summit in TOKYO 2013 IPv6の対応状況とJPNEの取組み” (PDF). 2014年2月3日閲覧。[リンク切れ]
- ^ 小川 & 久保田 2020, §4 MAP-EによるIPv4インターネット接続.
- ^ 『「フレッツ・ジョイント」を活用した「v6プラス」の提供について』(プレスリリース) 。2013年11月6日閲覧。
- ^ 小川 & 久保田 2020, pp. 80–81.
- ^ “Q.v6プラスを使うことで、利用できないサービスはありますか。”. 2014年2月3日閲覧。
- ^ “IP電話アダプターの設定”. 2021年1月13日閲覧。
- ^ “「v6プラス」固定IPサービス”. 2020年4月30日閲覧。
- ^ 小川 & 久保田 2020, pp. 95–96.
- ^ 小川 & 久保田 2020, p. 95.
- ^ “NGN IPv6 ISP接続<ネイティブ方式>サービス仕様書” (PDF). 2020年4月30日閲覧。
- ^ “v6プラスのご案内”. 2017年8月8日閲覧。
関連項目
[編集]参考文献
[編集]- 小川, 晃通、久保田, 聡『徹底解説v6プラス』(PDF)日本ネットワークイネイブラー監修、ラムダノート、2020年1月。ISBN 9784908686085 。2021年2月15日閲覧。