NGC 2060

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NGC 2060
Ngc 2060 hst rgb.jpg
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したNGC 2060
星座 かじき座
視等級 (V) 9.59[1]
分類 超新星残骸[1]
発見
発見日 1836年
発見者 ジョン・ハーシェル
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α) 05h 37m 51.56s[1]
赤緯 (Dec, δ) -69° 10′ 23.7″[1]
距離 17万光年[2]
絶対等級 (MV) -9.0
物理的性質
色指数 (B-V) 0.10[1]
色指数 (V-J) -5.953 ± 0.150[1]
色指数 (V-H) -5.351 ± 0.146[1]
色指数 (J-H) 0.602 ± 0.296[1]
色指数 (H-K) 0.165 ± 0.314[1]
年齢 5000年[3]
別名称
別名称
CAL 67,
CXOU J053751.6-691021,
2E 0538.0-6911,
2E 1499,
1ES 0538-69.1A,
ESO 57-1,
IRAS 05381-6912,
LHA 120-N 157B,
LI-LMC 1448,
LMC RASS 254,
2MASS 05375156-6910237,
MC4 0537-69.2A,
MDM 65,
MRC 0538-691,
30 Dor B,
1RXH J053752.0-691024,
RX J0537.8-6911,
SNR B0538-69.1.
■Project ■Template
PSR J0537-6910
分類 ミリ秒パルサー[3]
発見
発見年 1998年[3]
発見者 F. E. Marshall et.al.[3]
発見方法 X線測定[3]
位置
元期:J2000.0[4]
赤経 (RA, α) 05h 37m 47.416s[4]
赤緯 (Dec, δ) -69° 10′ 19.88″[4]
物理的性質
自転周期 0.0161秒[3]
別名称
別名称
CXOU J053747.3-691020,
PSR J0537-69,
XMMU J053747.4-691020[4].
■Project ■Template

NGC 2060とは、大マゼラン雲の中にある超新星残骸である[1][2]。中心部にミリ秒パルサーPSR J0537-6910を持ち[4][3]、その周辺は超大質量ブラックホールを除いた、宇宙で最も強い電場がある[5]

概要[編集]

NGC 2060は、1836年ジョン・ハーシェルによって発見された。現在ではかじき座テーブルさん座にまたがる大マゼラン雲のかじき座側にある超新星残骸である。視等級は9.59等級である[1]。すぐ近くにタランチュラ星雲があり、それと比べると視等級は1.6等級も暗い。見かけ上すぐ近くにあることから、タランチュラ星雲の別名かじき座30星雲 (30 Dor Nebula[6]) の伴星という意味のかじき座30B (30 Dor B) という別名もある[1]

PSR J0537-6910[編集]

NGC 2060の中心部には、PSR J0537-6910という中性子星が存在する。これはNGC 2060に阻まれ直接見ることはできず、1998年X線の測定によって発見された。NGC 2060はPSR J0537-6910を生ずる元となった超新星爆発で誕生したと考えられる[3]

PSR J0537-6910は自転周期が1秒以下のミリ秒パルサーである。正確な自転周期はあすかおよびRXTEの測定時期によって異なるが、おおむね0.0161秒である。これは1秒間に約62回転することを示している。この自転周期から、PSR J0537-6910およびNGC 2060は約5000年前に超新星爆発を起こしたと推定されている[3]

PSR J0537-6910のデータ[3]
観測 日付 (UT) 元期 (MJD) 自転周期 (ms) パルス強度 (×10-6J/s/cm2)
あすか 1993年6月13日 49151.306618 16.1093291 6.4 ± 0.8
あすか 1993年8月20日 49219.986830 16.1096349 7.1 ± 0.9
あすか 1993年9月23日 49253.982891 16.1097864 4.1 ± 2.0
RXTE 1996年10月12日 50368.148905 16.1147174 6.8 ± 1.2
RXTE 1996年12月20日 50437.550201 16.1150276 6.7 ± 0.7

なお、強い磁場と速い自転速度を持つことから、PSR J0537-6910の周辺には強大な電場が形成されている。その強さは、電流にして1000兆A (1015A) 、電圧にして3京8000兆V (3.8×1016V) に達する[5]。これは電力に換算すれば380穣W (3.8×1031W) にもなる。これは超大質量ブラックホールのような極端な質量を持つ天体を除けば、知られている中で最も強い電場を持つ天体である[5]

出典[編集]

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m NGC 2060 -- SuperNova Remnant SIMBAD
  2. ^ a b Hubble's 22nd Anniversary Image Shows Turbulent Star-making Region Hubble Site
  3. ^ a b c d e f g h i j Discovery of an Ultra-fast X-ray Pulsar in the Supernova Remnant N157B arXiv
  4. ^ a b c d e PSR J0537-6910 -- Pulsar SIMBAD
  5. ^ a b c ブライアン・ゲンスラー『とてつもない宇宙 ---宇宙で最も大きい・熱い・重い天体とは何か?』松浦俊輔訳、河出書房新社、2012年978-4309252728
  6. ^ NAME 30 DOR NEBULA -- HII (ionized) region SIMBAD

関連項目[編集]

座標: 星図 05h 37m 51.56s, -69º 10' 23.7''