Internet Experiment Note

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Internet Experiment Note(インターネット・エクスペリメント・ノート、略称:IEN)は、インターネットの開発に関連した一連の文書の総称である[1][2]。全てのコンピュータ・ネットワークとプロトコルの開発に共通する、ある種の非公式な「事前調査」プロセスを形成していた[3]。これはある種の報告プロセスであるRFCとは異なるものとして用いられ、それ故に当時はRFCと別の文書として発行された。IENは現在は発行されていない[1][3]。また、既に発行されたIENもインターネットドラフトの発行に伴い効力を失ったため、歴史的価値のみが残っている[4]

歴史[編集]

1977年、その数年前にボブ・カーンヴィント・サーフが提唱したインターネットのコンセプトを実現するためのプロジェクトをDARPAが本格的に開始した後、プロジェクトメンバー内で作業上のコミニケーションを文書化する必要があった。既にRequest for Comments(RFC)はあったが、それは先行するARPANETプロジェクトの管轄と考えられていた。そのため、インターネットプロジェクトのメンバーは、RFCを模倣した一連の文書を"Internet Experiment Note"(IEN)として作成することを決定した[5][6]

1977年3月から1982年9月までに206件のIENが発行された。RFCの管理者を務めていたジョン・ポステルも一部のIENを執筆しており、その中にはTCP(IEN 40)やIP(IEN 41)の最初の仕様なども含まれている。また、一部のIENはRFCを兼ねており、両方の番号が振られている。

1983年、ARPANETがNetwork Control Program(NCP)の使用を中止して、インターネットプロジェクトが開発したTCP/IPに移行するのに伴い、IENの発行は中止され、それ以降の文章はRFCとして発行されることとなった[2][7]

脚注[編集]

  1. ^ a b 戸根勤『マスタリングTCP/IPネットワーク用語事典』オーム社、2002年11月、485頁。ISBN 9784274064968 
  2. ^ a b 池田博昌 著、秀和システム編集部 編『通信ネットワーク用語事典』秀和システム、2007年、239頁。ISBN 9784798017020 
  3. ^ a b Murray, Andrew (2007-03-12), The Regulation of Cyberspace - Control in the Online Environment, Taylor & Francis, p. 68, ISBN 9781135310752 
  4. ^ Wilder, Floyd (1998), A guide to the TCP/IP protocol suite, Artech House, p. 450, ISBN 9780890069769 
  5. ^ (スウェーデン語) Inte Anonym [!anonym] - Inte Anonym - en berättelse om nätet, BoD – Books on Demand – Schweden, (2019-09-25), p. 51, ISBN 9789176999202 
  6. ^ Pathways to the Information Society - Proceedings of the Sixth International Conference on Computer Communication, London, 7-10 September, 1982, North-Holland Publishing Company, (1982), p. 974 
  7. ^ Rooney, Tim; Rooney, Timothy (2010-11-02), Introduction to IP Address Management, Wiley, p. 240, ISBN 9780470585887 

外部リンク[編集]