あなた

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Sumaru (会話 | 投稿記録) による 2020年11月10日 (火) 04:27個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (124.103.40.233 (会話) による版を Rxy による版へ巻き戻し)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

あなた(彼方、貴方、貴男、貴女)は、特定の人物を直接呼ぶ際に用いる人称名詞。また、指示語の一つで、彼方(かなた、あなた、「遠くに在るもの」の意)にある様。此方(こなた、「近くに有るもの」の意)の対義語

二人称としての「あなた」

二人称の人物を呼ぶときに使う言葉であり、の対義語である。妻が夫を呼ぶ場合にもよく使用される。君よりも敬意を示す語として使われることが多い。漢字に関しては、男性に対し「貴男」、女性に対し「貴女」などとして区別する場合もある。 昔は、そちと言われていた。日本語では目上の人物に対して「あなた」と呼ぶことは失礼にあたり、日本語教員はアジア諸国の日本語学習者にこのことを教えることが多い[1]

指示語としての「あなた」

彼方(あっち、あなた、かなた)にある様。此方(こっち、こなた)の対義語。ドイツ詩人カール・ブッセの "Über den Bergen" を上田敏が訳詩した「山のあなた」は名訳とされている。この訳文は1899年(明治32年)に出版された『海潮音』にヴェルレーヌの "Chanson d'Automne" (「秋の詩」の意で、訳文では「落葉」。ノルマンディー上陸作戦符牒としてBBCから放送されたことで知られる)の訳文などと一緒に収録されている。

脚注

  1. ^ 末延岑生『ニホン英語は世界で通じる』〈平凡社新書〉 2010年 ISBN 9784582855357 p50

関連項目