同窓会

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同窓会の立食パーティ

同窓会(どうそうかい)は、大きく分けて以下に大別される。

  1. その学校の卒業生同士が当時を振り返るために集まるイベントであり、いわゆる「懇親会」。
  2. その学校の卒業生により組織される非営利団体であり、いわゆる「後援会」。

本項ではこれらを総括して詳述する。

懇親会としての同窓会

特に同時期に卒業した者が集まる場合を「同期会」、同じクラス学級ホームルームなど)であった者が集まる場合を「クラス会」、ということもある[1]。また、卒業年代を問わない「ホームカミングデー(homecoming day)」というものもあり、主に大学などで開催されている[2]

近年、かつての恋愛関係、片思いだった者同士が同窓会をきっかけに急接近し、「同窓会結婚」「同窓会不倫」なる言葉も生まれている。

団体としての同窓会

一般に同窓生間の親睦・懇親、母校・後輩への後援などを目的として組織され、会則等を制定し、代表役員を定めたうえで主に下記のような活動を行なうことが多い。性質上、母校に対して卒業生の総意を示す団体として強い影響力を持つこともある。

個別の団体名としては、「校友会」「学友会」、「OB会」、「後援会」などの名称を使用する場合もある。また、大学短期大学を含む)の研究室(専攻、専修)レベルにあっては、その研究室の組織する学会が実質的に同窓会の役割を果たしている場合も多い。

規模によっては社団法人等の法人格を取得している同窓会も存在するが、現在の日本では法律上の法人格取得に制限が大きいため、大半はいわゆる「権利能力なき社団」として活動している。  

主な活動

総会・幹事会の開催
卒業年度ごとに幹事が選出され、年数回の幹事会および総会等で役員選出や活動内容が決められている。
会誌の発行
年一回ペースで発行されていることが多い。会員を対象に幹事会報告、会費の収支報告、学校等の近況を知らせるものである。主に私立の学校で発行され、卒業生に送付される。会によっては在校生にも配布されている処や、同窓会費を支払った人のみに送付しているところもある。
卒業生本人が他界しても遺族から学校へ連絡しない限り(同窓会側では事情がわからないので)送付が続けられる。
会費の運用
会員から納められた会費は、幹事会によって運用される。また、卒業生や恩師からの寄付によって賄われている。
一例として母校の発展のために在校生の奨学金と利用されたり卒業生同士の親睦を図るためとして総会やクラス会の援助金としても使用されている所もある。
その他
最近では上記の会誌に加え、ウェブサイトの運営を行なっている会もあり、住所・氏名・勤務先などの変更、会誌等の送付停止の手続きなどをできるようにしている所もある。

個人情報の管理

同窓会の運営に当たっては個人情報の適切な管理やプライバシーの保護が問題となっている。

日本では2017年5月に改正個人情報保護法が全面施行され5000人以下という従来の人数要件が撤廃され同窓会等の非営利組織も適用対象となった[3] 。そのため個人情報の取得や保管について改正個人情報保護法の規制を受ける[3]。なお、個人情報の取扱いに限らず、同窓会の運営においてプライバシーの侵害が発生した場合には民法上の不法行為となるおそれがある[4]

会員資格について

会員資格は会則で定められ、団体ごとにまちまちである。
卒業者を本会員、在職歴のある教職員等を特別会員とすることが通例であり、在籍学生を学生会員として扱う団体もある。
学生会員制度のない中退者などの在籍経験者は会員資格がないことが通例だが、日本工業大学駒場高等学校を中退した河村隆一が出身高校の同窓会で「OB」とされている[5]ケースもあり、中退者などに何らかの資格を与えている団体も存在すると推察される。

脚注

  1. ^ 両者を含めて「同級会」という呼び方をする場合もある。ただし、地域により呼び方やそれを指し示す意味合いは異なる。
  2. ^ 例として、「早稲田大学ホームカミングデー」など。
  3. ^ a b 個人情報保護委員会. “自治会・同窓会向け会員名簿を作るときの注意事項”. 内閣府個人情報保護委員会. 2018年12月28日閲覧。
  4. ^ 個人情報保護委員会. “よくある質問(個人向け)”. 内閣府個人情報保護委員会. 2018年12月28日閲覧。
  5. ^ [1] 2019年11月22日閲覧

関連項目