ピパ属
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ピパ属 | |||||||||||||||||||||||||||
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ピパ属(ピパぞく、Pipa)はピパ科に属するカエルの属の一つ。この属の基準種(分類体系において、ある属を認識・確定するための基準となる種のこと)はピパ(P. pipa)である。
分布
分布域は南米大陸北部である。また、ピパ科に属する他の属は全てアフリカ大陸に分布している。
形態
小型の種(ドワーフピパ)で5cm程、大型の種(ピパ)では15cm程度に達する。水生であるため、体は扁平で後肢と趾間の水掻きが非常に発達し、側線系を有する。頭部は三角形で、小さな目が比較的高い位置につく。指先が星状の感覚器になっており、また、ツメガエル類と同様に趾先に爪を有する種も存在する。
生態
ピパ類は全て完全な水生であり、河川や池沼に生息する。大雨により水が濁ってしまったときは、上述した指先の感覚器を用いて泥の中から餌を探り出す。水面に浮上するのは基本的に呼吸のときだけである。また、ピパ類はその特徴的な繁殖様式で有名である。複雑な求愛行動の後に、例えばピパでは、卵は雌の背中に産み込まれたままそこで変態を完了する。カルバルホピパでは、卵は雌の背中に産み込まれはするが、幼生の段階で出てきてしまう。また、ピパ属の幼生は濾過摂食型である。
下位分類
現生種7種が知られている。
- アラバルピパ P. arrabali
- ギアナピパ P. aspera
- カルバルホピパ P. carvalhoi
- パナマピパ P. myersi
- ドワーフピパ(コガタピパ) P. parva
- ピパ(コモリガエル) P. pipa
- レッサーピパ(ベレムピパ) P. snethlageae
系統関係
- 他の属との系統関係
- 最近の研究では、ピパ科に属する5つの属の分岐順序で、ピパ属は2番目に分岐するという系統解析の結果が得られている(Frost et al., 2006)。しかしながら、ピパ属が最後に分岐する結果や、二股分岐の系統樹を得た研究も存在している。
- 下位分類群の系統関係
- 下位分類群、7種の系統関係としては、先ずドワーフピパとパナマピパのグループと、それ以外の種のグループとに分かれ、後述したグループ内5種が順に、カルバルホピパ、ギアナピパ、アラバルピパ、そして最後に、レッサーピパとピパとに分岐するといった結果を得ている研究がある(Trueb et Massemin, 2001)。
参考文献
- Davies, R. 他 『爬虫両生類飼育入門』 千石正一訳、緑書房、1998年、186-187項
- Frost, D. R. et al., "The Amphibian Tree of Life," Bulletin of the American Museum of Natural History, Number 297, NY, 2006, pp. 119-121
- 松井正文 『両生類の進化』 東京大学出版会、1996年、137-138、174項
- Trueb, M. and Massemin, D., "The osteology and relationships of Pipa aspera (Amphibia: Anura: Pipidae), with notes on its natural historyin French Guiana", Amphibia-Reptilia, 22, 2001, pp. 48-49
- 内田亨他監修 岩澤久彰他著 『動物系統分類学 9(下A2) 脊椎動物(IIa2) 両生類II』 中山書店、1997年、92-93項
関連項目
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外部リンク
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