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大蛇山 (祭り)

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大蛇山(だいじゃやま)は、福岡県大牟田市柳川市みやま市及び熊本県玉名郡南関町で行われる夏祭り、またその夏祭りに使われる山車の名称。 また、雑な囃子をはじめ爆竹を鳴らしたり、花火・煙幕等を撒き散らしたりと、いわゆる「どんちゃん騒ぎ」のようにも見えることから「ヤクザ祭り」という別称も付いた。

概要

大蛇山は福岡県大牟田市とその周辺地域で行われており、他地域ではあまり見られない独特の祭りである。大蛇がまつりに出る由縁は正確な文献がないが、祇園信仰の大蛇に象徴される水神龍神信仰の融合として捉えられている。

大蛇山は、大蛇を模した製作物を飾り付けた山車に人が乗り、太鼓半鐘などの樂(祭囃子)と共に街中を練り歩く。大蛇の頭・尾を左右、あるいは上下に振り、花火煙幕を取り付けて、火を吹いているように見せるところが特徴である。

複数の大蛇山が向き合う競演は、数分間のうちに大量の花火・煙幕が使われ、大きな見所の一つになっている。また、地域によっては踊り山車や大名行列なども繰り出し、まつりを演出している。

大蛇は昔からの手法を受け継ぎながら、まつり当日までの数ヶ月間、毎年手作業で和紙などを組み合わせて胴体ご神体として作成し、山車に飾りつけられる。

子供を大きく開いた大蛇の口内へ掲げるかませという儀式があり、かませを受けると子供たちは無病息災のご利益があるとされている。

まつりが終わる夜は、氏子子供たちによって[1]大蛇の頭・胴体・尾を崩す山崩しが行われて、フィナーレを迎える。[2]崩した大蛇の部位は、持ち帰って軒先に飾ることで家内安全・無病息災の縁起物としてご利益があるとされている。

各地の大蛇山

脚注

  1. ^ 昔はまつりの夜が明けると同時に大蛇を氏子や有志で崩していた。特に左の目玉が一番価値があると言われ、激しい奪い合いが発生していた。しかし、負傷者が続出したことから戦後禁止となり、現在の方法で崩すようになった。
  2. ^ 本宮彌劔神社での山崩しは神社の前で大蛇の首を落とし、境内に用意された炎の中に氏子衆がそのまま引き込んで燃やすという古くからの風習がある。

参考文献

  • 大牟田の絵本『わらうだいじゃやま』文・内田麟太郎 絵・伊藤秀男 絵本『わらうだいじゃやま』刊行会 発売・石風社